プラハの春(上) の商品レビュー
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冷戦を知るために。いや、全体主義とは、管理主義を知るために。 冷戦と情熱のあいだ、とはよく言ったもんだ。 まだプラハの春は迎えない上巻。物語の助走部分に一冊が使われている。下巻はきっと、やばい。 イデオロギーも宗教も同じで、人の拠り所たるものである。しかし、それゆえに問題点も同じで、手段が目的になった時、暴走を始める。それが冷戦構造だったんだと思った。
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これ、久々によかったです。 背景を読むと、恋愛もののように書いてありますが、違います。 恋愛は付属で、チェコやハンガリー、その他東欧諸国がソ連の支配下で送った日々における闘いと悲しみを描いた壮大な作品です。 フィクションとあとがきがされていますが、実際に大使館に勤務していた体験...
これ、久々によかったです。 背景を読むと、恋愛もののように書いてありますが、違います。 恋愛は付属で、チェコやハンガリー、その他東欧諸国がソ連の支配下で送った日々における闘いと悲しみを描いた壮大な作品です。 フィクションとあとがきがされていますが、実際に大使館に勤務していた体験を生かして書いたとあるので、ノンフィクションと分類しました。 大使館に勤務する亮介とドイツの反革命分子であるカテリーナの恋愛模様とその周囲の人の心情を描きながら、チェコの方たちの頑張りを描きます。 ドイツ語が解釈できる方、そしてチェコとスロバキアに行かれた事がある方は、特に楽しめる作品だと思います。 ただ。。。チェコは料理は何を食べてもまずかったのですが。。。 武力で制圧しようとするソ連に対して、自分の意思で考え、武力に頼らず、言葉の力を信じて抵抗運動を繰り広げるチェコの人々。 実際に旅行した時に、暗い国だという印象を受けましたが、こんな素晴らしい人たちの国なのかともう一度行きたいと思いました。 ご本人も書いてありますが、やはり日本人は平和ボケしているところがあり、動乱のさなかの国にいるにもかかわらず、相変わらず亮介の他人事具合には、少し同じ国民として情けなくなりました。 これは、東欧の国を理解するために、非常にいい本だと思います。 引用も多数しましたが、それぞれの方の考えが感慨深いものが多いです。
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元外交官の筆者が実際に経験した歴史の波を描いた小説。勉強になるし、物語としてもおもしろい。オススメ。
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事実を基にしたフィクションらしいです。 「プラハの春」って現代史でちょっと習ったくらいなのでよくわかりませんが、それでも当時の雰囲気が伝わってきて。 まだ上巻しか読んでいませんが、下巻に向けて加速していく出来事。 これは期待大です。
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プラハ滞在中から読み始めた。 裏表紙に、「自らの体験を元にした」ラブロマンという紹介があり、正直それにはドン引きしたが、プラハの街で起きた歴史を勉強するために読んでいます。
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奇しくも8月22日に読み始め、さきほど上巻読了。 西側の外交官が東の反体制活動家と接触するというある意味明快で間違いのない設定で、政治小説としての緊張感はさすが。プラハやウィーンの街並や人々の丁寧な描写に「最も人間的であるべき」外交官としての著者ならではの愛着が感じられて微笑ましい。また、カレル大学の教授や学生運動のリーダー青年と主人公がこうして関わりを持ったことが、下巻でどのように展開していくのか、史実があることだけに物語としての深みに期待したい。 恋愛小説として。男性作家が女性の恋を描写するとき、女性からはなかなか共感が得られがたいものであるが、カテリーナ視点の内面描写も例に洩れず正直物足りない向きはある。しかし主人公視点でのカテリーナはたいそう生き生きとしている。目で女性を感じる男性だからこその描写力か(ちなみに男性が目なら女性は男性を耳で感じるものではないかと個人的に思う)。さらに活動家としてのカテリーナはこの上なく魅力的。おそらく活動家としてのバイタリティを男性的な要素として描いているからではないだろうか。男性が描く女性の内面の限界と、男性視点の女性の新鮮さをひしひしと感じた。
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現代史に弱いので、登場人物の目と心を通して見れば少しは理解が深まるだろうと読んだ。 古本屋のワゴンから百円で入手したが、大当たりだった。
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プラハの春というタイトルに引かれて購入。 外交恋愛モノ?とでも言うのだろうか。元外交官が書いたとのことで、外交・政治の部分もかなり詳しく書いてある。人民の考えや希望より、イデオロギーを守るためだけのイデオロギーというものに疑問を持った。
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チェコに行く前に読みました。 プラハにあるカレル橋を渡り、本書に思いを馳せながら、主人公が勤務していたという日本大使館にも行ってみました。 「百塔の街」と称されるプラハの街並み、旧ソ連支配による暗黒の時代を思わせないほどの美しさに包まれていました。
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久しぶりに読み返した! プラハの春、ベルリンの秋、ウィーンの冬の中欧3部作 いずれも分厚く読み応えのある国際恋愛小説(笑) プラハの春を最初に読んだ時の感動がよみがえる。 少々、ロマンチック過ぎるきらいはあるが、著者の年代の 特徴かと思えば…。 三部作とも小説ではあるが東西...
久しぶりに読み返した! プラハの春、ベルリンの秋、ウィーンの冬の中欧3部作 いずれも分厚く読み応えのある国際恋愛小説(笑) プラハの春を最初に読んだ時の感動がよみがえる。 少々、ロマンチック過ぎるきらいはあるが、著者の年代の 特徴かと思えば…。 三部作とも小説ではあるが東西冷戦、東欧の社会、 ソ連邦の崩壊と現代史の勉強にもなる。
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