ループ の商品レビュー
面白かった。 途中旅のシーンで少し中弛み感があったが、ループというプロジェクト、なぜ世界がガン化しはじめたのか、最後の螺旋のシーンへと繋がる部分など怒涛の伏線回収はお見事。 ループは現実世界の物理条件を完全に再現した仮想空間であるのに、生命の自然発生はしなかった。 なので神が操...
面白かった。 途中旅のシーンで少し中弛み感があったが、ループというプロジェクト、なぜ世界がガン化しはじめたのか、最後の螺旋のシーンへと繋がる部分など怒涛の伏線回収はお見事。 ループは現実世界の物理条件を完全に再現した仮想空間であるのに、生命の自然発生はしなかった。 なので神が操作を加えた。 →ということは、現実世界でも生命の自然発生はなかったはずなので、神が操作を加えた。 →現実世界にも上位概念となる「世界」がある。 この背理法的な考え方好きです。 よく世界はパラレルワールドでいろんな世界が同時に存在しているっていうのがポピュラーなのかなと思ったけど、この小説を読むと並列というよりかは直列に世界が存在しているのかもしれない。 ガン化とは、細胞が多様性をなくすこと。 なんとなくだが、人間に当てはめると学ぶ姿勢や意欲を失って毎日同じように過ごしていくのはガン化を示唆しているのかも。
Posted by
リング3部作の最終作。相変わらず面白い。好みで言えば前作の方が好きなのだが、ここまで予想を裏切る展開はなかなか味わえない。3部作として傑作だと思う。
Posted by
ガンを発症させるウィルスが世界を席巻していました。生命科学を専攻する二見馨の父・二見秀幸も、病に侵されて入院を余儀なくされます。馨は、父が療養しているする病院で、一児の母・杉浦礼子と出会い、たがいに愛しあうことになります。 一方で馨は、情報科学者だった父が関わった人工生命プロジ...
ガンを発症させるウィルスが世界を席巻していました。生命科学を専攻する二見馨の父・二見秀幸も、病に侵されて入院を余儀なくされます。馨は、父が療養しているする病院で、一児の母・杉浦礼子と出会い、たがいに愛しあうことになります。 一方で馨は、情報科学者だった父が関わった人工生命プロジェクト「ループ」に、ガンの進行をくい止めるヒントを求めて、アメリカへ渡ることを決意します。そこで彼は、「ループ」プロジェクトを発案したクリストフ・エリオットという老人に出会い、信じられない話を聞かされます。 現在、世界中を恐怖に陥れているガン・ウィルスは、「ループ」の中で生まれたというのです。さらにエリオットは、「ループ」の中の「タカヤマリュウジ」という個体の遺伝情報を現実の世界に移し入れることで生まれてきたのが、二見馨だと告げます。ガン・ウィルスは、リュウジの遺伝情報のなかに入り込んで、「ループ」から現実世界へとやってきたのです。 礼子たちをガンから守るため、馨は現実世界から消え去ることを決意します。現実世界を救った馨の生命情報は、「ループ」の中で復活を遂げた高山竜司に移されて、彼は「ループ」の世界のゆくえを見届けようとします。 『リング』『らせん』の世界を、今度はそっくり人工生命プロジェクトの中に移し入れるという、破天荒なストーリー設定に驚かされます。ただ、人工生命というアイディアに頼りすぎで、ストーリーそのもののおもしろさは少しもの足りないようにも感じました。いずれにしても、もはやホラー小説の要素はほとんどなく、完全にSF小説というべき内容です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
馨はかけがえのない家族に囲まれ、幸せな毎日を送っていた。あの日が来るまでは。尊敬していた父がガンで衰弱していく。しかも、それは猛威を振るう新種のガンウイルスによるものだった。馨は家族を救うために、ウイルスに対抗する方法を模索する。 読み終えて一発目の感想は、「貞子はどこに行ったんだ」という感想。リングシリーズはどうやら山村貞子ありきで進むわけではなく、この世界のあり方、生命のあり方など少々哲学的なテーマありきだったようだ。呪怨や着信アリのように山村貞子がパワーアップしてどんどん理不尽に人類を呪うみたいな展開を期待して読み始めた三部作だったのでとってもびっくり。作中に出てくる人間模様や主人公の葛藤などはとても胸に刺さったので、面白かったが……。
Posted by
リング三部作を読む。 映画リングは紛うことなきホラーですが(子供の頃に観たときはホントに怖かった)、小説はというと、その印象は薄く、SFミステリーといった方が適切かと。一作目リングの完成度は高く、二作目らせんもSF要素を前面に押し出す内容で特段の違和感なく読み進めることができまし...
リング三部作を読む。 映画リングは紛うことなきホラーですが(子供の頃に観たときはホントに怖かった)、小説はというと、その印象は薄く、SFミステリーといった方が適切かと。一作目リングの完成度は高く、二作目らせんもSF要素を前面に押し出す内容で特段の違和感なく読み進めることができました。ただ、三作目ループはいただけない。 ホラー要素は全くなくなり、SF一色。リングの世界を仮想空間に落とし込む豪腕は否定しませんが、中盤に前二作のあらすじ紹介を垂れ流しにするところとか、いろいろ強引過ぎる展開(世界の危機なんだから、間接的に導くのではなく直接呼びつけろよ。。とか)が気になったり、何よりも高山に拘り過ぎで、もはや貞子の出番すらないところに笑えてしまいました。仮想空間の存在が現実に現れるという展開もSF作品としても決して真新しいものではないので、なんというか、蛇足な印象が強い作品でした。
Posted by
前作らせんを確かリアルタイムで読んで以来ずっとシリーズ放置してました。ネタバレを踏まなかったのが今思えば奇跡かな。 ホラーと言うより未来SF系の話でしたが、父性溢れた主人公に感動。素晴らしい読後感で読んで本当に良かった。
Posted by
『らせん』を読んだらとりあえず『ループ』もいっとくよな。 でもさ、『ループ』は全然記憶に残っていないのよ。何度も読んでないのかな? シリーズ3作目ともなると、繰り返しが多くてくどい感じがするのが気に入らないのかも。
Posted by
内容 科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはいったいどこからやって来たのか?あるプロジェクトとの関連を知...
内容 科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはいったいどこからやって来たのか?あるプロジェクトとの関連を知った馨は一人アメリカの砂漠を疾走するが…。そこに手がかりとして残されたタカヤマとは?「リング」「らせん」で提示された謎と世界の仕組み、人間の存在に深く迫り、圧倒的共感を呼ぶシリーズ完結編
Posted by
シリーズ最高傑作。完成度の高い前2作をもってして、この続編を仕上げるのは天才的。 内容的にも非常に引き込まれる
Posted by
リングとらせんの話は何だったのか・・という気持ちになった。 誰もが一度は考えそうな空想が実は本当でしたとか・・ 馨からの最後のメッセージは両親と愛する人に届いたのかな
Posted by