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競作五十円玉二十枚の謎 の商品レビュー

3.4

54件のお客様レビュー

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  2. 4つ

    13

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2011/12/15

 作家・若竹七海が遭遇した、誠に不可思議な「日常の謎」に、プロ・アマがその解答編を寄せるという、ユニークな企画短編集。  若竹女史の体験した謎は既存の作品にも劣らぬ魅力を持っているし、出題に対して作家たちが自作の名探偵たちのように真相に肉薄しようとする試みはミステリ愛好家として...

 作家・若竹七海が遭遇した、誠に不可思議な「日常の謎」に、プロ・アマがその解答編を寄せるという、ユニークな企画短編集。  若竹女史の体験した謎は既存の作品にも劣らぬ魅力を持っているし、出題に対して作家たちが自作の名探偵たちのように真相に肉薄しようとする試みはミステリ愛好家としては心踊るものだ。  しかし、名探偵たちの推理はその謎に対し充分な説得力を持っているとは言えず、内輪受けや楽屋落ちに逃げているものも見られた。  故・鮎川哲也氏がかつて作家仲間たちと問題編を出題して推理大会を行った(「達也が嗤う」)ような稚気を、今回の回答者は勘違いして謎に対してまで持ち込んでしまったような印象を受けた。  せっかく出題がミステリオタクが狂喜するような謎であるのに、その謎に誠実に向き合わず業界語りに向いてしまうあたり、ミステリオタクでなくオタク的ミステリ読みにしか受け入れられない解答編になってしまったのは残念である。  法月綸太郎氏が寄稿した作品の中で当時覆面だった北村薫氏(のパロディ)の正体を巡る謎が展開されているあたり、氏を巡る当時のミステリ業界の賑やかさが面白くもあるにはあるが。  また、その北村薫氏が後にこの謎に「ニッポン硬貨の謎-エラリー・クイーン最後の事件-」でアプローチしているのも興味深い。  ミステリ史における永遠の挑戦状として知っておいて損はない。

Posted byブクログ

2011/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

若竹七海の実話から作品を募集したもの。面白かった。プロのやつより一般応募の方が面白いのが多かった。しかし自分じゃ全然思いつかなかった。やっぱ作家になる人はすごい。倉知淳は佐々木淳で出してた。これが本名なのかしら。このときから猫丸先輩で、やっぱ好きなキャラクターなのかね。

Posted byブクログ

2010/11/24

池袋の大型書店で、五十円玉二十枚を千円札にしてくれという中年男性。なぜ彼は毎週両替に来るのか?その五十円玉はどうして彼の手元に溜まるのか? 作家の「若竹七海」の実体験を問題として、プロ作家と一般公募の作品を合わせ十三篇の回答を集めたアンソロジー。 土曜日の午後、本屋に現れては...

池袋の大型書店で、五十円玉二十枚を千円札にしてくれという中年男性。なぜ彼は毎週両替に来るのか?その五十円玉はどうして彼の手元に溜まるのか? 作家の「若竹七海」の実体験を問題として、プロ作家と一般公募の作品を合わせ十三篇の回答を集めたアンソロジー。 土曜日の午後、本屋に現れては本も買わずに両替だけをしていく男。なくはないだろうが流石に毎週ともなると気になる。しかも五十円玉なんてそうそうは溜まりたまりそうもにもないのに。 この謎ときに、プロアマの作家が挑んだわけだが、穴はあっても大げさな事件にまでもっていてしまう一般公募の作品の方が以外と面白かった。 やはり最優秀賞となった「高橋謙一」氏の重り説の作品はうまいと思った。文章自体がこなれていて面白みがあるし、最後の洒落も効いていた。 私が一番気に入ったのは優秀賞の「榊京介」氏の保険金の話。構成が巧いと思った。 それにしても、なーんだというものからそんなバカなと言うようなものまで色々出てくるものだ。はたしてこの中に正解に近い物はあるのだろうか?当の本人も、まさか自分の行動がこのような本になっているとは驚きだろう。ぜひ真実を聞いてみたいものである。

Posted byブクログ

2017/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

毎週、同じ時間帯に、本屋に出没しては、 本を買わずに、50円玉20枚を千円札に両替して去っていく男 謎は二つ、 ①なぜそんなに50円玉が貯まるのか? ②なぜ同じ曜日に同じ場所で、両替をするのか? そんな、魅力的な謎に、プロ作家、素人が挑んでいる競作集 「答え」がないというのが素敵です。 実際に、これが正解、というのが用意されていたら、きっと単なるクイズで終わってしまう。 答えがないからこそみんな好き勝手に無責任なことが言える。 きっとみんな書いてて楽しかっただろうな、と思えて、 こっちまで楽しくなってます。 私が大賞を選べるなら、高尾源三郎さんの作品を推します。

Posted byブクログ

2010/07/19

期待しまくって読んだが、結局50円玉20枚の謎は解かれることはなかった。推理作家とかミステリーファンの、80年代的な内輪受け臭がキツイ。

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2010/12/19

前回4月30日に自分で「月二回はブクログを更新する…」みたいに書いておいて、もう本日5月27日。とんだうそつきです。 という訳で、有言実行します。もう若竹作品は私がコンプリートいたします。とられる前に全部書いてやります。 ---------あらすじの前に、説明。 これは、若竹七...

前回4月30日に自分で「月二回はブクログを更新する…」みたいに書いておいて、もう本日5月27日。とんだうそつきです。 という訳で、有言実行します。もう若竹作品は私がコンプリートいたします。とられる前に全部書いてやります。 ---------あらすじの前に、説明。 これは、若竹七海さんが実際に出会った日常でのミステリです。それを競作のアンソロジーにしてしまえっ!という東京創元社さんの粋な心意気で実現した企画です。よって、若竹七海さん以外の作家さんの話も読めてお得感ばっちりです! かの倉知淳さんのデビュー前(デビューのきっかけとなった)作品も収録されています…! -----あらすじ----- 池袋の某大型書店でレジ打ちのアルバイトをしていた若竹七海。その若竹七海のもとへ、ちょっと変わった男がよく来るようになった。 その男は、「五十円玉二十枚を千円札に両替してくれ」というのだ。本は買わない。両替だけし、本屋を立ち去る。 50円玉は、おつりとして手にいれると、どうやっても一度に一枚しか手に入らない。100円玉、もしくは10円玉四枚で事足りてしまう。 いったいどうして定期的に五十円玉を二十枚も……??! そしてどうして定期的に本屋さんで両替していくのか??!? という、実際にあった日常の謎を、「地獄荘」のメンバーが挑戦者、若竹七海が出題者として繰り広げられたミステリーアンソロジー! <執筆者一覧> 五十円玉二十枚の謎 問題編   若竹七海 解答編―土曜日の本(法月綸太郎)/ 解答編(依井貴裕)/ 一般公募作選考経過 (若竹賞 佐々木淳/法月賞 高尾源三郎/依井賞 谷英樹/優秀賞 矢多真沙香/優秀賞 榊京助/最優秀賞 高橋謙一)/ 老紳士は何故…?(有栖川有栖)/ 五十円玉二十個を両替する男―または編集長Y・T氏の陰謀(笠原卓)/ 五十円玉二十枚両替男の冒険(阿部陽一)/ 消失騒動(黒崎緑)/ 50円玉とわたし(いしいひさいち) 本当に気になる!まったくの解答は……読んだ人だけのお楽しみであります。 冒頭の地獄荘のシーンが好きです。そして法月さんがどうしても使いたかった渾身のダジャレ、分かる人はちょっと楽しいというやつです^^ノ!(私何個か分からないのもあったような気がします。) 個人的には……やっぱり若竹さんの解答編が読みたかったあああ>< (羽村)

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2009/12/08

50円玉20枚を両替してください。 実際にあった謎を元にそれぞれの解答をしめすアンソロジーです。 そもそもその話の謎は謎のままなので明確な答えはどれもなくどれもこれもありえるかもしれない話の顛末になっています。 あなたならどう推理するか?も楽しめる一冊

Posted byブクログ

2011/08/09

ある1つの謎に若手作家が回答を寄せたもの。企画としてはすごく面白かったです。私は依衣さんの作品が好き。次に矢多さん。ただ、同じネタを何度も読んでるとさすがにあきてきちゃいましたけど。

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2009/10/04

店に入るなり男は一散にレジを目指し、五十円玉二十枚を千円札に両替してくれと言う。渡された札を奪うように受け取るとあわてて出て行く。本屋のアルバイト嬢に忘れられぬ印象を残した、土曜日の珍客。爾来、彼女が友人知人にこの謎めいた両替男の話題を提供するたび談論風発、百家争鳴すれど決定打は...

店に入るなり男は一散にレジを目指し、五十円玉二十枚を千円札に両替してくれと言う。渡された札を奪うように受け取るとあわてて出て行く。本屋のアルバイト嬢に忘れられぬ印象を残した、土曜日の珍客。爾来、彼女が友人知人にこの謎めいた両替男の話題を提供するたび談論風発、百家争鳴すれど決定打は出ないまま。……という紆余曲折を経て成立した、世にも珍しい競作アンソロジー。 皿のお気に入りはもちろん猫丸先輩と江神さん♪

Posted byブクログ

2009/10/04

個人的には猫丸先輩の推理がいちばん好きです! 好きな探偵たちの集まった一冊だったのですごく楽しく読めました

Posted byブクログ