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ウエンカムイの爪 の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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2013/11/28

すばる文学新人賞を受賞した熊谷達也のデビュー作。 マタギ3部作の1作目である『相剋の森』に繋がる前段の話。 200ページ足らずだが構成も面白く、あっと言う間に読める。 『相剋の森』や『邂逅の森』と比べると、かなり荒削りな感じはするが、それはマタギ3部作があまりに凄すぎる所以だ...

すばる文学新人賞を受賞した熊谷達也のデビュー作。 マタギ3部作の1作目である『相剋の森』に繋がる前段の話。 200ページ足らずだが構成も面白く、あっと言う間に読める。 『相剋の森』や『邂逅の森』と比べると、かなり荒削りな感じはするが、それはマタギ3部作があまりに凄すぎる所以だろう。 2013.11.28読了

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2013/08/29

「名前が熊谷だからクマから入りたかったんです!」 という氏のデビュー作です(言ってません)。なんか テンポのいい熊谷作品て不思議な感覚ですね。

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2013/07/23

「ヒグマと人間」は私の好きなテーマ。つまりは人間にとっての神、人間にとっての恐れるべき存在というもの。ただつくりとしては単調。新人っぽいともいえるが。「邂逅の森」を書いた重厚な熊谷達也とは思えないほどの軽さ。もうちょっと主人公及び准教授の内面を描くべきだ。一方でどうでもいい大学生...

「ヒグマと人間」は私の好きなテーマ。つまりは人間にとっての神、人間にとっての恐れるべき存在というもの。ただつくりとしては単調。新人っぽいともいえるが。「邂逅の森」を書いた重厚な熊谷達也とは思えないほどの軽さ。もうちょっと主人公及び准教授の内面を描くべきだ。一方でどうでもいい大学生たちの描写が細かかったり。

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2012/10/19

著者名が記されていなければ『山背郷』と同じ作家だとはわからなかっただろう。直木賞作家・熊谷達也氏の処女作。ストーリー展開等さほど気に掛けず、東北という風土の断面を無作為に抜き取って、無造作に並べた様な構成であるにも拘わらず、限りなく魅力的であった『山背郷』に比べ、本作は全く以て普...

著者名が記されていなければ『山背郷』と同じ作家だとはわからなかっただろう。直木賞作家・熊谷達也氏の処女作。ストーリー展開等さほど気に掛けず、東北という風土の断面を無作為に抜き取って、無造作に並べた様な構成であるにも拘わらず、限りなく魅力的であった『山背郷』に比べ、本作は全く以て普通の文体である。まあ、その分、非常に読み易く数時間で読み終えた。羆版『サンダ対ガイラ』みたいな話。古く遡れば『海彦山彦』のテーマか?二本足で立ち上がって咆哮する、ウェンカムイらしい金毛羆を描いたイラスト(写真?)が結構お気に入り。

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2012/08/16

第10回小説すばる新人賞受賞作にして、『邂逅の森』で直木賞を受賞した熊谷達也氏のデビュー作。 マタギ系の古風な狩猟モノではなく、現代風のクマ小説。 登場人物の描写が甘いのと、展開が早過ぎ&終盤がアッサリし過ぎの感もありつつ、良い意味でサラッと読める。 巻末の阿刀田高の解説が、か...

第10回小説すばる新人賞受賞作にして、『邂逅の森』で直木賞を受賞した熊谷達也氏のデビュー作。 マタギ系の古風な狩猟モノではなく、現代風のクマ小説。 登場人物の描写が甘いのと、展開が早過ぎ&終盤がアッサリし過ぎの感もありつつ、良い意味でサラッと読める。 巻末の阿刀田高の解説が、かなりの上から目線。

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2012/04/04

熊谷さんはやっぱり浸かっていると思う一作だった。熊に対する並々ならぬ執着心と山の神に対する畏怖。ここぞとばかりに散りばめられている。 前半よりも後半の方がよめてしまうのと、カムイとの対峙にはもう少し余韻を持たせて欲しかったなどと思ってしまった。山で暮らす人達に魅入られた想いは十二...

熊谷さんはやっぱり浸かっていると思う一作だった。熊に対する並々ならぬ執着心と山の神に対する畏怖。ここぞとばかりに散りばめられている。 前半よりも後半の方がよめてしまうのと、カムイとの対峙にはもう少し余韻を持たせて欲しかったなどと思ってしまった。山で暮らす人達に魅入られた想いは十二分にも伝わった気がする。

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2012/01/23

例によってクマは大暴れしていたけれども、1時間程度で読了してしまうというちょっと物足りないボリューム。

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2016/07/30

再読。 吉村昭を思わせる(記録文学的な吉村さんよりずっと物語よりですが)動物文学です。 かなり綿密な調査を行った物だと思います。熊との遭遇シーンなど、リアリティも迫力もあります。戸川幸夫さんに嵌り、吉村さんのマタギものを大好きだった私からして、熊谷さんの登場は喜ぶべきものでした。...

再読。 吉村昭を思わせる(記録文学的な吉村さんよりずっと物語よりですが)動物文学です。 かなり綿密な調査を行った物だと思います。熊との遭遇シーンなど、リアリティも迫力もあります。戸川幸夫さんに嵌り、吉村さんのマタギものを大好きだった私からして、熊谷さんの登場は喜ぶべきものでした。 「面白かった」と言う記憶があって再読したのですが、意外に粗さが目立つ。改めて調べてみたら前回の感想も「もう少し・・・」でした。 設定や登場人物が魅力的なだけに残念です。 熊谷さんはどうもばらつきの大きな作家さんですね。 ========================== 05-071 2005/07/16 ☆☆☆ 熊谷さんのデビュー作。 羆との遭遇シーンなど、迫力があります。そこだけ取り上げれば、吉村昭と比較しても遜色が無いほどではないでしょうか。しかし、さすがに荒さが目立つような気がします。ストーリーそのものは面白いのですが、人物造形がやや甘いのでしょうか。準主役の老猟師など、もう少し上手く書き込めば、もっと迫力ある作品になったのではないかと。

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2017/08/15

熊谷達也のデビュー作です。 アイヌの人々は善い羆のことを山の神『キムンカムイ』いい、性悪の羆を『ウエンヤップ』という。そして人間を食ってしまった羆のことを、真の悪神『ウエンカムイ』と呼ぶ… 北海道で撮影旅行中だった動物写真家・吉本は、ある日巨大な羆と遭遇してしてしまう。しかし...

熊谷達也のデビュー作です。 アイヌの人々は善い羆のことを山の神『キムンカムイ』いい、性悪の羆を『ウエンヤップ』という。そして人間を食ってしまった羆のことを、真の悪神『ウエンカムイ』と呼ぶ… 北海道で撮影旅行中だった動物写真家・吉本は、ある日巨大な羆と遭遇してしてしまう。しかし今まさに襲われそうになったとき、彼はひとりの女性に救われた。その女性はまるで羆を魔法にでもかけたかのように自在に操り、山へと導いた。  なぜそんなことが出来るのか。彼女は何者なのか。  一方でそれとは別の羆が、キャンプ旅行中の学生たちを襲い3人を惨殺してしまう。一度人間の味を覚えた熊は警戒心より、人肉への嗜好のほうが勝ってしまい再び襲う。『ウエンカムイ』だ。  羆の生態や、北海道の生態系が直面している自然破壊、そして羆を保護する調査研究の実態や、駆除か放逐かを分ける法律的基準など、羆に関するあらゆる情報が詰め込まれているし、羆から身を守るための様々な防御法なども詳しい。通勤の行きと帰りの電車の中で読みおわってしまうほど薄い本なのに内容は非情に濃い。  羆の恐怖という点では吉村昭『羆嵐』には及ばないし、ラストが意外とあっさりだったので物足りなさもありますが、いろいろと勉強になるので、自然保護とか動物の生態に興味がある人にはとくにオススメします。

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2011/08/14

北海道の山に登る予習も兼ねて読んでみた。”野生と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作”との紹介文は大げさだが、ストーリーは面白かったし、熊の生態やアイヌ文化に関していろいろ勉強になった。いろんな要素を盛り込みすぎたせいでテーマが薄まっている点、科白のやりとりや人...

北海道の山に登る予習も兼ねて読んでみた。”野生と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作”との紹介文は大げさだが、ストーリーは面白かったし、熊の生態やアイヌ文化に関していろいろ勉強になった。いろんな要素を盛り込みすぎたせいでテーマが薄まっている点、科白のやりとりや人物設定にリアリティに欠ける点は多少あったものの、別の著書を読んでみたいと思った。今度は、東北の山に行くときに『漂泊の牙』を持っていこうかな。

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