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文明の衝突 の商品レビュー

3.8

41件のお客様レビュー

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2013/02/16

「中国が大国として発展しつづければ、中国を東アジアの覇権国として、アメリカを世界の覇権国として処遇しなければならないという問題にぶつからざるをえない。これをうまくやってのけるかどうかが、東アジアと世界の平和を維持するうえで決定的な要因になるだろう。」(p.4)この本は21世紀型帝...

「中国が大国として発展しつづければ、中国を東アジアの覇権国として、アメリカを世界の覇権国として処遇しなければならないという問題にぶつからざるをえない。これをうまくやってのけるかどうかが、東アジアと世界の平和を維持するうえで決定的な要因になるだろう。」(p.4)この本は21世紀型帝国主義=超帝国主義=国際帝国主義が中型地域帝国主義を媒介とする場合の、日本を取り巻く危険な状況を示唆している。 「人は自分が誰と異なっているかを知ってはじめて、またしばしば自分が誰と敵対しているかを知ってはじめて、自分が何者であるかを知るのである。」(p.23)ゲーテ的な捉え方である。でも異文化との接触による人間発達は、これだけではないはずだ。自己内にアプリオリに内在する異質な自己が他文化との接触によって顕在化するのではないか。それを通じて自己が多分節化し、そのことを通じて多分節化している世界と親和的になるのではないか。

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2012/04/16

帯文:"新世紀の世界秩序を予見した話題騒然のベストセラー!" "今こそ耳を傾けたい偉大なる知性の遺言" "国際政治の世界的権威S・ハンチントンの代表作。21世紀になってもこの衝撃が和らぐことはない!" 目次:第1部 さ...

帯文:"新世紀の世界秩序を予見した話題騒然のベストセラー!" "今こそ耳を傾けたい偉大なる知性の遺言" "国際政治の世界的権威S・ハンチントンの代表作。21世紀になってもこの衝撃が和らぐことはない!" 目次:第1部 さまざまな文明からなる世界、第2部 文明間のバランスのシフト、第3部 文明の秩序の出現、第4部 文明の衝突、第5部 文明の未来

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2013/01/17

  20年くらい前、マツダがフォードの傘下に入る前のことだが、フォードとある販売チャネルのプロジェクトに関して折衝することがあった。その相手側交渉団の中の好敵手がデトロイトから来た女性弁護士。何度が会食をした中で、その彼女、スーザン・ガスパリアンが云うには、彼女の父親はアルメニア...

  20年くらい前、マツダがフォードの傘下に入る前のことだが、フォードとある販売チャネルのプロジェクトに関して折衝することがあった。その相手側交渉団の中の好敵手がデトロイトから来た女性弁護士。何度が会食をした中で、その彼女、スーザン・ガスパリアンが云うには、彼女の父親はアルメニア人だと。そして自分のミドルネームはアレキサンドラだといい、アルメニアに多い名前なのだとも。そのときは、ふ~ん、と思ったくらいで、なんとも感じることはなかった。アルメニアが中央アジアの国だというくらいはかろうじて知っていたくらいで・・・。   ところが、塩野七生さんの「ローマ人の物語」では、アルメニアはローマとパルティァ或いはペルシア(今のイラン)の両勢力に挟まれて、いつも翻弄され従属させられる国として登場した。そして今日読み終えた「文明の衝突」によって知ったのだが、アルメニア(ギリシャ正教)はトルコ(イスラム教)と長い間敵対関係にあり、特に20世紀初頭には、オスマントルコによって数百万人とも云われる大虐殺が行われたのだという。   それで初めて理解できたことなのだが、古代から存在していたアルメニア人はユダヤ人と同じようにディアスポラ(離散者)が世界各国に存在しているということ、特に米国には100万人ものアルメニア人が移住しているのだという。要は弁護士の彼女の父親もディアスポラということなのだ。彼女が何ゆえに父親の祖国の話をしたのかは知らないが、今にして思えば、アルメニアへの理解を求めたかったのか、それとも出自に対する自虐的な意味があったのだろうか。こういう民族・宗教をベースとした文明の違いからくる紛争は、かつては旧ユーゴスラビアで、そして今なお中央アジアやアフリカでは多くの地域で続いているわけで、民族浄化を目指すような激しい戦闘が起きるたびに世界にディアスポラが散ってゆくということなのだろう。知れば知るほどに、現代の紛争のほとんどすべてが文明の違いから起きているということが判ってくる。塩野さんの「十字軍物語」を読んでいると、聖地奪還とはいいながら、キリスト教世界の西欧がイスラムを徹底的に否定しイスラムの撲滅を意図していたかが判る。   高校時代に世界史は随分勉強したつもりだったが、そんなことは正直知らない話だった。我々の学ぶ世界史は欧米の歴史に重点が置かれていて、イスラム世界や中央アジアの歴史など、どれほど取り上げてきただろう。考えてみれば、こういう歴史教育からして欧米志向であり、西欧化がすべてという偏りがベースにあるように思える。かつて一緒に仕事をしたイギリス人の弁護士と話したときも、知っているイギリスのことを話すと、なぜそんなに知っているのだ、と云わんばかりに驚かれたこともあった。勿論、彼は日本のことは歴史も文化もほとんど知らなかったのだが・・・・。   現代においても、我々は欧米から発信される情報を中心に世界を見ているわけで、そこには明らかに偏りがあるということになる。イスラムにはイスラムの大儀、正義がある筈で、それを我々は知ることができないのが現実と云っていいのだろう。我々は所詮、西欧文明の中に生きているわけではない。日本が躍進を続けた時期に欧米から日本異質論が噴出したことは記憶に新しい。日本の文化・文明とは何なのか、日本人とは何なのか、特に中国の力が強くなりつつあるこの時代、改めてよく考えてみる必要がありそうに思われるのだが・・・・。S.ハンチンソンの「文明の衝突」、色々と考えさせられる。

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2012/02/10

多くの人の叩き台になってきた同書。それだけにその論は既視感にあふれていた。 文明と文明の間の断層で争いが起こるとしながら、文明に対して明確に定義を与えていない。そのため不用意に怖がっているだけのようにもみえる。

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2011/12/24

冷戦後の紛争は、異なる文明の接する「文明の断層線」で起こる。 グローバル化がますます進展する今日、世界で起こっているあらゆる紛争は、私たちの生活と無縁ではない。

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2011/10/23

著者の主張: ①総論 文化(文明のアイデンティティ)が重要な意味をもつ。 文化によって冷戦後の統合や衝突は引き起こされている。 文化の違いを無視した、西欧(非イスラム文化、非アジア)による「押し付けられた」価値観は深刻な問題を引き起こす。(著書が発表されたのは911以前!) ②日...

著者の主張: ①総論 文化(文明のアイデンティティ)が重要な意味をもつ。 文化によって冷戦後の統合や衝突は引き起こされている。 文化の違いを無視した、西欧(非イスラム文化、非アジア)による「押し付けられた」価値観は深刻な問題を引き起こす。(著書が発表されたのは911以前!) ②日本について 日本は日本国と日本文明が合致しているため、孤立している。 しかし、そのことは同時に、他の国がもちえない行動の自由をほしいままにできる。 感想: Pending

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2010/05/14

9.11前に購入したけど、まだ読み終わってません…。 いずれ読破してみたい本ですが、なかなか手がつけられません…。

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2010/04/22

前学期の基礎演習で教材として読みました。 難しかった。なかなかページをめくれなかった。 もっと勉強しようと思います。

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2010/01/02

多極化する国際社会の形成理由やその後の展望を見事に論じた書籍。米ソ冷戦の終結や自国の経済的発展がナショナリズムを喚起するという論考は殊に興味深い。

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2009/12/16

今現在の世界情勢を結構な割合で言い当てている点におどろいた。日本はこれからアメリカと手を切り、中国の側に寄って行くというのは、現在の状況下ではかなり現実味を帯びているといえる。

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