パイロットフィッシュ の商品レビュー
過ぎ去った日と向き合おうとする度、 あわてふためきがちだった日々から、 脱却するスパイスになった。 「"記憶"とは湖の底に沈んでいるもの」という感触が良かった。
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どうしようもないくらい好き。 なんでだろう?確かに伊都子さんの何の前フリもない再登場とか酷いんだけども、それに目をつぶれるだけの雰囲気のよさ。 ついつい読んじゃいます。
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図書館の期限が迫っているので初っ端から斜め読み!まあ、面白かったらちゃんと読むつもりだったけど、結局そのまま読了。読み易かった。表現も面白かった。けど、うん、合わないだけだな。 にしても読む本読む本、受身男の出現率が高いな←妄想かよ!
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今を生きるために昔を振り返ることは、時として辛いこともある。過去を見つめ直し、素直に受け止めることの難しさを改めて考えさせられる。
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記憶は人を幸福な気分に満たしてくれる事もあれば、罪の意識に苛まれて自分を見失ってしまうおそろしいものでもあるなと思いました。 由希子が辿る運命がせつないです。川底から静かに水面を眺めているような主人公の気持ちがリアルにシンクロする、静かに心に響く話でした。2004.05.16読了
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全体に流れる物悲しい空気が、切なさを運ぶ。男女の関係がドロドロの急展開になるのが、私は何だか納得いかなかったりもする。しかし程よく泣ける。恋愛小説という感じはしなかったけれど。表紙のブルーが綺麗で、好き。
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著者:大崎善生 バイトの後輩に勧められて。 この著者にかんしては全く聞いたこともなかった。 パイロットフィッシュとは水槽を 魚のすみやすい環境にするために入れる魚のことで、 この魚が作り出すいいバクテリアのおかげで、 水槽の環境はよくなる。 しかし、水槽の環境が整えば、 捨てら...
著者:大崎善生 バイトの後輩に勧められて。 この著者にかんしては全く聞いたこともなかった。 パイロットフィッシュとは水槽を 魚のすみやすい環境にするために入れる魚のことで、 この魚が作り出すいいバクテリアのおかげで、 水槽の環境はよくなる。 しかし、水槽の環境が整えば、 捨てられてしまう悲しい魚。 主人公は方向音痴で、それがきっかけでであった一人の女性と愛し合う。 しかし、若かりし2人が社会という水槽の中でうまくやってくためには、 パイロットフィッシュがどうしても必要だった。 住み心地のいい環境をつくっていたバーマスターの店長の存在が なくなるのをきっかけに2人の関係も崩れてしまう。 それから数十年、あるとき仕事の関係で、 主人公を訪れる風俗嬢、まさしく社会のパイロットフィッシュ。 疲れ果てたパイロットフィッシュは主人公のもとへ助けを求めに。 「傘の自由化は成功しましたか?」 ここから先はちょっと複雑で、読んだ方がすっきりすると思います。 上の台詞が出てきたとき、 すべてが一つにつながった気がした。 (大学の授業中によんでいたのだが、声をあげそうになってしまった。) ちょっと村上春樹チックなテイストも感じられ非常に面白かった。 けっして足を踏み入れることができない透き通った湖。 けど、この湖ってのがこっち側の世界の環境を整えている パイロットフィッシュ。 すべての登場人物が何らかの形でつながっている。 けっしてこっち側から消えてしまったものでも、 結局は湖の中にありつづけることで、 現在という環境を整えているのである。 なかなか共感できるところも多く、 お勧めの一冊です。
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パイロットフィッシュとは これから飼おうとする高級熱帯魚などのために 水槽内のバクテリアなどの環境を整える役目を担う魚のことなのだそうである。役目を終えたパイロットフィッシュは 水槽から出され始末されてしまうのだそうだ。 19年前に別れたままだった彼女の声が深夜の受話器から突...
パイロットフィッシュとは これから飼おうとする高級熱帯魚などのために 水槽内のバクテリアなどの環境を整える役目を担う魚のことなのだそうである。役目を終えたパイロットフィッシュは 水槽から出され始末されてしまうのだそうだ。 19年前に別れたままだった彼女の声が深夜の受話器から突然聞こえた。 その時があったから存在する現在と 19年前の日々とを行き来しながら 出会いの不思議 別れの不思議を揺れ動く。 記憶というものは胸の中の深く澄んだ湖の底に積み重なるように眠っているものだということが深く頷くように信じられる。忘れたように見えるのは 表層しか見ていないからなのだ。 何かの拍子に沈めていた記憶がゆらゆらと浮かび上がってきて我知らず戸惑うことが そういえばある。
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最初はふーん、だったけど、中盤からだんだん想いが染み渡ってきました。素敵な文章だな、と思います。なんかふっと眼をとめてしまう表現があるんですよね。好きです、読みやすい。
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アクアリウムを手がける時に、最初に水の環境を整える為だけに水槽に入れられる魚、パイロットフィッシュ。人間は出会ったら死んでも別れられず、記憶の中で生きていくものだというテーマのもと、20年ぶりに再会した恋人、学生時代の友人の死などを軸に物語は進む。これを読んで自分にも重ねて見てく...
アクアリウムを手がける時に、最初に水の環境を整える為だけに水槽に入れられる魚、パイロットフィッシュ。人間は出会ったら死んでも別れられず、記憶の中で生きていくものだというテーマのもと、20年ぶりに再会した恋人、学生時代の友人の死などを軸に物語は進む。これを読んで自分にも重ねて見てください。あなたの人生のパイロットフィッシュは?
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