ウエンカムイの爪 の商品レビュー
小説すばる新人賞受賞…
小説すばる新人賞受賞作。人食いと化した、野生の熊を追って駆除する話し。自然保護や野生動物との共生など、テーマは大きいが、上質なエンターテイメントとしても評価できる。
文庫OFF
ひょんなことから、マタギや熊文学の話になり、夫が実家の自分の本棚からごっそりその手の本を持ち出してきた。 しばらく続きそう。 薄い本だけど、ヒグマとの緊迫感漂うシーンは、臨場感抜群。 ラストには切なさも残してくれる。 これが新人賞だったのだからスゴイ。
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凄いスリリングで、北海道におけるヒグマに対する信仰的なものが見えた。 人を襲う熊なのか、熊に襲われる人なのか。 よく動物の生息域を人間が侵したというが、それもまた自然の姿のような気がする。 それでも人間には知力があるので、自然を守る為になすべき事をなすべきである。 …ということか...
凄いスリリングで、北海道におけるヒグマに対する信仰的なものが見えた。 人を襲う熊なのか、熊に襲われる人なのか。 よく動物の生息域を人間が侵したというが、それもまた自然の姿のような気がする。 それでも人間には知力があるので、自然を守る為になすべき事をなすべきである。 …ということかな?
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B級映画の出だし 唐突にスタート いきなりヒグマ 無駄がないといえば聞こえはいいが、節操がないとも言えるのかもしれない 起承転結自体はまさにB級映画の構成そのもの 実は昨年に『シャトゥーン』(このミス)を読んでいた だからかどうしてもヒグマの凶悪さと常軌を逸した粘着質がどれだ...
B級映画の出だし 唐突にスタート いきなりヒグマ 無駄がないといえば聞こえはいいが、節操がないとも言えるのかもしれない 起承転結自体はまさにB級映画の構成そのもの 実は昨年に『シャトゥーン』(このミス)を読んでいた だからかどうしてもヒグマの凶悪さと常軌を逸した粘着質がどれだけ描かれているのかを比較してしまった そしてやはりこのウエンカムイの爪にはそれらがシャトゥーンと比べ不足していた シャトゥーンがヒグマそのものの理不尽さと自然そのものの畏怖を描き切っていたのに対し、 こちらのウエンカムイの爪は、最終盤に主人公が一つ自分の中の答えを出すための、いわば舞台装置としてでしか描かれてはいなかった ヒグマそのものを徹底的に描き切っていたのは圧倒的にシャトゥーン もちろん同じ題材だからといって全く別々の作品を一方的に比較し個人的な優劣をつけるのは下品きわまりない行為だが、だってヒグマの小説を読みたかったんだからきちんとヒグマそのものを描いてほしかったのだ シャトゥーンと比べヒグマが舞台装置として利用されている点にどうしても目が行ってしまうし、結果として星2にせざるを得ないというものだ
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1997年に書かれた作品。東北で熊が人を襲うニュースが多い昨今、旬なテーマといえるかも。 北海道の山中で、殺人ヒグマを追いかけて駆除するストーリー。ボンボンの私大大学生や、アウトドア雑誌に雇われたカメラマンといった、いかにも90年代的な登場人物が現れることはご愛嬌。 会話主体...
1997年に書かれた作品。東北で熊が人を襲うニュースが多い昨今、旬なテーマといえるかも。 北海道の山中で、殺人ヒグマを追いかけて駆除するストーリー。ボンボンの私大大学生や、アウトドア雑誌に雇われたカメラマンといった、いかにも90年代的な登場人物が現れることはご愛嬌。 会話主体の文体なので軽く読めた。1月の連休最後の夜の読書。
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熊が人の世界に現れる。 いま、とても身近な話題。 熊谷達也のデビュー作で1997年のすばる新人賞受賞作。 本当は「邂逅の森」を読むべきと思ったけど、ある意味原点では?として、短い方を選んでしまった。 短い中にも、「自然」というものに対する人間の感覚の過ちを露わにしており、...
熊が人の世界に現れる。 いま、とても身近な話題。 熊谷達也のデビュー作で1997年のすばる新人賞受賞作。 本当は「邂逅の森」を読むべきと思ったけど、ある意味原点では?として、短い方を選んでしまった。 短い中にも、「自然」というものに対する人間の感覚の過ちを露わにしており、ひとつ腹に落ちる物語。
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人間の奢りで動物との共生に乱れが生じる。そうしたことを、思い出させてくれる作品。 キャンプや登山がブームになって、マナーを守れない人が増えたいまこそ再注目されるべきかも。
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大好きな熊谷達也さんのデビュー作。 ものたりなーい!もっとよみたーい! 主人公の吉本は、北海道取材中にクマに襲われ、謎の女に助けられる。謎の女は吉本とクマの間に現れ、催眠術をかけるかのようにクマを追い返してしまった。彼女はヒグマの研究をする学者で、彼女たちの活動に吉本はカメラマ...
大好きな熊谷達也さんのデビュー作。 ものたりなーい!もっとよみたーい! 主人公の吉本は、北海道取材中にクマに襲われ、謎の女に助けられる。謎の女は吉本とクマの間に現れ、催眠術をかけるかのようにクマを追い返してしまった。彼女はヒグマの研究をする学者で、彼女たちの活動に吉本はカメラマンとして同行することとなり…。ヒグマはどうしてウィンカムイになってしまったのか。人間が自然に与えた影響とは何なのかを考える。
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ゴールデンカムイが好きなので、それに近いものを感じて読んだ。ハラハラするヒグマとの闘い。人間のおろかさを感じる。
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巻末の参考文献を見てもそうだがこの人はきっと色々な資料調査や取材等をキッチリしているのだろう。羆に関する生態や保護研究の実態等の情報を作品内に分かり易い様丁寧に描いている。これ迄にクマ本を色々と読んできた為、どうしても羆の残虐性や怖さを期待してしまうのだが、本作品はあまりそこに重...
巻末の参考文献を見てもそうだがこの人はきっと色々な資料調査や取材等をキッチリしているのだろう。羆に関する生態や保護研究の実態等の情報を作品内に分かり易い様丁寧に描いている。これ迄にクマ本を色々と読んできた為、どうしても羆の残虐性や怖さを期待してしまうのだが、本作品はあまりそこに重点を置いて無いのでパンチ力の弱さは否めない。しかしストーリーの全体構成はそれなりに纏まっておりクマ本入門書としてみれば非常に読み易い作品ではなかろうか。
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