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南米ポトシ銀山 の商品レビュー

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ポトシ銀山。そこで産…

ポトシ銀山。そこで産出された膨大な銀は、西欧での価格革命による領主階層の没落や、ドイツでのグーツヘルシャフト成立の契機となり、中国でも「墨銀」と呼ばれて使われました。そのポトシ銀山の実態についての本なのですが、本国の浪費を補うための強引な、というより無茶苦茶な酷使。読んでて辛いも...

ポトシ銀山。そこで産出された膨大な銀は、西欧での価格革命による領主階層の没落や、ドイツでのグーツヘルシャフト成立の契機となり、中国でも「墨銀」と呼ばれて使われました。そのポトシ銀山の実態についての本なのですが、本国の浪費を補うための強引な、というより無茶苦茶な酷使。読んでて辛いものがありました。ですが、スペインだけを非難してすむ事でもないんですよね。同様の事は多くの時代、多くの場所で行われてきましたし、現代もその例外ではありません。正直、非難する資格がないんじゃないか・・・と思って、相当欝になって

文庫OFF

2023/01/11

現地の観光ツアーで数時間ほど入ったことがあるけど、数時間潜っただけで咳が止まらなくなるほど劣悪な労働環境だった。 ヨーロッパ人の中にも労働環境改善を考えていた人がいたようだけど、かつての労働環境はさぞひどかったろう。悲しい歴史が伺える一冊。

Posted byブクログ

2018/05/28

2000年刊行。 著者は神奈川大学外国語学部教授。  過日読破した「大航海時代のイベリア」で印象的だったのは「銀」の欧州流入。経済史的な意味では、銀の大量流入は物価高・貨幣価値の低下を齎す一方、経済規模の拡大に寄与したと評価できるはず。しかも、本書にもあるように、中南米と中国が...

2000年刊行。 著者は神奈川大学外国語学部教授。  過日読破した「大航海時代のイベリア」で印象的だったのは「銀」の欧州流入。経済史的な意味では、銀の大量流入は物価高・貨幣価値の低下を齎す一方、経済規模の拡大に寄与したと評価できるはず。しかも、本書にもあるように、中南米と中国がマニラ経由で交易関係にあったとなれば、これは西洋・東洋が結節する地球規模の事象である。  ということで、銀流入の源泉として、大航海時代にスペインが開発した南米ポトシ銀山を叙述する本書を紐解く。  もっとも、本書は南米ポトシ銀山の開発。それに伴う悪しき植民地支配の内実。すなわち、奴隷制と思しき銀鉱山労働者支配の内実と、スペイン(ハプスブルグ家)が流入銀を自国開発に使わず、戦争や奢侈品購入に血眼になった(それゆえ、事後の発展には結実せず)愚を暴いていく。  もとより若干は経済史関係の記述もある。中南米と中国との交易の部分であるが、それとて銀山労働者支配の酷薄さを際立たせる奢侈品交易の観点から説明される。  故に、こちらが期待した内容とは少し違うが、これはこれで先駆的な植民地支配の実とともに、日本や中国へのポルトガル船他の来航との比較も出来そうで、読破の意味ありとは言えそう。

Posted byブクログ

2014/10/29

ポトシ銀山によるヨーロッパ側の変容を知りたかったのだけど、現地の労働に焦点をあてた本書はこれはこれで勉強になった。 労働環境は悲惨だけど、それでも当時、その悲惨さを訴えてなんとか改善しようとしていたヨーロッパ人がいたことは、ちょっとほっとする。 あと、なんで銀の量を「ペソ」で表...

ポトシ銀山によるヨーロッパ側の変容を知りたかったのだけど、現地の労働に焦点をあてた本書はこれはこれで勉強になった。 労働環境は悲惨だけど、それでも当時、その悲惨さを訴えてなんとか改善しようとしていたヨーロッパ人がいたことは、ちょっとほっとする。 あと、なんで銀の量を「ペソ」で表記するんだろう?「グラム」を知りたいのに!

Posted byブクログ

2012/05/02

 大航海時代と言えば、世界が「海の国」ものとなった契機であるわけだが、その先駆者であるスペインを支えたのが、南米にあるポトシ銀山であった。南米の貴金属と価格革命との関連性、この銀山からの銀とヨーロッパ経済との関係を考えるのも面白い。  この本は、ポトシ銀山において、いかなる状況下...

 大航海時代と言えば、世界が「海の国」ものとなった契機であるわけだが、その先駆者であるスペインを支えたのが、南米にあるポトシ銀山であった。南米の貴金属と価格革命との関連性、この銀山からの銀とヨーロッパ経済との関係を考えるのも面白い。  この本は、ポトシ銀山において、いかなる状況下で採掘がおこなわれたのか、ヨーロッパ、他の南米地域に、銀がどのように拡散していったかを述べる。  読むと分かるのが、一度、外部から全くもって新しい産業を持ち込むと、その場所の従来の産業は崩壊するという事だ。また、聖職者が、奴隷とされた南米の土着人への扱いを告発するなど、ドロドロとした政治劇の一端も見る事が出来る。我々が高校で学ぶ世界史が、大雑把過ぎて、微視的には誤りを含んでいるんじゃないのか?と自問してしまうような本だった。

Posted byブクログ

2019/01/16

●構成 第一章 インディアスの略奪 第二章 セビリアに流入する貴金属 第三章 ポトシ銀山 第四章 カリブ海諸島の悲劇 第五章 鉱山労働をめぐる自由と強制 第六章 ミタ労働への道 第七章 ミタ労働を導入する 第八章 見た労働と水銀アマルガム法 第九章 変容 第十章 改革の行方 第十...

●構成 第一章 インディアスの略奪 第二章 セビリアに流入する貴金属 第三章 ポトシ銀山 第四章 カリブ海諸島の悲劇 第五章 鉱山労働をめぐる自由と強制 第六章 ミタ労働への道 第七章 ミタ労働を導入する 第八章 見た労働と水銀アマルガム法 第九章 変容 第十章 改革の行方 第十一章 ミタ労働の終焉 第十二章 流出する銀 第十三章 セビリアとポトシ --  15世紀末から始まった、スペインを中心としたヨーロッパ諸国のインディアスすなわちカリブ海の島々の、次いで中米・南米の支配は、19世紀初頭までやむことはなかった。そこでは労働力として先住民族やアフリカから「輸入」された奴隷が「使用」された。  本書はスペインによる南米支配のなかでも特に苛酷であった、ポトシ銀山におけるインディオの強制労働について、その歴史と実態を明らかにする。  ポトシ銀山はペルーに位置し、莫大な産出量を誇る銀山として長くスペインの国庫を支え続けた。しかしその背後には、時には片道1ヶ月という遠隔地を含めたペルー国内のインディオの強制徴用と苛烈な労働環境があった。本書は、ミタ制と呼ばれるインディオの雇用政策を中心に論じる。スペイン人によって、採掘や選別、抽出などの鉱山労働のために周辺地域のインディオが低賃金で集められた。賃金といっても、自分の村からポトシへの往復費用や伴った家族のポトシでの生活費で消えてしまい、規定時間以上に休みの日も「自主的」に労働しなくてはならず、また納税のために現金収入を得る必要があったことから、結果的に休みなく働き続けることとなった。こうした非人道的な労働環境を知ったスペイン人からミタ制に反対する声も度々あがったが、その都度現地で作業監督に当たるスペイン人の利益に反するという理由で抵抗にあい、結局最後までミタ制は存続した。ポトシの銀に頼らざるをえないスペイン本国の逼迫した財政状況や、現地スペイン人の利潤追求により、とにかく採掘量を増やすことを最優先に鉱山経営がなされた。その結果としてインディオの人口が激減し、ミタ制の対象下にあった農村社会は崩壊することとなった。  淡々としかし丹念に論じられ、時折書かれている内容の凄惨さに目を瞑りたくなるような思いを抱く。全世界で起こっていた、ヨーロッパ植民地主義政策に起因する悲惨な現実のひとつがここにある。 -- 【図書館】

Posted byブクログ