ムギと王さま の商品レビュー
「ボタンインコ」 『ムギと王さま』本の小べや1 より ファージョンはイギリスの作家で、たくさんの素敵なお話を創作した人です。 きらきらしたスーザンの気持ちを想像して、語りをおたのしみください。
Posted by
童話でもない。昔話でもない。おとぎ話ともちょっと違う。ファンタジーというほどの現実離れでもない。ものがたりという感じでしょうか。独特の、味わい深い世界観。宮崎駿さんが好んで読んだというのも頷けます。 著者自身が子どもの頃からいろんな本を読んでいたようで、そのときに著者の血肉となっ...
童話でもない。昔話でもない。おとぎ話ともちょっと違う。ファンタジーというほどの現実離れでもない。ものがたりという感じでしょうか。独特の、味わい深い世界観。宮崎駿さんが好んで読んだというのも頷けます。 著者自身が子どもの頃からいろんな本を読んでいたようで、そのときに著者の血肉となったものが熟成されこのものがたりに昇華され、今度はそれを読んだ自分の血肉となって、そして娘たちに読み聞かせて、彼女たちが自分のなかの世界をつくる素材になって、というふうに続いていくと思うとワクワクします。 ペン画の挿絵も想像が広がる絶妙なセンスで、いいものを読んでいるなという満足感を味わえる本でした。
Posted by
短編集。 中にはピンとこないものもありましたが、面白いものもたくさんあったので、ぜひ全部読んでもらいたいと思います。 4年生ぐらいから。 隙間時間に読むにもおすすめです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あなたも小部屋で物語を読み耽った日を思い出す。 子どもの頃に読んだものの再読。気に入ったお話は覚えていた。それまでに読んでいたグリムやペローの童話と少し違った着地点だったことが印象的で、その印象は今でも変わらない。しかし、今ならばもっと新しい童話が出てくるのではないかと思う。それはきっと本の小部屋でファージョンを読み耽った人が生み出すのだ。 「西ノ森」ちょっとヘタレキャラの若い王さまと、気の強い小間使いのシライナのやりとりが楽しい。思ったことが素直に出てしまった王さまの詩でくすりと笑ってしまう。とても失礼なことを言っているけれど、戦争にはならないところが、またひとつのおとぎ話。 「小さな仕立屋さん」腕の良い仕立屋のロタは若い王さまのお妃選びの仮面舞踏会に出席することになった令嬢たちのドレスを作る。令嬢にドレスの説明をするために、そのドレスを着て王家の馬車に乗る。控えの間で若い従僕と仲良くなり一緒に踊ったロタだったが——。こういうお話は王さまが従僕に変装していたというのが定石だが、従僕は従僕であった。そこがまた味わい深い。
Posted by
「ムギと王様」 エリナー・ファージョンのこの短編集のなかにクリスマスの話窯一つあります。 「ガラスのクジャク」 ……。 お金持ちのおばさんが、高そうなガラスの飾りがいっぱい吊るしてあるクリスマスツリーをいきなりくれる……。一番はじめに「うわぁ!」といった子にあげようと思ってね、と...
「ムギと王様」 エリナー・ファージョンのこの短編集のなかにクリスマスの話窯一つあります。 「ガラスのクジャク」 ……。 お金持ちのおばさんが、高そうなガラスの飾りがいっぱい吊るしてあるクリスマスツリーをいきなりくれる……。一番はじめに「うわぁ!」といった子にあげようと思ってね、といって……。 で、クリスマスプレゼントもなかったその貧しい女の子は路地中の子を呼んでパーティをするのです。 そうして飾りを一つずつわけてやる……。 稀代のストーリーテラーだったファージョンの面目躍如たる短編で、奇妙で深い味わいの作品です。 子どもにではなく(物語読みは別にして)大人がこっそり読む話です。 2020/12/16 更新
Posted by
子供の頃、友だちと分厚い本を読む競争をしていて、気付けば競争を忘れて引き込まれていました。競争をしていた時読んでいたのは「ファージョン作品集」ですが、本棚の幅を取るという大人の事情で、こちらが今手元にあります。 子供の頃こんな物語に触れられるなんて、今思えばとても贅沢なことでした...
子供の頃、友だちと分厚い本を読む競争をしていて、気付けば競争を忘れて引き込まれていました。競争をしていた時読んでいたのは「ファージョン作品集」ですが、本棚の幅を取るという大人の事情で、こちらが今手元にあります。 子供の頃こんな物語に触れられるなんて、今思えばとても贅沢なことでした。 お気に入りは「ヤングケート」「レモン色の子犬」「西ノ森」です。どれも本当と空想が混ざりあったような、不思議な味わいのある物語です。アーティーゾーニの描く挿し絵が、その不思議さにリアリティーを足しています。 何よりも心を惹き付けてやまないのが、石井桃子による訳です。こんなに自由でいいんだろうか?というくらい楽しげで不思議な節回しで、ひらがなとカタカナの入り乱れた世界が広がっています。 何度も繰り返し読む本があるのも、実はとても贅沢なことなのかもしれません。
Posted by
民話とは一味違う、シュールさやシニカルさが面白い。シンプルで短いながら、ひとひねりあり、「読んだ!」感があるお話というのか、濃密なエッセンスのようなお話集だと感じた。比較的幅広い年代が楽しめる内容だと思うが、大人に踏み入れる頃に読んで欲しい1冊かな。
Posted by
易しい言葉、でも深く心に響く調べ。まるでモーツァルトのよう。これを読んでいる時、家族がたまたまモーツァルトのロンドを練習していた。とりわけ「西の森」は本当にこの曲そのもののように感じられた。 好きなのは、「金魚」「レモン色の子犬」「西ノ森」 連想するのは、モーツァルト。そして、ワ...
易しい言葉、でも深く心に響く調べ。まるでモーツァルトのよう。これを読んでいる時、家族がたまたまモーツァルトのロンドを練習していた。とりわけ「西の森」は本当にこの曲そのもののように感じられた。 好きなのは、「金魚」「レモン色の子犬」「西ノ森」 連想するのは、モーツァルト。そして、ワーグナーのモチーフにでてくる「聖愚」という概念。
Posted by
Posted by