パイロットフィッシュ の商品レビュー
出会い、去っていった人は、 自分のなかに生き続ける。 意識の外では、影響という形で。 それは幸せなことだろうか。 過去の言動に苦しめられる、 トラウマは、わたしにもある。 物語に、迷う答えを求めた。 でも、現実に引き戻され、 冷めた気持ちになった。 何かを期待して読むとき、 小...
出会い、去っていった人は、 自分のなかに生き続ける。 意識の外では、影響という形で。 それは幸せなことだろうか。 過去の言動に苦しめられる、 トラウマは、わたしにもある。 物語に、迷う答えを求めた。 でも、現実に引き戻され、 冷めた気持ちになった。 何かを期待して読むとき、 小説の終わりは、いつもこう。
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『人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない。』 記憶のどこかに必ず残る人の足跡。 それは、消そうと思っても決して消す事はできないもの。 会う機会が無くなった人が、言っていた事をずっと覚えていて、 その人が、嫌だと思う事はしない自分。 過去に出会った人達の些...
『人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない。』 記憶のどこかに必ず残る人の足跡。 それは、消そうと思っても決して消す事はできないもの。 会う機会が無くなった人が、言っていた事をずっと覚えていて、 その人が、嫌だと思う事はしない自分。 過去に出会った人達の些細な事の積み重ねで、 自分が影響され、形成されている部分があると思った。 『パイロットフィッシュ』 水槽に魚を入れる前に、水槽の水を整える魚。 『澄み切った水の中に漂う美しい魚のように、届きそうでいて 二度とは届かない過去。・・・』 『梯子を上りたくなったら、下を振り返りながら上がるんだよ』 山崎さんの言っていた、「傘の自由化」って面白い企画で好きです。 読後感もよく、自然と優しい気持ちになれる。 大崎善生さんの他の作品をもっと読んでみたいと思いました。 数年後、もう一度読みたい。購入して良かった。
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淡々とした文章が読みやすく、全体的に熱くない雰囲気も好みでした。 ただ、この後「別れの後の静かな午後」という本も読んだのですが、この方、主人公が出版社関連の仕事をしていてその会社を辞めて……ってことが多いですね。ご自身がそういう経緯を持たれているのでしょうか。 表紙の装丁がとても...
淡々とした文章が読みやすく、全体的に熱くない雰囲気も好みでした。 ただ、この後「別れの後の静かな午後」という本も読んだのですが、この方、主人公が出版社関連の仕事をしていてその会社を辞めて……ってことが多いですね。ご自身がそういう経緯を持たれているのでしょうか。 表紙の装丁がとても綺麗です。パイロットフィッシュ、熱帯魚好きな人には馴染みのある言葉なのですかね? (09.5.4読了)
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「人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない。なぜなら人間には記憶という能力があり、そして否が応にも記憶とともに現在を生きているからである。」涙が止まらない一冊でした。
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記憶とは何か。過去とは何か。そして、人生とは何か──。 文人出版の山崎はある日突然かかってきた元彼女・由希子からの電話をきっかけに、様々な過去を思い出す。 逃げ出したい過去、忘れてしまいたい過去、消えてなくなればいいと思う過去…。 たくさんの記憶をたどって山崎が辿り着いた想いとは...
記憶とは何か。過去とは何か。そして、人生とは何か──。 文人出版の山崎はある日突然かかってきた元彼女・由希子からの電話をきっかけに、様々な過去を思い出す。 逃げ出したい過去、忘れてしまいたい過去、消えてなくなればいいと思う過去…。 たくさんの記憶をたどって山崎が辿り着いた想いとは……。 おもしろかったです。 だけど、もう少し『今』と『過去』にメリハリをつけてほしかったです。 曖昧で読みにくかったです。それが、逆にいい点でもあるのだけれど。 しんみりとしたやわらかいタッチが好きです。
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月間エレクトの編集者山崎により物語が語られる。 大学時代ホームのこっちと向こうで次に会う約束を交わしてつきあうようになった由紀子 学生時代の一本気で向こう見ずな正論に、年をとって以降苦しむ親友森本 よく通った喫茶店のマスター、なべさんはソ連軍に樺太沖で撃墜され 雑誌インタビューで...
月間エレクトの編集者山崎により物語が語られる。 大学時代ホームのこっちと向こうで次に会う約束を交わしてつきあうようになった由紀子 学生時代の一本気で向こう見ずな正論に、年をとって以降苦しむ親友森本 よく通った喫茶店のマスター、なべさんはソ連軍に樺太沖で撃墜され 雑誌インタビューで知り合った可奈はその子供かもしれない 編集長沢井はいろいろなことを山崎に教え肺がんでしんでいく 可奈の友達である七海が現在の恋人であり 勤め先の文人出版をやめる決意をする山崎 なんかこう、透明感というか、かつての彼女が主人公山崎を形容したような ふわふわしてたよりない優しさが漂う物語 ピンとくるような比喩や示唆にとんだ話が繰り広げられ 他の大崎さんの小説と同様、 これもささーっと読めました
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なんとまあ綺麗なお話。 なんだか悲しくなった。でも人は一度出逢ったらもう別れることはないんだ、と思うと救われました。
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内容はドロドロしているのに、何故か爽やか。心地よい読了感でした。人間の弱さが良く出ていて、そこがとても素敵だった。いい本でした。ありがとう。
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友達がmixiのレビューで書いてあったので、気になって読んでみた。 なんだろう…。 昔、秋の原宿の表参道を歩きながら、その当時僕のそばにいた女の子が発した、 『たとえ、それはキャバクラ嬢とホストが付き合ってたとしても、お互いの想いが純なものなら、それは間違いなく純愛だよ...
友達がmixiのレビューで書いてあったので、気になって読んでみた。 なんだろう…。 昔、秋の原宿の表参道を歩きながら、その当時僕のそばにいた女の子が発した、 『たとえ、それはキャバクラ嬢とホストが付き合ってたとしても、お互いの想いが純なものなら、それは間違いなく純愛だよ』 という言葉を思い出した。 形式じゃなくて、心で捉えると、綺麗な恋愛だと思う。 なんつーか、パイロットフィッシュがいる水槽みたいな、綺麗な恋模様の物語。 P.S.読んでて、『アジアンタムブルー』の作者では?と何度か思うところがあった。
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読みやすくて、すっと入り込んでくるようなお話です。人は一度巡り合った人と二度と別れることはできないって言葉にぐっと来ました。
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