プラハの春(下) の商品レビュー
下巻。 事実を元にしたフィクション。 事実は小説よりも奇なり、といいますが、本当にこんな時代が自分が生まれる10年前にあったのかと思うと、、、 どこまで小説でどこまで事実なのかも分からないくらい迫真に迫る小説です。 恋愛小説の側面と、世に問いかける側面。 普通ならどちら...
下巻。 事実を元にしたフィクション。 事実は小説よりも奇なり、といいますが、本当にこんな時代が自分が生まれる10年前にあったのかと思うと、、、 どこまで小説でどこまで事実なのかも分からないくらい迫真に迫る小説です。 恋愛小説の側面と、世に問いかける側面。 普通ならどちらかに偏りがちですが、どちらも壮絶だからこそ心に残ります。
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ラジオの地下放送の指示を聴いた人々によって、全国の標識や看板が敵の進攻を妨害するために一斉に外されたシーンがすごくよかった。 学校の先生も言っていたけど、危機に備えて草の根のネットワークを構築する事がどれだけ大きな力になるか、わかった(つもり)。 最期は意外にもあっさりしてい...
ラジオの地下放送の指示を聴いた人々によって、全国の標識や看板が敵の進攻を妨害するために一斉に外されたシーンがすごくよかった。 学校の先生も言っていたけど、危機に備えて草の根のネットワークを構築する事がどれだけ大きな力になるか、わかった(つもり)。 最期は意外にもあっさりしていた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
上巻以上にロマンチックで若々しい印象の下巻。 セイジ・オザワ指揮の『プラハの春』音楽祭で、主人公と「ミレナ」、ドゥプチェク、ヤン・パラフが一堂に会する場面の温かな華やぎに、チェコスロバキアと音楽を敬愛する著者の想いが集約されているように思える。心休まるのもつかの間、以降の展開の息苦しさに胸がつまる。 あまりに神格化されすぎている(個人的主観)カテリーナよりも、静かに後悔し、静かに懺悔し、また静かに憤るシュテンツェル先生の姿に涙した。ヤン・パラフの想いもまた手に取るように感じられる。男性の書き手の限界だろうか。女にとっては酸素のように愛が必要だと説くシュテンツェル先生。それは果たして男の優しさだろうか、男の優越だろうか。 いつか必ずプラハを訪れよう。
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ストーリーを追うだけじゃなく、知識を蓄えたいと思って読んで見た本。プラハの春運動はおろか、日本の政治にも疎いのでわからない言葉も多くて読むのにはだいぶ時間がかかった。だけどめまぐるしく事態が動いて悲惨な結末へ向かう後半は目が離せなかったな。 行動する、しないとは別のところで、自分...
ストーリーを追うだけじゃなく、知識を蓄えたいと思って読んで見た本。プラハの春運動はおろか、日本の政治にも疎いのでわからない言葉も多くて読むのにはだいぶ時間がかかった。だけどめまぐるしく事態が動いて悲惨な結末へ向かう後半は目が離せなかったな。 行動する、しないとは別のところで、自分の目で見て事実を理解して、自分がどんな考えを持ってどんな立場に立っているのかを常に考えることの必要性を思い知った一冊。
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1967年の早春、チェコスロヴァキアの日本大使館書記官であった堀江亮介は、プラハ郊外で車が故障して困る母娘を助ける・・・というところから展開していく小説。 プラハを旅する前に、読みました。 ヴァーツラフ広場では、ヤン・パラフの慰霊碑に手を合わせてきました。 小説の中で、カテリー...
1967年の早春、チェコスロヴァキアの日本大使館書記官であった堀江亮介は、プラハ郊外で車が故障して困る母娘を助ける・・・というところから展開していく小説。 プラハを旅する前に、読みました。 ヴァーツラフ広場では、ヤン・パラフの慰霊碑に手を合わせてきました。 小説の中で、カテリーナとシルビアが堀江亮介にカフスボタンを買ったとされる店「モーゼル」に立ち寄るも、カフスボタンが見あたらなく購入できなかったのが残念。。
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後半は旧ソ連の軍事介入から条約締結まで前半の盛り上がりに比べて後半は描写が雑な感じがした。それでもドキュメンタリーとしては大変勉強になった。マルクスレーニン主義とスターリン主義の違いがなんとなくわかった。所詮我々は苦労知らずの平和ボケの世代かもしれない。歴史の奥深さを改めて感じる...
後半は旧ソ連の軍事介入から条約締結まで前半の盛り上がりに比べて後半は描写が雑な感じがした。それでもドキュメンタリーとしては大変勉強になった。マルクスレーニン主義とスターリン主義の違いがなんとなくわかった。所詮我々は苦労知らずの平和ボケの世代かもしれない。歴史の奥深さを改めて感じる。
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1968年のチェコの民主化運動「プラハの春」と、それに対するソ連のプラハ侵攻事件を扱い、恋愛要素を絡めた現代史小説。当時、プラハの日本大使館に勤務していた著者の実体験に基づくということで、非常に細かく、臨場感のある物語になっていると思える。 当時のチェコスロバキア国内の政治、そ...
1968年のチェコの民主化運動「プラハの春」と、それに対するソ連のプラハ侵攻事件を扱い、恋愛要素を絡めた現代史小説。当時、プラハの日本大使館に勤務していた著者の実体験に基づくということで、非常に細かく、臨場感のある物語になっていると思える。 当時のチェコスロバキア国内の政治、そしてそれに大きな影響を与えていた東ドイツとソ連の政治状況という、かなり複雑な当時の状況が物語の大きな背景となっている。「プラハの春」関連の事件は20世紀史ということで、まだ明らかになっていないこともあるため、人によって見方も違うかもしれない。しかし、全体的に事件を曲げて創作などは(主要登場人物などは除いて)していないと思われ、一連の事件の流れを知るのにもいいし、ストーリー自体も飽きさせず面白く読める。 個人的には東ドイツの悪名高き諜報組織「シュタージ」に、どちらかというと主人公側を庇う役割の人たちが出てきたという点が意外で面白かった。シュタージのトップも決して悪人ではなく、ともするとナチスのような悪役イメージとなってしまうシュタージだが、現実の東独の権力関係はそれ以上に複雑で一枚岩ではなかったことが読み取れる。 一応恋愛ストーリーということになっているが、ヒロインのキャラクター設定も理想化されすぎていて現実味がなく、主人公との恋愛に至る過程なども深みは全くない。恋愛要素はあくまで物語を作るための道具程度とみなし、その部分に期待して読まない方がいい。
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おかげでプラハの春の概要がつかめました。ほんの先月まではプラハの春という言葉すら知らなかったのに。次はベルリンの秋も読まねば。
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政治史の著述が多くて、これは小説じゃないのかとつっこみたくなった。 かといって読みおわってからプラハの春の全貌が掴めたのかというとあまりに記憶に残ってない。
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社会主義について考えを改めさせられた。プラハの春が失敗したのは本当に惜しい。東欧の悲痛な歴史をもっと学びたいと思った。
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