男と女の家 の商品レビュー
物書きではない、他の分野のプロのエッセイというのは、ぼくらの知らない、その世界ならではの臨場感や迫力に醍醐味があるわけだが、そういうものをあまり感じなかった。 講演が元になっているのだろうか、語りかける口調の文章はわかりやすいけれど、素人に優しく教えてあげましょうという上から目線...
物書きではない、他の分野のプロのエッセイというのは、ぼくらの知らない、その世界ならではの臨場感や迫力に醍醐味があるわけだが、そういうものをあまり感じなかった。 講演が元になっているのだろうか、語りかける口調の文章はわかりやすいけれど、素人に優しく教えてあげましょうという上から目線でなんか素直に読めない。こうあるべき、外国ではどうこう、という挿話も多く、なんだか戦後すぐくらいの、ずいぶん古い本を読んでいる感覚だった。1998年の出版なんだけれど。
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建築関係者には著名な本である。 古典というには新しいけれど、押えておきたい話がいっぱい。 「家」におさまると、「男と女」ではなくて「お父さんとお母さん」になってしまう。 セックスの話をする建築家は少ない。本書が出版された1998年と今とを比べると、新築住宅の取得者は確実に少...
建築関係者には著名な本である。 古典というには新しいけれど、押えておきたい話がいっぱい。 「家」におさまると、「男と女」ではなくて「お父さんとお母さん」になってしまう。 セックスの話をする建築家は少ない。本書が出版された1998年と今とを比べると、新築住宅の取得者は確実に少なくなっているから、「家でそういうことをする」であろう年齢により近づいているはずだけれど、社会的にそういう実感も少ない。 周囲に聞くと、やっぱり現在でも、プラン作りにおいてセックスの話を堂々とするケースは少ないようだ。寝室が大事、なんていう抽象的な表現になってしまう。激しいほうですか、なんていう質問をして、防音や配置を考える、ということにはなかなかならないから、さりげなく聞いてさりげなく配慮する。 ところが、日本から離れてみれば、ことは大きく変わったりもするらしい。イヌイットのイグルーでは、プライバシーもへったくれもないワンルーム。そこでは、家族が「見ててあげるからしなさい」という暖かみ。蒙古のパオでも同じようなものかもしれません、と著者は書いているが、何かで読んだけれど、パオは内部がプライベート空間であり、そういうことは外でするのだ、とか。 というような情報が、日本の住宅には全然ない。なぜか。本当にそういうことが全然ない、ということも大きいようだ。そうではなくて言い出せないだけ、という不幸な例もあるらしい。 日本の「和歌」は、男女が「和む」、つまりことに至るための歌である、という説もある。そういう国だった日本が、どうしてこうもセックスのことを隠してしまうようになったのか。戦後の「洋風住宅」によるところも大きいだろう。 1998年は近い過去であるけれど、その後「おひとりさま」やシェアハウスなど、家が男と女のものばかりでないケースが増えてきた。あんたらセックスどうしてるの、とは、僕は聞けない。空気を読まないといけないのだとしたら、それはそれで、日本的であるなあ。
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この著者の書くものは、デザインや収納などに過度にこだわる現代の家の幼稚さを主張するが、とどのつまりは「戦後」の女性の価値観が「家」を支配したという謂に他ならない。もはや男には居場所は無く、「会社」が右肩上がりの時代には居場所はあったが、平成不況を迎えた今、男たちには帰る場所などな...
この著者の書くものは、デザインや収納などに過度にこだわる現代の家の幼稚さを主張するが、とどのつまりは「戦後」の女性の価値観が「家」を支配したという謂に他ならない。もはや男には居場所は無く、「会社」が右肩上がりの時代には居場所はあったが、平成不況を迎えた今、男たちには帰る場所などない。結局は女について行って、大型のショッピングモールで子供と遊び、荷物を運ばされ、ファストフードを食い、洗濯も掃除もするという隷属だけが待っているということだ。著者が「男たちよ家に帰れ」という意味はそういうマイホーム主義のことではない、自身の家を自身が作り守り育むということをなめるなということだ。会社主義と武士道の残滓が歪に結束した戦後ビジネス文明が、いったい何をもたらせたのかをよくよく考えさせられる好著。
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この人の設計する家には、ちゃんと男と女がいて、ちゃんと暮らしている。 料理をしたことがない人が設計する台所、ではない。 毎日料理をする、毎日洗濯をする、毎日食べてくつろいでケンカして出掛けて帰る、そういうことがちゃんと織り込まれている。
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「人間も含めて動物は、子供を育てるために巣を作る。~動物たちにとって巣は、子供を育て、それが終わったら要らないもの、つまり子供を育てるためだけに巣はあるというのです」
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■この本を知ったきっかけ Amazonでみつけて。 ■読もうと思ったわけ 以前から著者の作品を読んでみたくて。
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内容(「BOOK」データベースより) 戦後、加速度的に“メス化”した住宅の病とは?住宅の出来によって親子関係、夫婦関係も変化する?男と女の目からウロコが落ちる、住宅設計の深き知恵。 内容(「MARC」データベースより) 男はどのように住まいと関わり、...
内容(「BOOK」データベースより) 戦後、加速度的に“メス化”した住宅の病とは?住宅の出来によって親子関係、夫婦関係も変化する?男と女の目からウロコが落ちる、住宅設計の深き知恵。 内容(「MARC」データベースより) 男はどのように住まいと関わり、女は何にこだわるのか。家の意味、機能を改めて考え直し、親子、夫婦関係まで言及して本当に暮らしやすい家を建てる智恵を考察する。〈ソフトカバー〉
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晩年(と言っても若いか・・)の宮脇さんの文章。 だいぶ冊数重ねて来たので、主張したいことが掴めてきた・・気がする。 ただ「かわいい」という直感だけで部屋にモノを買ってくる主婦たち、とは、なんて愚かな・・と、こういう本を読んでは考えさせられてるはずなのに、一目惚れには抗いがたくて...
晩年(と言っても若いか・・)の宮脇さんの文章。 だいぶ冊数重ねて来たので、主張したいことが掴めてきた・・気がする。 ただ「かわいい」という直感だけで部屋にモノを買ってくる主婦たち、とは、なんて愚かな・・と、こういう本を読んでは考えさせられてるはずなのに、一目惚れには抗いがたくて、やっぱりかわいいモノを買ってしまう私もばか女だー。
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おそらく、宮脇さん最後の作品。 だからかはわかりませんが、 今までタブーかの如く扱われなかった 性的な話題に対しても、 かなり具体的に語られています。 それ以外にも、 「家」とは何か、という根本的な事を、 少し時代は古いにしても、 興味深く観察されており、 それを真面目に考えさせ...
おそらく、宮脇さん最後の作品。 だからかはわかりませんが、 今までタブーかの如く扱われなかった 性的な話題に対しても、 かなり具体的に語られています。 それ以外にも、 「家」とは何か、という根本的な事を、 少し時代は古いにしても、 興味深く観察されており、 それを真面目に考えさせられる1冊。 でも、専門書を無理やり読むような苦痛は無く、 話があまりにも具体的なために、 電車の中で笑いをこらえたりする事もあった。
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ずっと前に読んで、読みやすさと面白さに ウンウンと唸った記憶がありました。 その後、引っ越しのタイミングでなくしてしまい どうしてもまた読んでみたくなって、もう1冊買ったら 最初の1冊がヒョッコリ出てきたので、今は本棚に2冊並んでいます。
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