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パイドン 魂の不死について 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1998/02/16 |
JAN | 9784003360224 |
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商品レビュー
4.2
38件のお客様レビュー
プラトンの対話編です…
プラトンの対話編です。「青年に悪影響を与えたという」冤罪をきせられたソクラテスは、牢獄の中で、有名な「魂は不滅であることの証明」を行います。
文庫OFF
この著作はプラトンに…
この著作はプラトンにおける魂と肉体の関係を知るのにとても良い材料となります。それに最後の魂の行方のミュートスの部分がそこにオルフェウス-ピュタゴラスの跡が見えて非常に壮大で興味深いです。
文庫OFF
プラトンと言えばイデア論、と倫理で学んできた。 なのでいつプラトンの論述が出てくるのか気になっていたが、終始ソクラテスが他者と対話していくストーリーであり、またソクラテスがイデア論の話を出していたことから、イデア論を提唱したのはソクラテスだったのか、と思った。 しかしあとがきを...
プラトンと言えばイデア論、と倫理で学んできた。 なのでいつプラトンの論述が出てくるのか気になっていたが、終始ソクラテスが他者と対話していくストーリーであり、またソクラテスがイデア論の話を出していたことから、イデア論を提唱したのはソクラテスだったのか、と思った。 しかしあとがきを読んで分かったのは、そもそもプラトンは基本的にソクラテスの思想を受け継ぐこと、そしてやがてそれを理論化するのを目的としていたことだった。 あとがきにの、『『パイドン』はプラトンとなった最初のソクラテスの声なのである』の通り、プラトンはソクラテスの口を借りて、追憶と(おそらくの)創作の混じった書物を残したのであり、現代まで残され受け継がれてきた各種の記録、そしてその中の論理的な整合性から、どこまでがソクラテスの思想でどこからがプラトンの思想であるかを見分けなければいけない。 ただ、一読者としては、正直なところ2人のどちらが何を言ったかと区別するのはそこまで重要ではない。むしろ、何を語り、そこから何を学べるかだと思う。 本書内容をざっくりといえば、ソクラテスが死ぬことを悲しむ弟子たちに対し、死ぬことは悪いことでも悲しむことでもなく、むしろ哲学者は早く死ぬことを目的とする方が正しい、ということを納得してもらうために、ソクラテスが対話を進めていく、というストーリーだ。 人が死んだら魂がどうなるのかを論理的に導き出す工程は、現代に生きる私としても当然自分事として気になる。 ただ、率直な感想としては、ソクラテスの弟子たちのように納得はいかなかった。 あまりにも二元論で物を見すぎている点と、ある二元論を別の二元論に無条件に演繹してしまっている点、それに信仰と科学が入り混じってしまっていて論拠が弱い点が気になってしまう。 一体最終章の神話の章をソクラテスやプラトンはどこまで現実として受け取っていたのだろうか。 少なくとも、生きている間にこの世で見聞きする情報はイデアの影であり、思索の積み重ねで得られる結論こそが純粋であるという視点では、現実世界における事実、科学とを軽視し、むしろ想像や伝承のような神話、信仰、下手すれば妄想の方を重要視してしまう。 この切り分けを経ないことには、より納得のいく結論には達せないように思う。 現代に生きる我々は既にソクラテス・プラトン以降の長い年月における大勢の哲学者、科学者、数学者、宗教家のような人々の思想を既に前提として受け取っているため、上記の矛盾や違和感が残るのだろう。 西洋哲学は、過去の哲学者の思想を新しい事実と類推で以て批判・否定し、新しい思想を提唱することの積み重ねであったという。 このプラトンの著作で受ける違和感が、今後私が続けて学んでいく後世の人物らによってどのように覆され、整えられ、現代の常識に繋がっていくか、その経緯を辿ることを楽しみに思う。 最後に、創作、ストーリーとして読むのであれば、最後にソクラテスが毒配を飲んで死後の旅へとでる表現は充分に感動的であった。 読んで良かったと思う。
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