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もう、きみには頼まない の商品レビュー

3.9

36件のお客様レビュー

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2020/08/16

高度経済成長のころまでは、こういう人の存在を許容する土壌があった。今は?もしかするとナベツネなんかが最後のそういう人物なのかもしれない。

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2012/06/10

第一生命、東芝社長を歴任。気骨ある財界人の生涯。 日々を楽しむその姿勢は見習うばかり。 とは言いながら印象に残りづらい。 全体の進むべき道を見失わないことが大事。

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2012/03/23

城山三郎による、石坂泰三の生涯を描いた長編小説。 石坂泰三・・・第一生命、東芝社長を歴任後、高度成長期に長年、経団連会長を務め、“日本の陰の総理”、“財界総理”とうたわれた、気骨ある財界人。 もともとは、土光敏夫の本を何冊か読んでいるうちに、 土光氏が影響を受け、色々教えられ...

城山三郎による、石坂泰三の生涯を描いた長編小説。 石坂泰三・・・第一生命、東芝社長を歴任後、高度成長期に長年、経団連会長を務め、“日本の陰の総理”、“財界総理”とうたわれた、気骨ある財界人。 もともとは、土光敏夫の本を何冊か読んでいるうちに、 土光氏が影響を受け、色々教えられた先達として石坂が語られているため、 読んでみた。 土光は、清貧・実直でいくならば、 石坂は、自由奔放・豪放磊落。 しかし、二人揃って、筋を通し、言行一致の人であり、 栄誉や権力・お金を全く求めないところなど、 生き方がとても似ている。 土光との比較で読んでみると、 経営者、あるいは人としての生き方の一つの指標を得られると思われる。 個人的には土光のような聖人的な生き方が好きだが、 石坂は、土光よりも俗っぽい部分があり、 また自身は、自由で縛られるものがないために、生き方に窮屈さが感じられない。 土光が、家に閉じこもって、慎ましく暮らしている一方で、 石坂は、どんどん外出し、ゴルフもする。読書もし、海外旅行もする。 ただ、ともに無私であり、国家大計のために行動し、 また、知的好奇心にいつまでも溢れているところが魅力的である。 更に本書では、雪子夫人に対する石坂の想いが多く書かれている。 次男を戦争で亡くし、また夫人を早くに亡くし、 その二人に対する想いを詩にし、切々と綴られている。 土光の場合でもそうだが、 大業を成し遂げた人には須くその後顧を支える女性や家族がいる。 また、大業を成し遂げる一方で、その人たちに対する愛情がある。 そういう部分についても、改めて気づかせてくれた。 330ページ超とやや長めだが、 石坂の人生について、様々な視点から描かれており、充実感のある読み応えである。 良書。

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2012/01/13

「スケールがでかい!」 石坂泰三を一言で表すとそんな言葉になるだろうが、それだけでもないと思う。勉強家でユーモアがあり、筋を通すことにブレないし、相当の愛妻家でもある。いろいろな側面が奥深く、いろんな色が見えてくる・・・そんな人なのだと思う。つまり、一言では表せない。 城山作品は...

「スケールがでかい!」 石坂泰三を一言で表すとそんな言葉になるだろうが、それだけでもないと思う。勉強家でユーモアがあり、筋を通すことにブレないし、相当の愛妻家でもある。いろいろな側面が奥深く、いろんな色が見えてくる・・・そんな人なのだと思う。つまり、一言では表せない。 城山作品は、さすがに迫力がある。石坂泰三に会ってみたい、ぶつかってみたいと思わせる。城山三郎自身も気骨のある人で、かつ愛妻家・・・著者と主人公が重なって見えてくるのかな。

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2012/01/08

財界総理と言われた石坂泰三氏の生き様。明治生まれの男の魂を感じる一冊。今の日本政府の体たらくを石坂氏が見たら何というのだろう。 あとがきに著者の城山氏がこう記している… 「存在感のある人間が、いま求められている。大不況の壁の前で、揃って足踏みしているのではなく、広い原野へ連れ出し...

財界総理と言われた石坂泰三氏の生き様。明治生まれの男の魂を感じる一冊。今の日本政府の体たらくを石坂氏が見たら何というのだろう。 あとがきに著者の城山氏がこう記している… 「存在感のある人間が、いま求められている。大不況の壁の前で、揃って足踏みしているのではなく、広い原野へ連れ出してくれる大きな人に会ってみたい。王道や大局をつかむ力があり、懐の深い人に…」 ちなみにこの文章は1994年に氏が書いたもの。18年たった今でも、全く以って今の日本人の気持ちを代弁している言葉だと思う。ちなみに大不況という言葉を会社の組織や自分を取り巻く身近なものに置き換えれば、今の自分の生き方と照らし合わせることが出来る。

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2011/08/30

もっと早く生まれたかった。 今の人物の小さい事ったら。。 というのは失礼だが、所詮人間ははかないものと 思い後進を意識した動きをしている公人をあまり 見た事がない。

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2011/08/23

題名に惹かれて手に取った作品。 長期的な視点とブレない基盤。豪快かつ痛快。 人の上に立つ人物として必要なものばかり。 石坂泰三本人をよく知らなかった自分に 尊敬する人物を一人加えてくれた。

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2011/08/04

第一生命社長、東芝社長、経団連会長、大阪万博会長 等 を務め、 財界総理と言われた石坂泰三の生涯。 教養が深すぎる。 英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語ができ、 俳句や短歌にも詳しく(万葉集が愛読書)、 書や焼き物も趣味で、哲学にも精通。 バラエティ番組を見て日本の将来を嘆...

第一生命社長、東芝社長、経団連会長、大阪万博会長 等 を務め、 財界総理と言われた石坂泰三の生涯。 教養が深すぎる。 英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語ができ、 俳句や短歌にも詳しく(万葉集が愛読書)、 書や焼き物も趣味で、哲学にも精通。 バラエティ番組を見て日本の将来を嘆いていたりもしており、 テレビ見て笑ってる場合ではないと反省。 とにかくスケールの大きな人。 高度経済成長期で、のびしろが大きかった時代なので今とは背景が全然違うとは思うが。 部下で、朝7時から出勤し、夜7~8時まで働き、土日も休んだことがない、という人が出てきた… 働き過ぎでしょ…

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2011/07/03

こんなに人間的に魅力的であったとは。 ・それがしの1日を過ごす 食事ひとつとっても ・死後愛妻家 感情を隠さない ・交友関係 がっぷり四つに組むから得られる

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2012/09/21

第一生命、東芝の社長を歴任し、6期12年(昭和31年~43年)にわたり経団連会長を務めてきた「財界総理」と言われた石坂泰三の伝記小説である。本書を手に取ったきっかけは、先月読了した同じく城山三郎氏の作品「粗にして野だが卑ではない」にその主人公:石田禮助の旧友(アメリカへ向かう船で...

第一生命、東芝の社長を歴任し、6期12年(昭和31年~43年)にわたり経団連会長を務めてきた「財界総理」と言われた石坂泰三の伝記小説である。本書を手に取ったきっかけは、先月読了した同じく城山三郎氏の作品「粗にして野だが卑ではない」にその主人公:石田禮助の旧友(アメリカへ向かう船で同室。石坂は第一生命職員として外遊、石田はシアトル支店長として赴任)として登場したためである。あの石田禮助の友人であれば、石坂泰三もまたスケールの大きい人物であろうと考えたためだ。読んでみると予想通り。石田禮助に負けるとも劣らぬ個性。明治生まれの頑固な親父といった感じであった。 石田禮助もそうであるが、石坂泰三の様々なエピソードは読んでいて面白いものの、私とは住む世界が違う方々である。何しろ歩む道程が違う。石坂泰三の場合は、東大卒業後、キャリア官僚として逓信省へ入省、退官後、29歳の若さで役員待遇で第一生命へ入社、順調に代表取締役社長まで昇進し、退社後は東芝会長に就任、そして先に述べたように12年にもわたり経団連会長を歴任し、79歳で大阪万国博覧会協会会長も務めるという凄すぎる履歴。本書によれば、吉田茂首相(当時)に大蔵大臣就任を打診されて断ったとのこと。 ここまでいくと、私も頑張ってこの偉人にあやかろうというのでなく、お手上げ状態で単純な見世物として読むほかない。 ちなみに、題名の「もう、きみには頼まない」という言葉は、経団連会長の立場で、国有地払い下げ申請に関して水田三喜男大蔵大臣(当時)に雷を落としたというものである。当初、私が本書を手に取ったとき、「出来の悪い部下にでもどなりつけたのだろうか」くらいに思っていたのだが。スケールが違いすぎる。ただのお偉いさんかと思えばそうではなく、オヤジギャグ(内科という診療科目は、人の身体に聴診器を当てて、ああじゃないか、こうじゃないかっていうから、内科というんだ)連発のお茶目な面も憎めない。 石坂泰三は昭和50年に88歳で亡くなっており、私も本書で初めてその名を知ったのだが、このような偉大なお方に一度でいいからお目にかかりたかった。 本書ではスケールの大き過ぎる話ばかりであったが、私が身近に感じたフレーズを3点紹介したい。 「保険ぐらい学問の対象としていいものはない。医学から数学から法律から経済から、すべて関係している。研究の対象として立派なもので、大いに勉強して、きっと博士号をとってみせるから」 → キャリア官僚から第一生命に転職する際に妻にふるった熱弁である。後年、石坂は本当に博士号を取得することになる。私の勤務先も保険関係の仕事をしているが、こうした捉え方で見るのも悪くない。 「時に及んで仕事に勉励、時に及んで行楽もよし。何を見ても興味が湧くようでなければ、仕事もだめだ」 → 誰に対しての発言かは掲載されていないが、おそらく部下や息子に対してのものだと思われる。好奇心旺盛でなければ大成しないということである。これは私も普段の生活で心がけていることだ。 「鈴木君をぼくの分身と思って欲しい。鈴木君の言ったことは僕の言ったことだ。しかし何か事があった時、責任があるのはこの石坂だ。そこを間違えないで欲しい」 → 大阪万国博覧会協会会長就任後、記者会見で放った言葉。鈴木君というのは部下である事務総長。この言葉こそ上司の鑑。部下に全幅の信頼を置き、責任は自分で取るという潔さ。そういえば、このようなくだりは「坂の上の雲」にもあった。

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