ポケット詩集 の商品レビュー
昨今「ポエム」という言葉は、きれいごとを揶揄するような意味で使用されている向きもあるようだが、ポエム=詩という形式には、巧まずして獲得された言葉のハッと胸を突かれるような力が籠められていて、そんな揶揄などとはまったく次元が違うものなのだということを、この詩集であらためて確認するこ...
昨今「ポエム」という言葉は、きれいごとを揶揄するような意味で使用されている向きもあるようだが、ポエム=詩という形式には、巧まずして獲得された言葉のハッと胸を突かれるような力が籠められていて、そんな揶揄などとはまったく次元が違うものなのだということを、この詩集であらためて確認することができるのである。
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聴く力 表札 わたしを束ねないで 死んだ男の残したものは 自分の感受性くらい 久しぶりに本棚から引っ張り出し読んだ詩集。 短い言葉、文章の中に想いと思いが載せられ行間までもが作品の一部になっているこの感じ。 読み終わったあと頭を殴られたような、気づかされたような感覚になれる。...
聴く力 表札 わたしを束ねないで 死んだ男の残したものは 自分の感受性くらい 久しぶりに本棚から引っ張り出し読んだ詩集。 短い言葉、文章の中に想いと思いが載せられ行間までもが作品の一部になっているこの感じ。 読み終わったあと頭を殴られたような、気づかされたような感覚になれる。 以前読んだ時には響かなかった部分に響いたり、刺さっていたものが刺さらなくなっていたり、良くも悪くも変化を感じた。 変化を楽しみつつ何度も何度も読み返して、しっかり自分の中に落とし込んでいこう。
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詩 をじっくり読むことは今までなかった のですが、 この本と出会って、詩の良さに気づきました。 心にスッと入ってくる感じが何とも言えません。 とても好きです。 これからも心を休めたい時などに、 ゆっくり読み返そうと思う、そんな本でした。
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「ポケット詩集」 (株)童話屋 1998 11/3 初版発行 2000 8/4 第13刷 哀しくてツラい物語に疲れたぼくに 読書部メンバーが貸してくださった。 言葉の持つチカラを改めて感じます。 一言一言に想いのこもった葉に 心がざわざわと揺れキュッと収縮する瞬間。 やっ...
「ポケット詩集」 (株)童話屋 1998 11/3 初版発行 2000 8/4 第13刷 哀しくてツラい物語に疲れたぼくに 読書部メンバーが貸してくださった。 言葉の持つチカラを改めて感じます。 一言一言に想いのこもった葉に 心がざわざわと揺れキュッと収縮する瞬間。 やっぱり読書は良いよね。
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日本の著名な27人による33の詩を集めたアンソロジー。全160ページ。文庫本サイズですが、単行本なみの装幀と紙質で、価格も単行本なみです。ところどころシンプルな挿画のみのページが差し込まれています。 書店で面陳列されているのを見かけて、前に本書の熱心な愛読者から薦められたことを...
日本の著名な27人による33の詩を集めたアンソロジー。全160ページ。文庫本サイズですが、単行本なみの装幀と紙質で、価格も単行本なみです。ところどころシンプルな挿画のみのページが差し込まれています。 書店で面陳列されているのを見かけて、前に本書の熱心な愛読者から薦められたことを思い出しました。ページを少しめくってみると、編者の田中和雄氏による前書きの最後に、「この詩集を、ほんとうの子どもたちと、子どもの心を持った大人たちに捧げます」とあります。普段あまり詩を読むことがない自分ですが、収められた詩が心に響くのだろうかと気になりました。改めて手に取ってみると、本の可愛さから所有したい気持ちもおこり、購入してみることにしました。読後感は、帯にある「よい詩はまっすぐ心に届くんです。」という言葉と重なりました。いくつか気に入ったフレーズを残そうかと思いましたが、抜き書きしてみると印象が変わったため、やめました。以下は目次と同様、掲載されている詩のタイトルと作者を列挙します。 「雨ニモマケズ」宮沢賢治/「聴く力」茨木のり子/「くまさん」まど・みちお/「学校」辻征夫/「虫の夢」大岡信/「I was born」吉野弘/「系図」三木卓/「ぼくが ここに」まど・みちお/「秋の夜の会話」草野心平/「練習問題」阪田寛夫/「あいたくて」工藤直子/「さくらのはなびら」まど・みちお/「表札」石垣りん/「言葉のダシのとりかた」長田弘/「南の絵本」岸田衿子/「便所掃除」濱口國雄/「求婚の広告」山之口貘/「汲む」茨木のり子/「なのだソング」井上ひさし/「鳩」高橋睦郎/「祝婚歌」吉野弘/「伝説」会田綱雄/「わたしを束ねないで」新川和江/「世界は一冊の本」長田弘/「ゆずりは」河井醉茗/「峠」真壁仁/「生ましめんかな」栗原貞子/「君死にたもうことなかれ」与謝野晶子/「死んだ男の残したものは」谷川俊太郎/「なぜ」川崎洋/「ぼろぼろな駝鳥」高村光太郎/「奴隷根性の唄」金子光晴/「自分の感受性くらい」茨木のり子 複数収録されているのは、茨木のり子、まど・みちお、長田弘、吉野弘です。 今回とくに心に残ったのは、「秋の夜の会話」「なのだソング」「祝婚歌」「ぼろぼろな駝鳥」などです。
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この詩集の中には、田中和雄氏が編集した、27人の詩人が書いた、33の詩、田中氏が、まえがき で書かれているとおり、とびきり上等のいい詩が載せられています。 宮沢賢治、茨木のり子、まど・みちお、大岡信、吉野弘、三木卓、草野心平、工藤直子、石垣りん、長田弘、岸田衿子、濱口國雄、山之口...
この詩集の中には、田中和雄氏が編集した、27人の詩人が書いた、33の詩、田中氏が、まえがき で書かれているとおり、とびきり上等のいい詩が載せられています。 宮沢賢治、茨木のり子、まど・みちお、大岡信、吉野弘、三木卓、草野心平、工藤直子、石垣りん、長田弘、岸田衿子、濱口國雄、山之口貘、高橋睦雄、新川和江、与謝野晶子、谷川俊太郎、高村光太郎、金子光晴、などなどの、そうそうたる詩人達の、名詩達の中で、1つ、お気に入りの詩を、上げるとしたら、 なのだソング 井上ひさし 雄々しくネコは生きるのだ 尾をふるのはもうやめなのだ 失敗おそれてならぬのだ 尻尾を振ってはならぬのだ 女々しくあってはならぬのだ お目々を高く上げるのだ 凛とネコは暮らすのだ リンと鳴る鈴は外すのだ 獅子を手本に進むのだ シッシと追われちゃならぬのだ お恵みなんぞは受けぬのだ 腕組みをしてそっぽ向くのだ サンマのひらきがなんなのだ サンマばかりがマンマじゃないのだ のだのだのだともそうなのだ それは断然そうなのだ 雄々しくネコは生きるのだ ひとりでネコは生きるのだ 激しくネコは生きるのだ 堂々ネコは生きるのだ きりりとネコは生きるのだ なんとかかんとか生きるのだ どうやらこうやら生きるのだ しょうこりもなく生きるのだ 出たとこ勝負で生きるのだ ちゃっかりぬけぬけ生きるのだ 破れかぶれで生きるのだ いけしゃあしゃあと生きるのだ めったやたらに生きるのだ 決して死んではならぬのだ のだのだのだともそうなのだ それは断然そうなのだ 、、、ネコ愛が、炸裂してしまいました。
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だが、間違えてはいけない。他人の言葉はダシには使えない。いつでも自分の言葉を使わねばならない パサパサに乾いてゆく心を 人のせいにはするな 自ら水をやりを怠っておいて 初心消えかかるを 暮らしのせいにはするな そもそもが、ひ弱な志に過ぎなかった
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「最良の言葉を最良の形で」という思いのもとに編まれたのだろう、ということがこの本の佇まいからもとても伝わってきます。 電子書籍だったら、きっとこの本の魅力の半分も伝わらないのではないでしょうか。 個人的に特に心を掴まれたのは、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」です。1977...
「最良の言葉を最良の形で」という思いのもとに編まれたのだろう、ということがこの本の佇まいからもとても伝わってきます。 電子書籍だったら、きっとこの本の魅力の半分も伝わらないのではないでしょうか。 個人的に特に心を掴まれたのは、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」です。1977年からまるで現代の世界を見通して書かれたのでは無いか、というくらい普遍的な強度を持っていると思います。 『ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて』 で始まる一編は、つい誰かのせいにしたり、責めてしまいがちな今を生きる自分たちこそ読むべき詩だと思います。
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ほんとうの子どもたちと 子どもの心を持った大人たちに捧げられた詩集。 真実にたどりつけるように 生きていてよかったと思えるように編まれている。 詩を読むということは美しいとものに触れると同時に 自分に意識を向ける行為なのだとおもう。 一編の詩を読む数十秒の間に 心を平静にするこ...
ほんとうの子どもたちと 子どもの心を持った大人たちに捧げられた詩集。 真実にたどりつけるように 生きていてよかったと思えるように編まれている。 詩を読むということは美しいとものに触れると同時に 自分に意識を向ける行為なのだとおもう。 一編の詩を読む数十秒の間に 心を平静にすることができる。 まるでマインドフルネス。 こういったアンソロジーであれば 人生の広範囲の場面をカバーしていて重宝しそうだ。
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