マーチ博士の四人の息子 の商品レビュー
読むきっかけ・期待:アゴタ・クリストフ絶賛というあおりに乗って。 感想:ヒントが少なすぎて推理を楽しむのには物足りませんが、交互にはさまれる日記形式が秀逸で、最後までハラハラ楽しめます。
Posted by
マーチ博士の家で家政婦をしているジニーは、ある時殺人者の日記をみつける。 その人物は自分は四つ子の一人だといい、殺人の経過を書き綴る。 ジニーは犯人を見つけようと探すが、明確な手掛かりは何もない。 そのうち、犯人に日記を見られていることがばれてしまう。 犯人の日記とジニーの日...
マーチ博士の家で家政婦をしているジニーは、ある時殺人者の日記をみつける。 その人物は自分は四つ子の一人だといい、殺人の経過を書き綴る。 ジニーは犯人を見つけようと探すが、明確な手掛かりは何もない。 そのうち、犯人に日記を見られていることがばれてしまう。 犯人の日記とジニーの日記が順番になって、物語が進んでゆく。 犯人は誰なのか。ジニーの命は無事なのか。 戦慄のラストまで一気に読んでしまう、スリルたっぷりの本格ミステリー。
Posted by
ぼくがワンピースに火をつけると,女の子は悲鳴を上げた。それから,燃えた。ぼくは彼女がすっかり燃え尽きるまで見ていた。その子の体全体がふくれ上がって,両方の目玉が顔から飛び出していた。ぼくは今でもよーく憶えている。あのときのぼくは,まだほんのガキだったんだけどね。だって,ぼくは昔...
ぼくがワンピースに火をつけると,女の子は悲鳴を上げた。それから,燃えた。ぼくは彼女がすっかり燃え尽きるまで見ていた。その子の体全体がふくれ上がって,両方の目玉が顔から飛び出していた。ぼくは今でもよーく憶えている。あのときのぼくは,まだほんのガキだったんだけどね。だって,ぼくは昔から,すごく記憶力がいいんだ。 彼女が燃えていくのを,ぼくは気持ちよく見ていた。放っておけば彼女が死ぬことをぼくは知っていた。ぼくはあれが好きだった。今でも好きだ。好きなんだ,殺すことが。死なせることが。 (本文p.8)
Posted by
マーチ家に住み込みで働くメイドのジニーはある日恐ろしい日記を見つけてしまう。その日記の中には、書き手が殺人に快楽を覚える人間であること、今までも犯人と気付かれずに殺人を繰り返してきたことが綴られていた。そして更にその「殺人者」は言う。自分はマーチ博士の4つ子の青年の一人であると。...
マーチ家に住み込みで働くメイドのジニーはある日恐ろしい日記を見つけてしまう。その日記の中には、書き手が殺人に快楽を覚える人間であること、今までも犯人と気付かれずに殺人を繰り返してきたことが綴られていた。そして更にその「殺人者」は言う。自分はマーチ博士の4つ子の青年の一人であると。 ジニーと殺人者以外の人物は印象が薄く、記号化していたのは残念だ。また、冷静に読むとつっこみ所は沢山ある。ただそれでも次々とページを繰らせるのは作者の力量だろう。 「殺人者」に関する情報の提示がフェアではないので、真っ当に謎を解きたい方にはお薦めしないが、サスペンスとして十分楽しめた。
Posted by
ジニーの日記と殺人者の日記が交差しあう。その後の展開が気になってハラハラする。落ちはありきたりだったけど、面白かった。
Posted by
ヒロインと犯人の交換日記のようなスタイルで展開されるフレンチ・ミステリ。リズムよく読みやすいので、繰り返し読んでいます。原書(フランス語)でも読んでみたいなぁ、と洋書コーナをぶらつく日々。
Posted by