レディ・ジョーカー(上) の商品レビュー
企業恐喝をテーマに「人間」を描いた傑作。 上・下巻、おまけに各ページ(イントロは違ったような気がしますが)上・下段あるという恐ろしいボリュームの小説ですが全く苦になりません。 当時の編集者にグリコ・森永事件関係の担当者がいた事もこの小説を書くきっかけになったそうです。犯行の手口...
企業恐喝をテーマに「人間」を描いた傑作。 上・下巻、おまけに各ページ(イントロは違ったような気がしますが)上・下段あるという恐ろしいボリュームの小説ですが全く苦になりません。 当時の編集者にグリコ・森永事件関係の担当者がいた事もこの小説を書くきっかけになったそうです。犯行の手口等は実際の事件の手口をなぞったものになっています。 そのあたりがあまりにリアルに描かれているため作者は実は実行犯の関係者ではないだろうかと思えてきます。企業恐喝をテーマにしたサスペンス小説なのですがその他にも部落問題や警察組織内の軋轢やその他もろもろのサブテーマ(決して軽くはない)を描いています。非常に重たいテーマを一気に読ませる筆力はさすがです。
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初高村薫本。きっかけは不明。このあと高村本を読み漁る。 この人の本がミステリーに分類されているのが不思議だ。単純な謎解き話じゃないのに。。。 人それぞれ皆んなが抱える事情。
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代表作の1つ。 グリコ森永事件を思わせる社長脅迫事件の真相は… 脅迫する側の一味も人間味溢れています。 合田と義兄の加納との間にもある結末が?
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高村薫は、どうしてこんなに世の中を細密に描けるのかなぁ。 警察、大企業、町工場、競馬場、新聞社、株屋。 これだけのものを、どれも手を抜かずにきちんと描ききっているところが、 ただの警察系経済小説で終わらない作者の凄さなんだと思った。 今回は、マークスに比べて若干読みにくかった...
高村薫は、どうしてこんなに世の中を細密に描けるのかなぁ。 警察、大企業、町工場、競馬場、新聞社、株屋。 これだけのものを、どれも手を抜かずにきちんと描ききっているところが、 ただの警察系経済小説で終わらない作者の凄さなんだと思った。 今回は、マークスに比べて若干読みにくかったけど、読み応えは十分でした。
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合田雄一郎シリーズ三作目。分厚い上下巻で二段組なので、読了までに結構時間をとられましたが、大満足でした!! 毎度のことながら、男たちの働く現場を、よくここまで詳細にリアルに描けるものだなぁと、高村さんの取材力に驚かされます。 今回は警察以外に、国内最大手ビールメーカーと、新聞社...
合田雄一郎シリーズ三作目。分厚い上下巻で二段組なので、読了までに結構時間をとられましたが、大満足でした!! 毎度のことながら、男たちの働く現場を、よくここまで詳細にリアルに描けるものだなぁと、高村さんの取材力に驚かされます。 今回は警察以外に、国内最大手ビールメーカーと、新聞社が主な戦場になっています。 上巻途中まで、犯人グループが、どう集い、どう計画を立てるか、一人の老人の視線を中心に描かれていきます。 その後は、誘拐・解放され、裏取引に応じるよう脅迫を受ける社長、蒲田署に移動になった合田雄一郎刑事、事件を追う新聞社の根来記者の3人の視点で物語が進みます。 企業への脅迫は、応じても拒否をしても大きなリスクを負わざるを得ません。 その現場での役員たちの葛藤が、緻密に語られています。 もちろん、合田と義兄・加納との仲もかなり進展(?)して、重苦しい事件の合間合間に加納が出てくるとほっと癒されます。
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あの「怪人21面相」が登場する「グリコ・森永事件」に想を得て描かれた長大小説。 膨大な取材に基づいて描かれた本作は、事件に関する本等を読み込んだ人々にとっては驚愕の連続かもしれない。 小説の姿を借りながらも読後リアルな怖さがなかなか抜けなかった・・・
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寡作な作家である高村の最高傑作にして日本探偵小説の最高峰だと思う。 果たして高村はこれ以上の探偵小説をこの先、書くことができるのだろうか それほどこの小説は完成されているとおもう。 エスプリの効いた表題を、読み返すたびに、この小説に仕掛けられた作者の読者に向けてのトリップを...
寡作な作家である高村の最高傑作にして日本探偵小説の最高峰だと思う。 果たして高村はこれ以上の探偵小説をこの先、書くことができるのだろうか それほどこの小説は完成されているとおもう。 エスプリの効いた表題を、読み返すたびに、この小説に仕掛けられた作者の読者に向けてのトリップを 思わずにはいられない。
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グリコ事件云々と言われますが、この内容はそんな揶揄抜きで面白い。 高村作品の人間の感情を描写する面白さが、凝縮されている。
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合田と加納が出てくるシリーズの完結編でしょうか? 彼らの関係性が明確に表現されている回かも。 ちょっと感極まりました、終盤の勢いに。 呑み込まれます、それぐらい力のある作品だと思います。
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0809_三田図書館で借りました。 久々にこれだけ文字ぎっしり・登場人物たっぷりの本を読んで、ちょっと疲労感。 それでもおもしろいのでぐいぐい読めます。
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