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数奇にして模型 の商品レビュー

3.8

286件のお客様レビュー

  1. 5つ

    43

  2. 4つ

    118

  3. 3つ

    88

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2021/06/05

かなり久しぶりの森博嗣。 お馴染みのメンバーが作品に彩りを与えてくれているが、物語自体はいまひとつ。 犯人の不自然な言動を「一般人にとっては不合理な行動に思えるが、特異な人間である犯人にとっては別段おかしな思考ではない」という作者にとって都合の良い論理で済ませるのは、読んでいて...

かなり久しぶりの森博嗣。 お馴染みのメンバーが作品に彩りを与えてくれているが、物語自体はいまひとつ。 犯人の不自然な言動を「一般人にとっては不合理な行動に思えるが、特異な人間である犯人にとっては別段おかしな思考ではない」という作者にとって都合の良い論理で済ませるのは、読んでいてゲンナリしてしまう。 2つの殺人のどちらも動機は弱いというか、無理やりだし。 それに、クライマックスで探偵役の主人公と真犯人が格闘を繰り広げるなんて、「推理小説」としては下等な手だとしか思わないので、これもゲンナリしてしまった。 単純に物語の質としては星2つが妥当だが、金子くんや大御坊といった脇役たちが、実に生き生きと描かれていて退屈なく読破できたので、星3つにしておく。

Posted byブクログ

2021/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思ったより分厚くて手に取った時は読み切れるか不安になりました。しかし、そんな不安も一瞬でなくなり、1日で読み終わりました。 最初から奇妙な点がたくさんあり、主人公はだれ?としばらくは思っていました。登場人物のページと行ったり来たり。なんでこの人なんだろう?と。 怪しいひとや怪しい言葉が出てきては消え、出てきては消えを繰り返していた印象です。 理解できる部分もあるような、ないような。 普通に見える人も、心の奥底ではこのようなことを考えているかもしれないと思うとぞっとします。

Posted byブクログ

2021/03/28

700ページもあるけれど、読み出したらあっという間だった。 今回も最後まで犯人は分からなかったし、犯人の心理がこれまで以上に理解不能な殺人だった。 殺人よりも犯人の精神が恐ろしい… 新たな登場人物として、萌絵の従兄弟が強烈なキャラクターで面白かった。 萌絵の友人もまた強個性だっ...

700ページもあるけれど、読み出したらあっという間だった。 今回も最後まで犯人は分からなかったし、犯人の心理がこれまで以上に理解不能な殺人だった。 殺人よりも犯人の精神が恐ろしい… 新たな登場人物として、萌絵の従兄弟が強烈なキャラクターで面白かった。 萌絵の友人もまた強個性だったから、類は友を呼ぶ感じ…? 同じゼミ生の金子くんも活躍していて、今回は警察よりも周りの人達がよく動いていた。 それにしても、萌絵は何故こうも危機感が薄いのか… 今回も読んでいて大丈夫なのかハラハラした。

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2021/03/20

まんまと騙されている。自分で言うのもなんだが、いい読者なんじゃないかと思う。 ほんとに1人ってどこから1人なんだろう。

Posted byブクログ

2021/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1998年作品 巻末の作者がマンガ同好会で活躍されていたことに驚いた。 今回のミステリーは普通の感性で読んでいたら、??? となる。サイコミステリーといえるのかも。 1.嘘つきの犯人が文章からも浮気をした事実がなくても 嫉妬で殺人ができるのだろうか? 2.衝動的な行動でも、犯行の痕跡を残さないことはできるのだろうか? 3.最後の被害者は犯人の異常な精神を感じていなかったのだろうか? 4.この時代、足跡(靴跡)は調べることは不可能だったのか? とおもったりした。 2020年の今、沢山のカメラが存在する。科学捜査も 進歩している。 昔のミステリー小説は懐かしく感じる。 犀川先生は親の愛情で萌絵に接しているのか? 萌絵がトラウマで刑事のまねごとをして、危険を顧みないのか?2人の関係は気になるところ。

Posted byブクログ

2021/02/05

好きにしてもOK。 やっぱり駄洒落。 異常って何なんだろう…というより正常って何?? 5年ぐらい前にそんなこと考えてたなぁと懐かしくなりました。 火曜日の国枝先生の解釈が面白かったけど難しかったです。 最後の一行まで面白い一冊でした。

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2021/01/30

模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む...

模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

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2020/12/16

哲学的なこといっぱい書いてあったのに早く先に進みたいという気持ちが強すぎて読み終わった頃には結構忘れちゃってた 萌絵の頭の中で考えていることがとても好き 珍しいエピローグも疑問が残る終わり方だったけど◎ 読むの時間かかったけど面白かった〜シリーズが終わるにつれて最初は気が重かっ...

哲学的なこといっぱい書いてあったのに早く先に進みたいという気持ちが強すぎて読み終わった頃には結構忘れちゃってた 萌絵の頭の中で考えていることがとても好き 珍しいエピローグも疑問が残る終わり方だったけど◎ 読むの時間かかったけど面白かった〜シリーズが終わるにつれて最初は気が重かった分厚さがうれしく感じてくる ついにあと一冊だ

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2020/11/16

模型交換会会場でのモデル女性の首切り死体。同じ日、M工業大で起きた女子大学院生の密室殺人。この二つの殺人を行えたのは、首切り死体とともに昏倒していた大学院生のみ…そんな状況から始まるシリーズ9冊目は、犀川、萌絵だけでなく、とにかくサブキャラが印象的で飽きさせません。正直に言うとミ...

模型交換会会場でのモデル女性の首切り死体。同じ日、M工業大で起きた女子大学院生の密室殺人。この二つの殺人を行えたのは、首切り死体とともに昏倒していた大学院生のみ…そんな状況から始まるシリーズ9冊目は、犀川、萌絵だけでなく、とにかくサブキャラが印象的で飽きさせません。正直に言うとミステリとして括ったら好きじゃないです。でもこの人間模様や事件を収束させるまでの過程が本当に面白かった。形と型、正常と異常をはじめ、そこかしこに散りばめられた名言や定義が印象的です。そして読後、表紙に戻ったとき題名の妙に唸るのです。

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2020/10/17

S&Mシリーズの第9弾。 やっぱ、好きだな。このシリーズ。 約20年前の小説だけど、色あせないよね。 また、書かれている内容が濃い。 こういっちゃなんだけど、最近の森先生の作品よりもこのころの方が内容が濃くて、深い文章が一冊にたくさん入っている。(もちろん、最近の小説が浅いと...

S&Mシリーズの第9弾。 やっぱ、好きだな。このシリーズ。 約20年前の小説だけど、色あせないよね。 また、書かれている内容が濃い。 こういっちゃなんだけど、最近の森先生の作品よりもこのころの方が内容が濃くて、深い文章が一冊にたくさん入っている。(もちろん、最近の小説が浅いとは言っていませんよ。このころの方が深い内容がたくさん入っているということです) しかも、哲学的なんですよね。 例えば、本書で主人公の天才女子大生・西之園萌絵嬢が嬉々として殺人現場に向かう際に彼女が思う感情描写が非常に考えさせられます。 ちょっと引用します。   その感情を、どう説明できるだろうか?   首が切断された死体のすぐ近くで、彼女は、待ち合わせの恋人に手を振るみたいに弾んだ気持になった。   新しい冒険が始まる予感でもあった。   不謹慎だろうか?   もし不謹慎だというならば誰に対して?   社会の一員として自分を正当化するつもりなど、彼女には毛頭ない。   そんな必要など、どこにもなかった。   人によっては不謹慎だと思うかもしれないけれど、では、不謹慎とは何か?   その境界はどこにあるのか?   地震学者は、大地震が発生すると喜んで出かけていく。   医者は珍しい病気の患者に群がる。   核分裂の研究が何に利用されようと、科学者の興奮は冷めない。   自分の子供をモルモットにしたのは誰だった?   最初にグライダで空を飛んで墜落死したのは誰?   決して他人の不幸を無視するつもりはない。   けれど、勉強して成績を上げることも、すべて、スポーツの試合で勝つことも、商売で成功してお金を儲けることも、会社で出世することも、すべて、誰かから搾取した幸せなのだ。   どこかで誰かが不幸になっているのである。   どこに「不謹慎」の境界があるのだろう?   社会のため、正義のため、などと言い訳をするのは悪いことではない。   だが、本心からそれを信じているのなら、明らかに偽善だ。   そんな精神が本当に多数存在するならば、警察も、政治家も、教育者も、すべてボランティアだけで組織できるだろう。 てな感じです。 いかがでしょう? 深いですよね。うん。深い。 こんな話がS&Mシリーズには随所にちりばめられています。 このドキッとする文章を目の当たりにする愉しさがあるのですよね。 いや~。読書って愉しいですね。

Posted byブクログ