きみにしか聞こえない の商品レビュー
乙一の短編集。 これまで読んだ彼の作品と「深さ」はさほど変わらないんだけど、 「巧さ」はちょっと群を抜いてる。 最初の話で、人づき合いが苦手で友達がいない少女が主人公として登場するんだけど、その孤独を表現するのに「携帯がない」という一点に集約するあたりにまず「やられた」と思っ...
乙一の短編集。 これまで読んだ彼の作品と「深さ」はさほど変わらないんだけど、 「巧さ」はちょっと群を抜いてる。 最初の話で、人づき合いが苦手で友達がいない少女が主人公として登場するんだけど、その孤独を表現するのに「携帯がない」という一点に集約するあたりにまず「やられた」と思った。高校生を過ぎた私にとって、それは適度なリアリティをもって、高校生としての薄さも、そしてそれが本人にとってはどれだけシリアスなのかも伝わったからだ。そして、その後、他人のプリクラが貼られた携帯をいかに羨ましく思っているかとか、一人図書室で「もし自分が携帯を持つなら色はああで、着信音はこうで…」と想像する様を描写されると、思わず駆けつけて「オレが友達になっちゃるけん!」と言いたくなってしまった(笑) まぁ、そういうつかみも良いが、本当に巧いのはここからで…… おっとこれ以上はネタバレになるので言えねぇ。言えねぇ。 最初は「キャラクター小説じゃないんだから挿し絵いらねー」とか思ってたけど……おっとこれもお楽しみ。
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“わたしがそう言うと、彼は笑って「オーケー」と答えた。それから、わたしとの会話がとても楽しいと言ってくれた。 「楽しい?」 「うん」 「…はじめてそんなこと言われた。かなり今、びっくりしてる。だって、わたしには、会話をかみ合わなくさせる欠陥があるものだと信じていたから」 「欠陥?...
“わたしがそう言うと、彼は笑って「オーケー」と答えた。それから、わたしとの会話がとても楽しいと言ってくれた。 「楽しい?」 「うん」 「…はじめてそんなこと言われた。かなり今、びっくりしてる。だって、わたしには、会話をかみ合わなくさせる欠陥があるものだと信じていたから」 「欠陥?」” 「Calling You」 「傷 ―KIZ/KIDS―」 「華歌」 「Calling You」がいっちゃんやばい。 涙腺崩壊。 でも、すっきりとするような。 「傷 ―KIZ/KIDS―」も少し泣きたくなった。 白乙一さん最高。 “「これをやるよ」 完成した犬の彫刻を差し出す。彼は一瞬、目を丸くして驚き、それを受け取った。鼻先に近付けて眺め、細い指で木の感触を確かめ、うれしそうな顔を見せた後で、急に泣き出した。 なぜ、泣くのかをたずねた。 「わからないよ」目を赤くして、首を横に振る。「でも、悲しくないのに涙が出るなんて」と、アサトは答えた。”
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この本は、毎日一人で学校生活をおくっているという中学生の少女の話である。少女はおもちゃの偽の携帯を外出していた野原で拾い上げた。そこへ、いきなり予告なしに着信音が鳴る。これは、少女にだけ向こう側の人の声が鮮明に聞こえる。向こうの人と実際話している。それも幻聴か何かで携帯音と相手の...
この本は、毎日一人で学校生活をおくっているという中学生の少女の話である。少女はおもちゃの偽の携帯を外出していた野原で拾い上げた。そこへ、いきなり予告なしに着信音が鳴る。これは、少女にだけ向こう側の人の声が鮮明に聞こえる。向こうの人と実際話している。それも幻聴か何かで携帯音と相手の人の声が自分自身の中では鳴り響いている。このようなことが実際あったら怖いなと思います。私も、大学でもどこ行っても、一人で同じだと思いました。
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数年前に、成海璃子主演で映画化された作品です。『きみにしか聞こえない』以外にも、小池徹平・玉木宏主演で映画化された『KIDS』も収録されています。2つとも、とても切なくて感動できる話になっています。『きみにしか聞こえない』の結末はとても泣けました。特に、『きみにしか聞こえない』は...
数年前に、成海璃子主演で映画化された作品です。『きみにしか聞こえない』以外にも、小池徹平・玉木宏主演で映画化された『KIDS』も収録されています。2つとも、とても切なくて感動できる話になっています。『きみにしか聞こえない』の結末はとても泣けました。特に、『きみにしか聞こえない』は切ない恋愛小説が好きな方にはとてもオススメできます。『KIDS』は、映画とはまた違った感じになっているので、映画を観た人も観ていない人も楽しめると内容になっていると思います。
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携帯を持っていない女の子が頭の中で携帯をリアルにイメージしていくうちに本当に頭の中の携帯がなりはじめて電話がくる。電話の相手は自分と同じ悩みを持っている男の子だった。男の子とは頻繁に頭の中の携帯で連絡をとるようになる。話してくうちにわかったことは男の子と女の子は同じ世界に生きてい...
携帯を持っていない女の子が頭の中で携帯をリアルにイメージしていくうちに本当に頭の中の携帯がなりはじめて電話がくる。電話の相手は自分と同じ悩みを持っている男の子だった。男の子とは頻繁に頭の中の携帯で連絡をとるようになる。話してくうちにわかったことは男の子と女の子は同じ世界に生きているけど時差があること。すんでる場所が遠いいこと。2人でついに会おうということになった。感想はありそうでない感じが面白かった。
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この話は乙一さんの作品の中で一番すきな話です。そして乙一さんの 小説で一番最初によんで衝撃をうけ、すきになったきっかけの作品です。 文章の書き方、描写の仕方、考え方、全部に衝撃をうけ、よみおわったあと には感動と驚きが残りました。主人公と男の子があう瞬間・・・なんとも いえない気...
この話は乙一さんの作品の中で一番すきな話です。そして乙一さんの 小説で一番最初によんで衝撃をうけ、すきになったきっかけの作品です。 文章の書き方、描写の仕方、考え方、全部に衝撃をうけ、よみおわったあと には感動と驚きが残りました。主人公と男の子があう瞬間・・・なんとも いえない気持ちで読みいっていました。これも映画になっています。 最初は見たいとおもっていましたが、やめました。この話は小説だけで 私のなかにとどめておきたいとおもったからです。映画をみればまた違う 見方・考え方ができると思います。しかし私はいまのままでいいとおもっています。 大切にしまったおきたい作品です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読始:2007,6,28 読了:2007,6,29 短編集。 ・Calling You ・傷-KIZ/KIDS- ・華歌 の三編を収録 どれも非現実的な話です。が、ジわぁっと込み上げてくるものがあります。 個人的にこういう話好きです ただ短編集なんで一つ一つの話が短く、こっていない練ってないと感じる方もいるかも 逆に私はこの短さがせつなさをよく表現しているともいえると思いました 長くより細かい描写とか書くよりは、話の短さに生命のはかなさ、刹那を感じるように作られていると解釈できないこともないと思います 人の優しさといった面を表現しながらもところどころ暗い面も表現してるところもGOOD 私は表題作「calling you」が一番気に入りました
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「Calling You」は、「きみにしか聞こえない」という映画を先に観ていたため 成海璃子ちゃんと小出恵介さんの二人の姿が頭の中で動いていた。 映画のイメージが強くもあるけど、素敵な作品。不思議な透明感も感じるなぁ。 ドリカムの「きみにしか聞こえない」もずっと口ずさみながら読ん...
「Calling You」は、「きみにしか聞こえない」という映画を先に観ていたため 成海璃子ちゃんと小出恵介さんの二人の姿が頭の中で動いていた。 映画のイメージが強くもあるけど、素敵な作品。不思議な透明感も感じるなぁ。 ドリカムの「きみにしか聞こえない」もずっと口ずさみながら読んだ作品。 「傷 kiz/kids」人の傷を吸収して、自分の傷にしてしまう少年 「華歌」お花の中の美しい少女に癒される病室の人たち
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頭の中に存在する携帯電話で展開する物語。 時間のズレを語ったときからどちらからラストが見えたと言っても過言ではないが、 未来の自分から過去に忠告することをなぜ考えないのかわからない。ご都合主義とは言わないけどさ。
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私はケイタイを持っていない。なぜなら友達がイナイから。 そんな少女が頭の中に思い描いていた携帯電話に、一本の着信があった… 表題作ほか全三篇。 乙一さん、すごいです。文章が上手です。 話もよく出来ていておもしろいです。 切ないような、優しいような、そんな気分になれる本です。 一...
私はケイタイを持っていない。なぜなら友達がイナイから。 そんな少女が頭の中に思い描いていた携帯電話に、一本の着信があった… 表題作ほか全三篇。 乙一さん、すごいです。文章が上手です。 話もよく出来ていておもしろいです。 切ないような、優しいような、そんな気分になれる本です。 一番すきなのはcallingyouだけどオススメは華歌。
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