心はどのように遺伝するか の商品レビュー
一卵性双生児と、二卵性双生児のそれぞれ2人の特徴をくらべることによって、人の特徴がどこまで遺伝的か(もしくは環境的か)を統計的手法により見出すのが本書のテーマ。例えば、二卵性双生児の身長の類似性にくらべ、一卵性双生児の身長の類似性は非常に高いことが知られている。遺伝子を共有する二...
一卵性双生児と、二卵性双生児のそれぞれ2人の特徴をくらべることによって、人の特徴がどこまで遺伝的か(もしくは環境的か)を統計的手法により見出すのが本書のテーマ。例えば、二卵性双生児の身長の類似性にくらべ、一卵性双生児の身長の類似性は非常に高いことが知られている。遺伝子を共有する二人の類似性が高いということは、この特徴は遺伝的であるということである。 本書では、こういうことから発展し、心をさまざまに特徴づけ(外交的、IQなど)それらがどの程度遺伝的かに迫る。私は「遺伝子による運命決定論者」であるが、この本によるとそのような考え方は間違いである。遺伝的要素の高いIQにおいてさえ、環境要因は非常に高い。したがって、教育の意義は重いのである。 お子さんをお持ちで、教育よりの遺伝子であると考えている私のような人にお勧めしたい本である。
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行動遺伝学の入門書。遺伝子に関する本を読んでいると、環境より遺伝か、と思ってしまうが、この本を読むことで、環境と遺伝の相互関連で人間の性格、能力などは発現されているのだと思う。環境だけも間違い。遺伝だけも間違い、なのだと思う。
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「教育とは人間の遺伝的制約を「乗り越えて」、環境によって人間の可能性を開花させることではないということだ。」 遺伝の多様性は人間の数よりずっと多い。だから、同じ遺伝的組成を持つ人は2人いない。みんな個性的。 知能に対して、遺伝の貢献度は0.5、環境は0.35、それ以外が0.15...
「教育とは人間の遺伝的制約を「乗り越えて」、環境によって人間の可能性を開花させることではないということだ。」 遺伝の多様性は人間の数よりずっと多い。だから、同じ遺伝的組成を持つ人は2人いない。みんな個性的。 知能に対して、遺伝の貢献度は0.5、環境は0.35、それ以外が0.15。しかし、政治の世界では知能は遺伝しない。 学習方法により特定の技術を促進できる。 とても面白い本だった。
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やはり内容が多少古いのかもしれない。エピジェネティクスについては、まだ研究が進んでいなかったという事か。
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人間の心と行動の遺伝を研究する人間行動遺伝学をわかりやすく解説していた。遺伝学ときくと、農学ないし分子生物学でのシーケンサーを使ったDNAを分析することが頭に浮かぶ。しかし本書は、統計的手法を用いた心理学や教育学のアプローチで書かれていた。この意味で個人的には、遺伝学を少し身近に...
人間の心と行動の遺伝を研究する人間行動遺伝学をわかりやすく解説していた。遺伝学ときくと、農学ないし分子生物学でのシーケンサーを使ったDNAを分析することが頭に浮かぶ。しかし本書は、統計的手法を用いた心理学や教育学のアプローチで書かれていた。この意味で個人的には、遺伝学を少し身近に感じることができた。 双生児をサンプルとし、一卵性と二卵性との間の特徴の異同が分析が主となっている。なおこの前座として、IQの相関係数の中央値が、一卵性双生児、二卵性双生児、きょうだい、親子、親・養子の順で高くなっていることがまず紹介される。 社会的関係性の分析は興味深い。上司からのサポート、自律的な関わり、プレッシャーの側面、親からのあたたかさは遺伝的規定性があるという。 遺伝的な条件を加味した上で、活動の場を与えて発達を促すことが理想だということは発見だった。つまり、教育や環境だけでは解決できない問題を、冷静に整理できるということである。
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専門的な内容で、ちょっと読みたいだけの自分はかなり読み飛ばしてしまった。もう少しざっくりした内容の本を探すことにする。
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すごく分かりやすくて面白かった。 肉体的、精神的なものが遺伝するのは事実であり、そのような主張が人権侵害にあたると非難するのは、キリスト教信者が地動説を否定するようなものだ。でもそれは親子がそっくりになるという意味ではない。 鳶が鷹を産むのも、蛙の子は蛙なのも、遺伝であり、しかし...
すごく分かりやすくて面白かった。 肉体的、精神的なものが遺伝するのは事実であり、そのような主張が人権侵害にあたると非難するのは、キリスト教信者が地動説を否定するようなものだ。でもそれは親子がそっくりになるという意味ではない。 鳶が鷹を産むのも、蛙の子は蛙なのも、遺伝であり、しかし、鷹も蛙も周りの環境と努力で将来どうにでもなれる可能性はあるのだ、という、まったく非センセーショナルな内容だった。 遺伝子の組み合わせの話は、「ひとりひとりがかけがえのない存在」という主張をはじめてピンとくるものにしてくれた。
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安藤寿康先生の一般書デビュー作(のはず)。すごく分かりやすく面白く遺伝と双生児研究の話がまとめられている。最後の方の、安藤先生ご自身の博論の内容をまとめた章もすばらしい。「遺伝」とか「双生児研究」に興味のある方は、安藤先生の近著も良いけど、この本もぜひ。なんでしょう。2010年代...
安藤寿康先生の一般書デビュー作(のはず)。すごく分かりやすく面白く遺伝と双生児研究の話がまとめられている。最後の方の、安藤先生ご自身の博論の内容をまとめた章もすばらしい。「遺伝」とか「双生児研究」に興味のある方は、安藤先生の近著も良いけど、この本もぜひ。なんでしょう。2010年代の本よりも、もっと臨場感の溢れる感じがあります。
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違う環境で育った「一卵性双生児」と「二卵性双生児」の違いを比べる事によって「何が遺伝的に決まるのか」を調査した結果が書かれている。 心情的には「肉体的特徴」が遺伝で決まるのは納得できるが、「精神的特徴」が遺伝するのは認めたくない。しかし、実験結果的には多くの「精神的特徴」が遺伝に...
違う環境で育った「一卵性双生児」と「二卵性双生児」の違いを比べる事によって「何が遺伝的に決まるのか」を調査した結果が書かれている。 心情的には「肉体的特徴」が遺伝で決まるのは納得できるが、「精神的特徴」が遺伝するのは認めたくない。しかし、実験結果的には多くの「精神的特徴」が遺伝により決まるという。本書には具体的にどの特徴が遺伝してどの特徴が遺伝しないかなど詳しく記されている。遺伝に興味がある人には必読な一冊。
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ダーウィンとゴルトンの写真からはじまる掴みはすばらしい。 内容もしっかりしていて(もちろん10年以上前だから分野的には古いのだろうが)、行動遺伝学とかでいろいろ気になっていたことがきれいに説明されている。ブルーバックスすげー。 遺伝よりもむしろ環境について考えたり。 ...
ダーウィンとゴルトンの写真からはじまる掴みはすばらしい。 内容もしっかりしていて(もちろん10年以上前だから分野的には古いのだろうが)、行動遺伝学とかでいろいろ気になっていたことがきれいに説明されている。ブルーバックスすげー。 遺伝よりもむしろ環境について考えたり。 「将来はわからない」という節の最後は「少なくとも遺伝であっても可変性があるということを知っていれば、現時点で自分の持っている性質だけで、自分の将来を決めつけてしまうという過ちから逃れることができる。遺伝的な影響とは、静的なものではなく、ダイナミックなものなのだ。」p.133
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