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パイドン の商品レビュー

4.2

38件のお客様レビュー

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2013/12/15

ソクラテス先生 最後の授業の巻。 ソクラテス四大福音書の一つらしい。 死後の魂についての議論だが、 話はこの世界の成り立ち全般に及ぶ。 「人間という存在は魂と肉体により成り立っている」 という古代ギリシア人の考えが前提条件になっているが、 科学の発達により当時より解明が進んだ...

ソクラテス先生 最後の授業の巻。 ソクラテス四大福音書の一つらしい。 死後の魂についての議論だが、 話はこの世界の成り立ち全般に及ぶ。 「人間という存在は魂と肉体により成り立っている」 という古代ギリシア人の考えが前提条件になっているが、 科学の発達により当時より解明が進んだ現在となっては、 「ミリンダ王の問い」でナーガセーナが主張した 「識別は縁によって生じ、霊魂は存在しない」 というインド人の考えの方がより現実に近いと思われるので、 この本の主題は、思想史としての価値しか無い。 だが、本の中でソクラテスが指摘している通り、 少数の悪人に騙されて人間全員が悪人だと思うように、 我々日本人は議論=水掛け論と思いがちなので、 逐一根拠を説明し、人格否定や権威主義に陥らない ソクラテスの論法はまさしく言論のイデアであり、 良い例を見るためにも、本書を読む意義は大いに有る。

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2013/07/15

・死刑宣告を受けたソクラテスが、毒杯をあおるまさにその当日に二人の弟子と交わした最後の対話。「哲学者は死を恐れない。なぜなら哲学することは死ぬことの練習であるからだ」という印象的なテーゼをめぐって対話が進んでいく。 ・人間は肉体と魂から成り立っているが、肉体は快楽を目指し、魂は...

・死刑宣告を受けたソクラテスが、毒杯をあおるまさにその当日に二人の弟子と交わした最後の対話。「哲学者は死を恐れない。なぜなら哲学することは死ぬことの練習であるからだ」という印象的なテーゼをめぐって対話が進んでいく。 ・人間は肉体と魂から成り立っているが、肉体は快楽を目指し、魂は真善美を目指す。そして肉体的快楽を拒否して魂を研ぎすますことこそが哲学の本質である。ところで、死とは、魂が肉体から分離することであるから、肉体から解放された死者(魂)のみが真実の知を獲得することができる。したがって哲学することは死ぬことの練習なのだという論理構成。この説を証明・補強するために、想起説やイデア論、魂の不死不滅などが展開されていく。 ・当時よりも宗教的色彩が薄れ、科学的思考が強くなった今日から見れば、これらの言説は確かに胡散臭い。しかしそれでも、この本の値打ちが少しも損なわれていないと感じるのは、ソクラテスが「いかに生きるべきか」という人間存在の核心的問題を最深部から掘り起こそうとした最初の人であったからではないだろうか。したがって、ソクラテスが導き出した解答よりも、むしろソクラテスの提起した問題こそに注目すべきだろう。この最も古い問いに対する正解はいまだ出されていないのだから。そういう意味において、ソクラテスは常に新しい哲学者であると思う。 ・哲学に生き、哲学に殉じたソクラテスの最期は、とにかく美しくて感動的だ。

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2013/06/11

古代ギリシアで普通に「魂」という事柄が当たり前のように使われているのに驚きました。 魂は死後も存続するのか、あるいは死後肉体とともに雲散霧消してしまうのかという議論から、 想起説、魂の不死の証明が試みられます。 まるで謎解きのような議論についつい引き込まれてしまいました。 ...

古代ギリシアで普通に「魂」という事柄が当たり前のように使われているのに驚きました。 魂は死後も存続するのか、あるいは死後肉体とともに雲散霧消してしまうのかという議論から、 想起説、魂の不死の証明が試みられます。 まるで謎解きのような議論についつい引き込まれてしまいました。 「知をもとめること(哲学すること)とは、まさに死の練習である」

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2012/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この書の主なテーマである魂の不滅についての証明は、少々ややこしかった。 それよりは、(プラトンの書く)ソクラテスが死に対してどのような態度で望むか、哲学者として生きるということはどういうことかを述べているところが面白い。 「(哲学者とは)純粋な思惟それ自体のみを用いて、存在するもののそれぞれについて純粋なそのもの自体のみを追求しようと努力する人である。その人は、できるだけ目や耳やいわば全肉体から解放されている人である。なぜなら、肉体は魂を惑わし、魂が肉体と交われば、肉体は魂が真理と知恵を獲得することを許さない、と考えるからである。」 いわば哲学とは死の練習をすることで、それでいてこそ、死んだ時に魂は肉体から離れて、自分自身になることができる。神の国に入ることができる。

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2012/01/14

プラトン三冊目。ソクラテスが毒をあおいで死ぬ日にみなと対話したのをパイドンが語っていく。 内容としてはソクラテスの死を嘆き悲しむ弟子たちに対して、死が一切の消滅ではなく、イデア論によると魂はむしろ不死であり、悲しむものではないことを諭していく。しかし、ソクラテスの言葉に対し、シ...

プラトン三冊目。ソクラテスが毒をあおいで死ぬ日にみなと対話したのをパイドンが語っていく。 内容としてはソクラテスの死を嘆き悲しむ弟子たちに対して、死が一切の消滅ではなく、イデア論によると魂はむしろ不死であり、悲しむものではないことを諭していく。しかし、ソクラテスの言葉に対し、シミアスとケベスが徹底的に、素朴に疑義を呈していく。最終的にはイデア論による魂の不死を認めて死を看取るわけだが、死に行く師に対し、あれだけ率直に言葉を交わして対話して行くことにまさしく哲学の本質が見えるように思える。しかし、死に対して持っている感覚がやはり自分のものとはずれている気が拭えない。とは言え、これらに反論するだけの哲学的技量もない。期せずして自分の寄る瀬のなさを再認識させられたような気がする。 単純にソクラテスの最期自体は感動的でもあるので、ぜひ読むべき一冊。

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2011/07/16

人間のうちにあってわれわれを支配し,イデアを把握する力を持つ魂は,永遠不滅のイデアの世界と同族のものである.死は魂の消滅ではなく,人間のうちにある神的な霊魂の肉体の牢獄からの解放である-ソクラテスの最期のときという設定で行われた「魂の不死」についての対話.『国家』へと続くプラトン...

人間のうちにあってわれわれを支配し,イデアを把握する力を持つ魂は,永遠不滅のイデアの世界と同族のものである.死は魂の消滅ではなく,人間のうちにある神的な霊魂の肉体の牢獄からの解放である-ソクラテスの最期のときという設定で行われた「魂の不死」についての対話.『国家』へと続くプラトン中期の代表作.

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2011/07/03

『だまされない議論力』吉岡友治 の巻末の読書案内に出ていたもの。そのうち読む予定-「言わずと知れた古典中の古典。会話による弁証法のお手本」 高校のころに読んどくべきだったか。

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2011/05/04

肉体を不要とし、思考を重視するこのソクラテスはレンズマンのアリシア人を思い出させた。竪琴とか上衣から持ち主を想うのはフェチズムで、誰もが生まれつき持つイデアを想起するのは集合的無意識か。仮説演繹法によりロゴスを基礎に置くのはデカルトの自我に当たり大陸合理論はプラトン哲学の継承なの...

肉体を不要とし、思考を重視するこのソクラテスはレンズマンのアリシア人を思い出させた。竪琴とか上衣から持ち主を想うのはフェチズムで、誰もが生まれつき持つイデアを想起するのは集合的無意識か。仮説演繹法によりロゴスを基礎に置くのはデカルトの自我に当たり大陸合理論はプラトン哲学の継承なのだろう。 美そのものが不変なもので存在するのなら、ある人には美しく見え、ある人には美しくなく見えることのはなぜか。

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2011/04/20

死の合理性/不合理性、ソクラテスのみが〈死への訓練〉という点で真の哲学者であるということ、哲学は己への配慮であるということ。

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2011/01/29

【2011年_3冊目】 哲学演習の教科書だった. 論理的に考える,論理的に説明する. 今まで私の中にない世界を見ました. そうは言うけど,やっぱりソクラテスが死んじゃうのは寂しいよ.

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