ウォーレスの人魚 の商品レビュー
岩井俊二には珍しく、夢のある話。 ホモサピエンスとホモアクアリウス。 進化なども細かく書かれていて、人魚を信じてしまいそうになる。 海にまつわる話だからか、なんだか癒されながら読めた。
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さすが岩井俊二さん、面白かった。 人魚伝説と、過去と現在の科学と、愛の物語がうまく混ざり合って、とても読み応えがあった。
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ファンタジーと科学がうまく融合されててグイグイその世界観に引き込まれた。 最後が少し駆け足のような気がしたが、中盤で話が全てが繋がったときははっとした。 多少グロいところもあるが、選ぶ言葉が綺麗で少しも不快ではなかった。
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人類の体毛が消失した理由であったり、皮下脂肪がオットセイやイルカと同じく身体に蓄えられるシステムであることから、人類は過去にさかのぼると海洋で生活していたのではないだろうかと思わせる。衣服を身にまとい、火を起し風を防ぐために住居を構える。それら全ては海洋から地上に棲むための人類...
人類の体毛が消失した理由であったり、皮下脂肪がオットセイやイルカと同じく身体に蓄えられるシステムであることから、人類は過去にさかのぼると海洋で生活していたのではないだろうかと思わせる。衣服を身にまとい、火を起し風を防ぐために住居を構える。それら全ては海洋から地上に棲むための人類がワンセットで手にいれたものであると結論づける。ファンタジーなのだが、科学小説としても面白い。
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岩井俊二の数少ない映画化されていないオリジナル作品。世界観は確実に漂い、岩井作品全体に漂う青さも共存している。作中に登場する文献が実在するらしく、それについての興味もかきたてられる。他の岩井作品とは少し違う空気もあるが、いずれにせよ面白い作品には違いない。
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ファンタジーっぽい題名だけどファンタジーとはほど遠い。 普通に隣にいてもおかしくないかな?って思わせるところがすごい
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
十数年ぶりに再読したけど、ここまで面白かったのかと驚かされた。 題名に「人魚」と付いてるけど、話はファンタジーではなく人魚を進化の途中で人間と枝分かれした近縁種と捉えたSF。 この作品で描かれるのは、壮絶な生態を持つ「生物」としての人魚。 グロテスクで、儚くて、人の倫理観に照らせれば残酷ですらあるのに、それでも人の心を惹き付けてしまう危険な存在です。 その辺りの二面性は高橋留美子の「人魚シリーズ」に通じるものがあるな、と思った。 内容に辻褄が合わない部分(なぜウォーレスが人魚の生殖のメカニズムに気付かなかったのか)やご都合主義なところもあるけれど、 ライアンとそのチームの面々といった登場人物たちが魅力的で話にどんどん引き込まれて、先が気になって一気に読破してしまいました。 たとえ禁断の愛であっても密とジェシーには幸せになってほしいな。 年をとらない少女に肉体を吸収され、文字通り一心同体となり、何十年も共に生きて最後は一緒に死ぬ、っていうのはある意味究極だよな、と読んでて羨ましくなった。
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童話の人魚からは想像もできないほどリアルである意味グロテスクな、生物としての人魚を扱った話。仮説として出てくる話がいちいちもっともで、「本当かも、これ本当かも!」と、ついおもってしまいます(^^) 細部は非常にリアルなのに、幻想的な香りがするのは、やっぱり人魚だからでしょうか。食...
童話の人魚からは想像もできないほどリアルである意味グロテスクな、生物としての人魚を扱った話。仮説として出てくる話がいちいちもっともで、「本当かも、これ本当かも!」と、ついおもってしまいます(^^) 細部は非常にリアルなのに、幻想的な香りがするのは、やっぱり人魚だからでしょうか。食べて出して交尾もするちゃんとした生き物として描かれてるのに……。
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人魚がテーマなんだけど、ファンタジーでもSFちっくでもない。 すごいリアル。 めちゃくちゃ引き込まれました。 人を狂わせる人魚の歌とか、人魚の肉は不老長寿の薬とか、伝承的なものが科学的に説明されてておもしろい。 あんまりに科学的で、人魚っていてもおかしくないんだってほん...
人魚がテーマなんだけど、ファンタジーでもSFちっくでもない。 すごいリアル。 めちゃくちゃ引き込まれました。 人を狂わせる人魚の歌とか、人魚の肉は不老長寿の薬とか、伝承的なものが科学的に説明されてておもしろい。 あんまりに科学的で、人魚っていてもおかしくないんだってほんとに思っちゃう。 ウォーレスって実在の人物の本がベースだし。 でも、密とジェシーはやっぱり兄弟なわけで、人魚の血は絶えちゃうのかなって思う。 ちょっとせつないなぁ・・
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人魚と人間の物語であり、人魚の進化(人間の進化も含まれている。)といったことが主眼として書かれた物語。 はじめは少し難しい話が続いてて飽きそうになったけど、読み進むにつれて、物語の核心部分に触れていく辺りは面白く読めた。最初の難しい話も、後になって、なるほど!と、思うような感じ。...
人魚と人間の物語であり、人魚の進化(人間の進化も含まれている。)といったことが主眼として書かれた物語。 はじめは少し難しい話が続いてて飽きそうになったけど、読み進むにつれて、物語の核心部分に触れていく辺りは面白く読めた。最初の難しい話も、後になって、なるほど!と、思うような感じ。 人と人魚の愛しかた、人魚の生きるための本能や進化は理解が難しいとも思うけども、わからないこともないなとか、どことなく温かさを感じる作品でもあったと思う。 個人的には、岩井さんの作品の中でも少し違った印象を受けるので、割りと好きな作品。
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