死体を買う男 の商品レビュー
白骨鬼:南紀白浜で女装青年が首吊自殺。事件に違和感を感じた乱歩と朔太郎が探偵となり事件を探る。 現実:作家細見が白骨鬼(西崎作)を休載させる。 白骨鬼の事件の裏に隠された真実が「死体を買う男」 白骨鬼は警官の犯罪捜査記録が下敷。事件関係者は現存。乱歩と朔太郎に目が行くが,事件には...
白骨鬼:南紀白浜で女装青年が首吊自殺。事件に違和感を感じた乱歩と朔太郎が探偵となり事件を探る。 現実:作家細見が白骨鬼(西崎作)を休載させる。 白骨鬼の事件の裏に隠された真実が「死体を買う男」 白骨鬼は警官の犯罪捜査記録が下敷。事件関係者は現存。乱歩と朔太郎に目が行くが,事件には裏がある。
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全く予備知識なく店頭での見出しだけで手に取って読んでみました。この作者さんとも接点は初めてです。 結論としては、よく練られたトリックというか、構成ではあります。ただ、展開として全くドキドキ感が得られなかった。 そもそも、このような一昔前な文体だともわからずに手に取ったのですが...
全く予備知識なく店頭での見出しだけで手に取って読んでみました。この作者さんとも接点は初めてです。 結論としては、よく練られたトリックというか、構成ではあります。ただ、展開として全くドキドキ感が得られなかった。 そもそも、このような一昔前な文体だともわからずに手に取ったのですが、このような文体だとドキドキできるだけの私の器がないのかもしれません。文学としてはそれなりにいいのかもしれませんが、江戸川乱歩も萩原朔太郎も名前しか知らないようなバックグラウンドの私にはちょっと厳しかったです。
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江戸川乱歩と萩原朔太郎のコンビ! なんですが、萩原朔太郎の作品はまだ未読。江戸川乱歩は小学校の頃「怪人二十面相シリーズ」をとにかく読みまくってましたが、少し記憶も薄れていました。 作中作で描かれる『白骨鬼』。古風な描写で少し読みづらい部分もあったが、江戸川乱歩好きなら面白いと...
江戸川乱歩と萩原朔太郎のコンビ! なんですが、萩原朔太郎の作品はまだ未読。江戸川乱歩は小学校の頃「怪人二十面相シリーズ」をとにかく読みまくってましたが、少し記憶も薄れていました。 作中作で描かれる『白骨鬼』。古風な描写で少し読みづらい部分もあったが、江戸川乱歩好きなら面白いと感じるかもしれません。 トリック自体はそんなに驚いたものではないが、ヒントに気づかなかったことが少し悔しい。 歌野さんが江戸川乱歩のことめっちゃ好きなんだなってことがよく伝わる小説。
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物語の半分くらいまでは予想どうりでしたが、さらにそこから二転三転あるとは恐れ入りした。 タイトルの死体を買う男が最後まで??でした笑
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この作品は、江戸川乱歩と萩原朔太郎が活躍する作中作『白骨鬼』の世界とその原稿を追いかける細見辰時の現実世界の二重構造になっている。やがて二つの世界の繋がりがはっきりしてくる展開が面白い。 『白骨鬼』は乱歩の未発表作との位置付けであり、主人公も乱歩だし、文体などもその作品を模してい...
この作品は、江戸川乱歩と萩原朔太郎が活躍する作中作『白骨鬼』の世界とその原稿を追いかける細見辰時の現実世界の二重構造になっている。やがて二つの世界の繋がりがはっきりしてくる展開が面白い。 『白骨鬼』は乱歩の未発表作との位置付けであり、主人公も乱歩だし、文体などもその作品を模しているようである。乱歩の作品に親しみがあれば、そのあたりも楽しめたかもしれない。 双子の入れ替わりトリックで二転三転するのはベタな展開で先が読めてしまった。 また、『死体を買う男』というタイトルについて、最後までなぜこのタイトルなのかわからなかった。調べてみるとアナグラムが関係しているとのことだが、今ひとつすっきりしない。
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江戸川乱歩作品を知らなくても面白く読めると思います 生粋のミステリ好きが書くミステリ!! という感じ 種明かし部も、これでもかこれでもかと出るわ出るわで しかも、ひとつ残らずすべて綺麗に伏線回収がされているし、 文章自体はちょっと時代を感じるんだけど それでもちゃんと全部理解...
江戸川乱歩作品を知らなくても面白く読めると思います 生粋のミステリ好きが書くミステリ!! という感じ 種明かし部も、これでもかこれでもかと出るわ出るわで しかも、ひとつ残らずすべて綺麗に伏線回収がされているし、 文章自体はちょっと時代を感じるんだけど それでもちゃんと全部理解できたし 作中作?スタイルなんで またすごいお得感 桜葉… 絶望ノート など もう歌野晶午さん最高です もう
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『葉桜〜』が推理小説の中で一番好きな私は歌野晶午の作品は無条件で好きだ。 ホントに読みやすいし、本格サスペンスを楽しめる。この作品も推理小説としては楽しめた。 乱歩作品を読んでないので、乱歩好きならもっと楽しめたのだろうと思う。 トリック的には、誰が誰で誰なのか混乱するが基本的...
『葉桜〜』が推理小説の中で一番好きな私は歌野晶午の作品は無条件で好きだ。 ホントに読みやすいし、本格サスペンスを楽しめる。この作品も推理小説としては楽しめた。 乱歩作品を読んでないので、乱歩好きならもっと楽しめたのだろうと思う。 トリック的には、誰が誰で誰なのか混乱するが基本的には、双子が入れ替わってるだけ。それを数十年後のネタバラシ。みたいな構成でみせるのは流石だなと思った。 最後にドンデン返しこそ、歌野晶午の真骨頂。そこに向けて、細かな伏線やミスリードを重ねていく。 次の作品を見たくなる作家
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発想が素晴らしく、昔の文豪にありがちなねちっこい文章は見事。この手の作品は本家に比べると見劣りすることが多いが、入れ子構造がそれをカバーしている。ただ、結末はまあ落ち着くところに落ち着いた。どんでん返しのテイストは刀城言耶みたいなイメージかな。
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「白骨鬼」という探偵小説からこの物語が始まる。その作中で、縊死体が消えるという珍事が起きる。警察は風により、崖から海へ落ちたと結論づけたが… この雰囲気、謎が謎を呼ぶ展開。江戸川乱歩が好きな人には堪らないだろう。 最後の最後にこの本の題名に納得。
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2022年2月15日読了。 ・ 平成2年・江戸川乱歩の没後25年という節目に、ある作品が発表される。 『白骨鬼』と題されたその作品は、乱歩の未発表作ではないかという謳い文句で雑誌に掲載され注目を集めていた。 独特の文体・語り口・雰囲気はまさに乱歩の作風。 乱歩本人と思われる主人公...
2022年2月15日読了。 ・ 平成2年・江戸川乱歩の没後25年という節目に、ある作品が発表される。 『白骨鬼』と題されたその作品は、乱歩の未発表作ではないかという謳い文句で雑誌に掲載され注目を集めていた。 独特の文体・語り口・雰囲気はまさに乱歩の作風。 乱歩本人と思われる主人公が旅行先の宿で不思議な男に遭遇するところから話は始まる。 その男は、仲居の話によると夜な夜な女性ものの振袖を着て、顔に白粉を塗りたくり見るも無惨な醜貌で窓から月を眺めているのだと言う。 興味を惹かれた主人公は、その男について調べ始めるがある日突然、女装姿のまま首を吊って自殺してしまう。 しかも、第一発見者が少し目を離した隙に忽然と遺体は消えてしまったという。 謎に溢れたこの事件を、乱歩と友人である詩人・萩原朔太郎が探偵の真似事をしながら調べていく。 ・ この作品を読んだ元ベストセラー作家・細見辰時は、すぐに乱歩の作品では無いと判断し出版元の知人関係者に確認した所、案の定それは乱歩の未発表作などではなかった事が判明する。 だが、この作品を書き上げたのは20歳そこそこの新人作家であるという。 そんな若者が、あの乱歩と見紛うような文章を書いたとなると意外であり、疑わしささえ覚えた。 出版社の担当から、その作者は細見辰時の大ファンだという事を聞き、好奇心から一度会ってみる約束を交わす。 ・ ・ 歌野晶午氏、初作品。 小学生の頃、『少年探偵団シリーズ』の『怪人二十面相』や『黄金豹』や『電人M』等々、図書館から借りてきては黙々と読み、大人になってからも春陽堂書店の『江戸川乱歩文庫』を全て集めた、乱歩の一ファンとしては読んでおきたい作品だった。 正直トリックや結末の意外性はそこまでインパクトのあるものでは無かったが、乱歩を彷彿とさせる文章や、各見出しのタイトルが『双生児』『屋根裏の散歩者』『白髪鬼』など全て乱歩の作品名になっており、内容も関連付けられていて面白かった。 ・ 乱歩と思われる主人公が、宿で『廣宇雷太(ひろうらいた)』という偽名を名乗った時に これは乱歩の本名の『平井太郎(ひらいたろう)』のアナグラムじゃないか!と一人でほくそ笑んでいたら、しっかり作中でそれについて触れられていてガッカリした。 しかし、そのアナグラムが後々重要になってくるとは…。 ・ 久々に江戸川乱歩風の作品を読んで感化されて、本家の乱歩作品をまた読み返したくなってしまった。
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