羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 他十八篇 の商品レビュー
今月の猫町課題図書。実は子供の頃から芥川のファンで、中学生までには図書館の全集を片っ端から読んで、書簡も含めた全ての作品を読んでいたはずだ。特に今昔物語に取材した初期作品が好きで、『芋粥』などは 100回は読んでいると思う。初めて読んだのは、幼児向けに編集された『蜘蛛の糸』であっ...
今月の猫町課題図書。実は子供の頃から芥川のファンで、中学生までには図書館の全集を片っ端から読んで、書簡も含めた全ての作品を読んでいたはずだ。特に今昔物語に取材した初期作品が好きで、『芋粥』などは 100回は読んでいると思う。初めて読んだのは、幼児向けに編集された『蜘蛛の糸』であったか、小学校の授業で読んだ『杜子春』であったか、今となっては記憶が定かではない。 いまあらためて読み返してみても、一番面白いのは『鼻』『芋粥』『羅生門』『地獄変』といった今昔・宇治拾遺物語系だ。1,000年の昔から変わらぬ人間の業を近代的な心理描写で描き出した手腕は天才の名に恥じぬ。『薮の中』が、記憶の中ではもうちょっと面白い話だったのに今読み返すとどうということのない印象であった一方、『河童』は以前よりも面白いと感じるようになっていた。『南京の基督』も佳作で、全体的に編者の選は様々な年代、文体をカバーして優れている。
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有名な作品揃いでベスト盤という感じ。 全部を通しで読むというより、一つ一つの作品をじっくり味わいたいかも。 北村薫さんの「六の宮の姫君」、「太宰治の辞書」で重要なモチーフとなっている(というか、前者はタイトルまんま。)作品も収録されています。 最も印象深かったのは、「南京の基督...
有名な作品揃いでベスト盤という感じ。 全部を通しで読むというより、一つ一つの作品をじっくり味わいたいかも。 北村薫さんの「六の宮の姫君」、「太宰治の辞書」で重要なモチーフとなっている(というか、前者はタイトルまんま。)作品も収録されています。 最も印象深かったのは、「南京の基督」。
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細かく傍注が添えてあり読みやすいのが良いです。 解説や年譜も充実しており、芥川龍之介の入門書としてお勧めです。
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芥川作品集は昔から家の本棚にあるのですが、よく考えてみたら正面から読んでみたことがなかったので手に取ってみました。 なにか本質的なものを書くときに、斬新でショッキングな手法を取る作家もいますが、芥川龍之介は、作品によって題材も雰囲気も様々であるとはいえ、オーソドックスな手法を踏...
芥川作品集は昔から家の本棚にあるのですが、よく考えてみたら正面から読んでみたことがなかったので手に取ってみました。 なにか本質的なものを書くときに、斬新でショッキングな手法を取る作家もいますが、芥川龍之介は、作品によって題材も雰囲気も様々であるとはいえ、オーソドックスな手法を踏み破ることはしないというイメージを受けました。それでいてどれも陳腐になることはなく、完成されているのが芥川龍之介のすごさなのかな、と思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
蜘蛛の糸 お釈迦様が極楽の蓮池でのこと。 かんだた という男。 牛へんに建、陀多。 悪事を働いた大泥棒。 蜘蛛を殺さずに助けてやった。 無慈悲な心は罰を受ける。
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収録順に読んだところ、「羅生門」、「鼻」、「芋粥」など人間の信念なんてものがいかに揺らぎやすいかということを描いたような作品が続いて気が滅入った。それも、発表当時は斬新だったのかもしれないけれど、私にはたいくつだった。 ただ、「河童」と、遺稿となった「歯車」は好き。ともに★4.5...
収録順に読んだところ、「羅生門」、「鼻」、「芋粥」など人間の信念なんてものがいかに揺らぎやすいかということを描いたような作品が続いて気が滅入った。それも、発表当時は斬新だったのかもしれないけれど、私にはたいくつだった。 ただ、「河童」と、遺稿となった「歯車」は好き。ともに★4.5くらい。他の晩年の作品も読んでみたいと思う。 ところで「河童」と「歯車」は村上春樹の文章と酷似していると感じた・・・。
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「羅生門」「鼻」「芋粥」「或日の大石内蔵助」「蜘蛛の糸」「地獄変」「枯野抄」「奉教人の死」「杜子春」「秋」「舞踏会」「南京の基督」「藪の中」「トロッコ」「雛」「六の宮の姫君」「一塊の土」「玄鶴山房」「点鬼簿」「河童」「歯車」の全21篇。お気に入りは「羅生門」「蜘蛛の糸」「地獄変」...
「羅生門」「鼻」「芋粥」「或日の大石内蔵助」「蜘蛛の糸」「地獄変」「枯野抄」「奉教人の死」「杜子春」「秋」「舞踏会」「南京の基督」「藪の中」「トロッコ」「雛」「六の宮の姫君」「一塊の土」「玄鶴山房」「点鬼簿」「河童」「歯車」の全21篇。お気に入りは「羅生門」「蜘蛛の糸」「地獄変」「杜子春」「藪の中」「トロッコ」「玄鶴山房」「点鬼簿」「歯車」 玄鶴山房から歯車等に見られるように、後半の作品には精神的な孤独や不安といった負の感情が感じられた。特に「歯車」は負の感情による心の動きがよく表現されている。解説で臼井氏が述べた「生存苦の寂莫」とはよくいったものである。
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じっくり読んだことが無く、気になっていたので読んでみた。 おもしろかった。 特に初期の作品が好き。
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「羅生門」をはじめとする芥川龍之介の代表作品が21篇収録されている。 文章自体は昔のものなので読みづらい部分もあるが、基本的に短編なため飽きない。 物語は年代順に並んでおり、初期と晩年とで作風が変化していく過程が楽しめる。 個人的なお気に入りは「河童」。 長年気になっていた芥...
「羅生門」をはじめとする芥川龍之介の代表作品が21篇収録されている。 文章自体は昔のものなので読みづらい部分もあるが、基本的に短編なため飽きない。 物語は年代順に並んでおり、初期と晩年とで作風が変化していく過程が楽しめる。 個人的なお気に入りは「河童」。 長年気になっていた芥川龍之介ではあるが、なかなか読む機会が無かった。 ちなみに龍之介夫人の旧姓は塚本。
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中学入試対策として取り上げられる理由がわかった気がした。すごい作家です。改めて尊敬いたしました。 2024.0509〜06.15 再読。 初期のころの歴史小説、死を意識した晩年の作品。 どちらも核となるものは変わっていない、と感じた。 以前は晩年の作品を、ただ暗いだけ、と思って...
中学入試対策として取り上げられる理由がわかった気がした。すごい作家です。改めて尊敬いたしました。 2024.0509〜06.15 再読。 初期のころの歴史小説、死を意識した晩年の作品。 どちらも核となるものは変わっていない、と感じた。 以前は晩年の作品を、ただ暗いだけ、と思っていた。今回、再読してみて、「悩み」の捉え方がポイントかなと、思った。 歳を重ねたことで気付いたのかな。
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