悪童日記 の商品レビュー
第二次世界大戦中"大きな町"に住む双子の兄弟が、"小さな町"にすむおばあちゃんの家に疎開してきて始まる話です。 小説なんだけど、タイトルどおり双子の"ぼくら"の日記を読んでるような感じのちょっと変わった作りです。 &q...
第二次世界大戦中"大きな町"に住む双子の兄弟が、"小さな町"にすむおばあちゃんの家に疎開してきて始まる話です。 小説なんだけど、タイトルどおり双子の"ぼくら"の日記を読んでるような感じのちょっと変わった作りです。 "ぼくら"の作文のルール通り、文章に感情だとかそういうものが一切描写されてないので、ただ「泣いた」と書いてある中からどういう気持ちで泣いたのか?とか考えながら読まなくてはならないところが新鮮で面白かった。 内容が重くて暗いので、読んでていろいろとつらい部分がありました。個人的にに兎っ子のくだりが悲しかったなぁ。愛されたかったんだよね! 無垢なばかりに"ぼくら"が非道なことをしてしまうのがなんだかとても悲しくて怖いと思いました。 「髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない。」という一文がすごく印象的でした。この一文から色々と読み取ることができる。 とても考えさせられる一冊、そしてとても面白かった!
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またひとり、我らが職場を卒業して行った27歳男子がプレゼントしてくれた。惜しい人を手放したものだ。馬鹿な会社だ。
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とある国の戦争を背景に、主人公の双子が逞しく残酷に生き抜いていく日記です。 この小説は三部作になっています。 で、悪童日記はその一作目なのですが、なんとこの作品には固有名詞が一切出てきません。 地名も人名もでません。更に、感情表記も一切ありません。 ですから、嬉しかったと...
とある国の戦争を背景に、主人公の双子が逞しく残酷に生き抜いていく日記です。 この小説は三部作になっています。 で、悪童日記はその一作目なのですが、なんとこの作品には固有名詞が一切出てきません。 地名も人名もでません。更に、感情表記も一切ありません。 ですから、嬉しかったとか悲しかったとか、そんなことですら書かれていないのです。とことん無機的な文章が、主人公である双子の「ぼくら」の日常をより残酷に見せています。 読んだ後はしばらく余韻から抜け出せませんよ〜!とにかくすんごいですから!!
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三部作の第一作目。ただ淡々とつづられてゆく双子の物語。「ぼくら」という人称が示すように、どちらがどちらなのか判然としないし、する必要もない。「ぼくら」は色々な鍛錬をこなし、化け物じみてゆく。そして急転直下のラスト。続編『ふたりの証拠』へつづく。
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http://d.hatena.ne.jp/hazy-moon/20060430/1146367293
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高校生の時に読んで、感動した1作。恐らく4部作なんですが、4作目だけ話が微妙に繋がらない作りに成っています。その最初の作品。基本的に薄暗く、エグイんですが、全体的に透明で現実離れした冷めた雰囲気で話が進んでいきます。 初めて「こういう諸説を書きたい」と思ったのもこれでした。
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この本を最初に読んだときの衝撃を忘れません。ミステリーよりも謎に満ちていておとぎばなしのように美しく残酷。
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時間をかけてゆっくりと読んだ。 親切をしてるわけじゃない、あなたがそれがどうしても必要だからしてるだけだ。 かなりどぎつい場面も出てきますが、嫌なことに慣れるために嫌なことをするってのは、大人だね。えらい。 でもこれ誕生日に読むもんじゃないよなー。
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僕らは生き抜く上で必要のない情報や能力を徹底的に排除し、必要ある能力と精神力を鍛錬し、勉強を重ねる毎日を淡々と綴った名作
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アゴタ・クリストフ三部作、その1。したたかに生きる双子を描いた、無駄なものを一切排除した怜悧な文章。けれど時々ほろりとさせられる。最後の一行で驚愕。とにかく力のある本です。おもしろい!
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