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短歌パラダイス の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2023/06/29

30年近く前ですが、1996年の3月に熱海で行われた、歌人20名による歌合せの記録です。 判者は高橋睦郎さん。 プレーヤーを方人(かたうど)と呼び、弁護人を念人(おもいびと)と呼びます。 参加者は、岡井隆、奥村晃作、三枝昴之、河野裕子、小池光、永田和弘、道浦母都子、井辻朱美...

30年近く前ですが、1996年の3月に熱海で行われた、歌人20名による歌合せの記録です。 判者は高橋睦郎さん。 プレーヤーを方人(かたうど)と呼び、弁護人を念人(おもいびと)と呼びます。 参加者は、岡井隆、奥村晃作、三枝昴之、河野裕子、小池光、永田和弘、道浦母都子、井辻朱美、大滝和子、加藤治郎、水原紫苑、田中槐、荻原裕幸、俵万智、穂村弘、東直子、紀野恵、杉山美紀、吉川宏志、梅内美華子の各氏。 一日目は二グループ、紫チームと紅チームにわかれ、二日目は三グループ、一郎次郎チーム、七福猫チーム、ぐるぐるチームにわかれて、歌合せをしました。 弁護人の念人(おもいびと)が味方の援護射撃で真剣に相手方をけなし、味方を褒める様子が最初こそ、なんかかんじ悪~いと思いましたが、読んでいくうちに大変面白くなり失礼ですがかなり笑えました。 あのしとやかそうな、東直子さんが「こんなの歌じゃない!」なんておっしゃったり、荻原さんとかも結構、辛辣な批判をされていました。 1996年当時、短歌にせよ俳句にせよ、創作する側の論理だけが大手を振ってまかり通り、鑑賞する側の論理はほとんど顧みられなくなっていたと、著者の小林恭二さんは書かれています。 初日の歌合せ中でもっとも熱戦だったとされる「ねたまし」という題に沿ったお二人の歌。 紫 ○「妻」という安易ねたまし春の日のたとえば墓参に連れ添うことの     俵万智 紅 ○傾けむ国々ある人ぞ妬ましく姫帝(ひめみかど)によ柑子(かうじ)差し上ぐ    紀野恵 ※この勝負は紅チームの勝利。 二日目に最高のゲームといわれた「芽」に寄せられた歌。 一郎次郎チーム ○幾千の種子の眠りを覚まされて発芽してゆく我の肉体           (俵万智) 七福猫チーム ○約束は三時でしたね微熱もつ発芽月(ジエルミナール)のきみの叛乱     (田中槐) ぐるぐるチーム ○家々に釘の芽しずみ神御衣(かむみそ)のごとくひろがる桜花かな        (大滝和子) ※この勝負はぐるぐるチームの勝利でした。

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2021/12/03

古本屋で引いた大当たり新書! 小林さんの解説が易しくも簡単には読ませないぞという感じ、すごく楽しかったです。 短歌は昔の文芸で難しくて高尚でナンタラカンタラと思ってた(そもそも五七五七七くらいしか知らない)けど、最終的には宇宙的でカッコイー!にまでなった! 素敵な文化と良い出会い...

古本屋で引いた大当たり新書! 小林さんの解説が易しくも簡単には読ませないぞという感じ、すごく楽しかったです。 短歌は昔の文芸で難しくて高尚でナンタラカンタラと思ってた(そもそも五七五七七くらいしか知らない)けど、最終的には宇宙的でカッコイー!にまでなった! 素敵な文化と良い出会い方をしたナ、、、

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2020/02/23

20人の現代歌人が二手に分かれ短歌の優劣を競い合う歌合の模様を描いたノンフィクション。繰り出される短歌への白熱した毀誉褒貶は、料理バトル漫画のあの調子で、血湧き肉躍る。歌が分からずとも十分に楽しめる、極上の知的エンターテインメント作品だと思います。

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2020/01/05

参加者:井辻朱美・梅内美華子・大滝和子・岡井隆・荻原裕幸・奥村晃作・加藤治郎・河野裕子・紀野恵・小池光・杉山美紀・田中槐・俵万智・永田和宏・東直子・穂村弘・水原紫苑・道浦母都子・吉川宏志

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2019/02/11

最強の歌人10人が結集した歌合の記録。歌の素晴らしさはもちろんだが、弁護や批評も含めた遊びとしての歌合が楽しい。自分もやってみたくなった。ちなみに、私のお気に入りの歌は、「『妻』という安易ねたまし春の日のたとえば墓参に連れ添うことの」(俵万智)、「家々に釘の芽しずみ神御衣(かむみ...

最強の歌人10人が結集した歌合の記録。歌の素晴らしさはもちろんだが、弁護や批評も含めた遊びとしての歌合が楽しい。自分もやってみたくなった。ちなみに、私のお気に入りの歌は、「『妻』という安易ねたまし春の日のたとえば墓参に連れ添うことの」(俵万智)、「家々に釘の芽しずみ神御衣(かむみそ)のごとくひろがる桜花かな」(大滝和子)

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2018/09/05

短歌と短歌が1対1で優劣をきそいあう伝統の競技「歌合」(うたあわせ).この古式ゆかしい遊びを現代によみがえらせるべく,男女20人の歌人が一堂に会した.甘やかな春の伊豆を舞台に,大ベテランから気鋭の若手まで,いずれ劣らぬ実力派の歌よみが真剣勝負に秘術をつくす.華やぎと愉楽に満ちた歌...

短歌と短歌が1対1で優劣をきそいあう伝統の競技「歌合」(うたあわせ).この古式ゆかしい遊びを現代によみがえらせるべく,男女20人の歌人が一堂に会した.甘やかな春の伊豆を舞台に,大ベテランから気鋭の若手まで,いずれ劣らぬ実力派の歌よみが真剣勝負に秘術をつくす.華やぎと愉楽に満ちた歌合戦の勝敗のゆくえはいずこ?(アマゾン紹介文) 面白かった! 吉野朔美さんの本で絶賛されており、いつかは短歌俳句も…と考えていたので読んでみたのですが、単語やイメージ、文脈やテンポなど、様々な側面があるんだなぁと感心いたしました。 ただ、いわゆる指南書ではないので、素人にとってはあくまで雰囲気を楽しむだけになってしまうのが少し残念です。 もうなんぼか齧って、改めて読むと、また違った味になるんだろうなと思わせてくれる一冊でした。

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2015/04/11

再読。 現代に蘇った「歌合せ」を記録した1冊。 当代きっての名歌人を集め、1泊2日の泊まり込みで行われた。(1996年の話だけど・・・) なかなか斬新というか、難解な歌が多い。 解説がつくので、それを読んで「そういう意味なのか」と思う。

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2015/03/05

☆2 水無瀬 内輪ノリを差し引けば興趣ある歌会の記録。穂村弘の批評がきれっきれでべらぼうに面白い。切り取る視点の特異さが鮮烈。

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2013/12/01

すごくおもしろく、そして「入門書」という評判にもかかわらず「ショートソング」から短歌にはいった私にはむつかしく、短歌といっても、まったくちがうものを読んでいる気がしました。 穂村弘の解釈が目をみはるほど楽しかったり教科書のイメージしかなかった俵万智が強烈だったりして心踊る読書中。

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2013/07/03

家人を集めての歌合わせを、裏方側から書いた本。 歌、筆者の解説、場での批評の順番は読みやすく、引き込まれる。一日目の批評がとても機械的であり、表面上で敷かないことがよくわかる。 歌合って個人よりもチーム戦での方が面白いのね。こことしては申し分のない歌人たちがチームになると力を発揮...

家人を集めての歌合わせを、裏方側から書いた本。 歌、筆者の解説、場での批評の順番は読みやすく、引き込まれる。一日目の批評がとても機械的であり、表面上で敷かないことがよくわかる。 歌合って個人よりもチーム戦での方が面白いのね。こことしては申し分のない歌人たちがチームになると力を発揮できなかったり。逆に素人の方がうまいのを作ったり、歌合をしたくなりました。 作者の描写もうるさくなく、歌とあっていてよかった。

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