レディ・ジョーカー(上) の商品レビュー
薬局店主、元自衛官のトラック運転手、現役警察官、旋盤工、在日朝鮮人の信用金庫職員の五人が巨大ビールメーカーを恐喝する。 被差別部落問題、個人的な妄想、障害者介護など動機は複雑。 犯人グループ「レディ・ジョーカー」、「日之出麦酒」関連、新聞マスコミ関連、警察関連など、登場人物が...
薬局店主、元自衛官のトラック運転手、現役警察官、旋盤工、在日朝鮮人の信用金庫職員の五人が巨大ビールメーカーを恐喝する。 被差別部落問題、個人的な妄想、障害者介護など動機は複雑。 犯人グループ「レディ・ジョーカー」、「日之出麦酒」関連、新聞マスコミ関連、警察関連など、登場人物が多いうえに複雑に絡み合っていて、それぞれに深く描写されていて読み応えがある。 『毎日出版文化賞』第52回(1998年) 文学・芸術部門 『このミステリーがすごい!』1999年版国内第1位。
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単行本ですでに2回読んでいて、この間文庫になってるのを見て買いたくなって我慢している・・・。また相当書き直してるのかな。そう思うとやっぱり買いたいな文庫。2007年10月読
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「なあ、高くん。確実に金が取れるような計画を、君は作る気があるか」 「計画を作るというのは、実行することだぜ」 高は笑い、真顔に戻ると 「その前に物井さんの真意を聞かせてもらいたいな」と畳みかけてきた。 なるほど、まっとうな意見だった。 「君は笑うかも知れんが、爺さんは財を成した...
「なあ、高くん。確実に金が取れるような計画を、君は作る気があるか」 「計画を作るというのは、実行することだぜ」 高は笑い、真顔に戻ると 「その前に物井さんの真意を聞かせてもらいたいな」と畳みかけてきた。 なるほど、まっとうな意見だった。 「君は笑うかも知れんが、爺さんは財を成した連中の苦しむ顔が見たいだけだ。近ごろ、とくにそう思うようになった。 爺さんが生まれたのは青森の小作農の家でね、思い出すといろいろあるんだが----」 高は黙って聞きながら、その夜初めて物井の目を正面から窺っていた。
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最初の手紙の出だしを読んだ時は読めないかもしれないと思った。 手紙の後からは普通だったのでほっとした。 事件が起こるまでが長く少々読むのに時間がかかったが、1995年以降は結構あっと言う間に読み進んだ。 それにしても話が複雑。
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さすが高村氏。 風呂敷が大きい。 推理小説の中に競馬や株やら、政界の裏金の話やら、その筋の世界の話やらいろいろ織り込まれている。 それら諸々の基礎知識が広くない私は、きっと十二分に楽しめていない気がする。 もちろんいうまでもないが、人間も深く描かれている。
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骨が太い。社会派小説。 その昔、僕が幼稚園くらいだった頃、 世の中は、グリコ事件に揺れていた。 何が何だかはわかってはいなかったけど、 すごいことが起こっているんだって、 子供心は不謹慎にもわくわくしていた。 うっすらそんな記憶がある。 そんな子供心の裏の世界では、こんな世界が広...
骨が太い。社会派小説。 その昔、僕が幼稚園くらいだった頃、 世の中は、グリコ事件に揺れていた。 何が何だかはわかってはいなかったけど、 すごいことが起こっているんだって、 子供心は不謹慎にもわくわくしていた。 うっすらそんな記憶がある。 そんな子供心の裏の世界では、こんな世界が広がっていたのだね。
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この話は、昭和22年の怪文書から始まるということで、最初にこの文書が掲載されているのだが、はっきり言って、ここで挫折しそうになりました。 昔の文体で書かれている上に、内容もうっとうしい内容なんです。 それに、長い!(20ページ近く) 最初からこれかよ、とうんざりしました。 ...
この話は、昭和22年の怪文書から始まるということで、最初にこの文書が掲載されているのだが、はっきり言って、ここで挫折しそうになりました。 昔の文体で書かれている上に、内容もうっとうしい内容なんです。 それに、長い!(20ページ近く) 最初からこれかよ、とうんざりしました。 また、小説全体の字の密度も濃いので、本を読みなれている人でないと、ハードルは高いかも。 この本は、描写のリアリティーに非常にこっています。 でも、全体を通して、善人や、明るい登場人物などはいないため、グレーな小説だなと思いました。 どんよりした曇り空のような小説で、読みすすんでいくと面白いのですが、読んでいて楽しいとか、爽快感とかとは無縁な小説です。 だが、現実ってこんなんなんだろうな、と妙に納得させられる小説でした。
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愚弟の本 内容(「BOOK」データベースより) 人質は350万キロリットルのビールだ―業界のガリバー・日之出麦酒を狙った未曾有の企業テロは、なぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描いて、いま、人間存在の深淵を覗く、前人未到の物語が始まる。 偶然の結びつき...
愚弟の本 内容(「BOOK」データベースより) 人質は350万キロリットルのビールだ―業界のガリバー・日之出麦酒を狙った未曾有の企業テロは、なぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描いて、いま、人間存在の深淵を覗く、前人未到の物語が始まる。 偶然の結びつきが壮大な計画を思いつき、実行させる。 でもその始まりが「愛」だということに、気がつかない捜査陣。 とてもいいテンポで描かれた作品でした。
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私の中ではこれは文学。 合田シリーズの中ではこれが間違いなく傑作だと思う。 何度読み返したかわからない。 どなたかがレビューされていましたが諦観と怒りが混ざり合ったタイトル、これも秀逸。
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2009年1月29日読了 話は精緻に出来ているのだが、長い割に高揚感もなく特段おもしろくはなかった。
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