くるぐる使い の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
世にも奇妙な物語的な短篇集。オカルトで怪奇でドロドロしていて・・・登場人物の誰もが痛みを抱えていて、でもその中に微かな希望が合って。その希望が客観的に見ると全然希望ではなくむしろ絶望なのだけれど、なぜだか”生”を感じて感動する。 とにかく現実離れしているのに、リアルを感じさせられて、人間臭さにあふれた短篇集。どの話も切なくて泣きそうになって、悲しくて苦しくなる。 「人生楽すぃぃぃ!」というタイプの人にはまったく響かないけど、響く人には響く本。自分のことをどちらかというと、マイノリティーだと思っているの人におすすめ。
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超常現象に出会った少年少女の精神異常と青春を描いた短篇集。どれも筋が通っていてオチであっと驚かされ、かつ大槻ケンヂの言語的センスが炸裂している傑作。長編も読みたい
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古本で購入。 大槻ケンヂの言葉のセンスと小説のもつ雰囲気にやられた。 “ミュージシャン”大槻ケンヂの曲はあまり数を聴いたことはないけど、「再殺部隊」「風車男ルリヲ」あたりはちょっと尋常じゃない。 この短編集も、気の狂った少女「くるぐる」の発する予言や過去透視を芸として見せる「く...
古本で購入。 大槻ケンヂの言葉のセンスと小説のもつ雰囲気にやられた。 “ミュージシャン”大槻ケンヂの曲はあまり数を聴いたことはないけど、「再殺部隊」「風車男ルリヲ」あたりはちょっと尋常じゃない。 この短編集も、気の狂った少女「くるぐる」の発する予言や過去透視を芸として見せる「くるぐる使い」だった男が己の外道の所業を告白する表題作を始め、独特の世界観がみっしりと詰まってる。たまらん。 意外と重要な1編と思えるのが、現実世界と妄想世界の狭間でぐらついている少年を描いた「春陽綺談」。 少年から異常体験を聴かされた男が彼に言う 「ヘラヘラ生きるコツを教えてやる」 という言葉は、収録作品のすべてに共通する、精神の平行棒に立つ脆く危うい少年少女への、大槻ケンヂの想いなのかもしれない。 その一方で、この短編には作者の敬愛する江戸川乱歩へのオマージュが溢れてる。少年・春陽(はるひ)からして、江戸川乱歩文庫を出版している春陽堂書店が元ネタっぽい。 他の作品も想像以上にすごかった。 特に「くるぐる使い」のやるせなさやエグさ、どことなく漂うエロスがすごい。 “作家”大槻ケンヂはエッセイの評価も高いそうなので、1冊読んでみよう。
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★1.5だがおまけで。 大槻ケンヂって好き嫌いがはっきり分かれると思うが、当方はどちらかというと後者。 ラジオとかもちらっと聞いた記憶があるが、何か詰まらんあんちゃんだなぁと感じていた記憶あり。 この本も大槻ワールド全開かな?当方には何か合わないな、理由を説明しろと言われても難し...
★1.5だがおまけで。 大槻ケンヂって好き嫌いがはっきり分かれると思うが、当方はどちらかというと後者。 ラジオとかもちらっと聞いた記憶があるが、何か詰まらんあんちゃんだなぁと感じていた記憶あり。 この本も大槻ワールド全開かな?当方には何か合わないな、理由を説明しろと言われても難しいのだが。
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大槻ケンヂのお話はどれも迫ってくるのがいい。 「憑かれたな」など、設定としては星新一のカウンセラーのお話その他でみる類型なのだけれども、より身近でイメージしやすい印象。 正常である状態と気狂いとなる境がなめらかなので、自分は大丈夫かな?という錯覚を安全な娯楽として味わえるのもいい...
大槻ケンヂのお話はどれも迫ってくるのがいい。 「憑かれたな」など、設定としては星新一のカウンセラーのお話その他でみる類型なのだけれども、より身近でイメージしやすい印象。 正常である状態と気狂いとなる境がなめらかなので、自分は大丈夫かな?という錯覚を安全な娯楽として味わえるのもいい感じ。
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ドグラマグラ的な奇書の類いかな、というのが最初の感想だったけれどその考えはキラキラと輝くものを読んで一変した。それぞれの話の中の少年少女は確かに狂っていて、描写にもグロいものがあったりするけれど、読むうちそれが普通、身近なことのように思わされて、次には自分の中に共感が生まれて、最...
ドグラマグラ的な奇書の類いかな、というのが最初の感想だったけれどその考えはキラキラと輝くものを読んで一変した。それぞれの話の中の少年少女は確かに狂っていて、描写にもグロいものがあったりするけれど、読むうちそれが普通、身近なことのように思わされて、次には自分の中に共感が生まれて、最後には切なくなるこの感じは一体なんだ、すごく面白い。話は荒唐無稽なように見えてきちんと作られていて、中毒性がある。大槻ケンヂ恐るべしと改めて思った作品でした。
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すっごい、おもしろかった・・・!!なんていうんだろ、ロックでいかれてる話ばっかりなのに、全部悲しくて、いやな気分になって目もそむけたくなっちゃうのに、結局見ちゃう、みたいな。 やっぱり表題作が最高です。「泣き死ぬ」って、いい表現だなぁ。ほぼ造語でここまでキャッチーな言葉もないと思...
すっごい、おもしろかった・・・!!なんていうんだろ、ロックでいかれてる話ばっかりなのに、全部悲しくて、いやな気分になって目もそむけたくなっちゃうのに、結局見ちゃう、みたいな。 やっぱり表題作が最高です。「泣き死ぬ」って、いい表現だなぁ。ほぼ造語でここまでキャッチーな言葉もないと思います。 全部どこかしら心理的要素がからんできて面白かったです。逆に言うと心理で説明できるものでここまで怪奇的に話を作れるのはすごい。加えてときおり出てくる“説明できないもの”の怖さが引き立つ。 「憑かれたな」はすごく舞台でやりたいですね!最後の笑いまでググッとやりたい。 そんなこと言ってわたしは「キラキラと輝くもの」が好きなんですけどね。 若い人に読んでほしいなぁ。この本はこれからの糧になりました。糸井さんとの会談もおもしろかったー!
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自分の想像をはるかに超えた世界。衝撃的なシーンが脳裏に焼きつきこびりついた。人の悲哀というものが心を静かに流れた。ロッカーでありエッセイストであり、小説家でもある。凄すぎる。
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人生一度は 精神病に なりたいな。 酔う。 この凄絶な この壮絶な 物語に。 せっかく今生きているのだから、 大槻ケンヂにあってみたいな。 よっこの天才といってみたい。 智恵子抄の如く、くるぐる くるぐる…………―――
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どれを取ってもハズレなしの短編集。 中でも「憑かれたな」は、京極夏彦の原形なんじゃないかと勝手に邪推してます(笑)
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