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CARVER'S DOZEN の商品レビュー

4.2

87件のお客様レビュー

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カーヴァーを始めて読…

カーヴァーを始めて読む人におすすめです。日常起こるさりげない出来事の中に、人生に大切なものを見つけたり、最低限の言葉で多くを語るカーヴァーの魅力が全貌出来るようになっています。

文庫OFF

2024/07/25

順風満帆な人生なんてある訳ないけれど、この本に出てくる人々は、なにかしら人生において障害というか、傷というか、つらい経験をしている。そんな人々の暮らしを丁寧に、そしてさりげなく淡々と描くレイモンド•カーヴァー。弱ってるな、自分。と思う時に読むと本当に沁みる。村上春樹の翻訳は確かに...

順風満帆な人生なんてある訳ないけれど、この本に出てくる人々は、なにかしら人生において障害というか、傷というか、つらい経験をしている。そんな人々の暮らしを丁寧に、そしてさりげなく淡々と描くレイモンド•カーヴァー。弱ってるな、自分。と思う時に読むと本当に沁みる。村上春樹の翻訳は確かにクセがあるのだと思うけど、それもまた良い。

Posted byブクログ

2024/05/24

レイモンドカーヴァーの作品は村上春樹の翻訳で何度か読んだが、こうして傑作選になっていると、改めてその文学的なレベルの高さに驚かざるをえなかった。「大聖堂」「ぼくが電話をかけている場所」「ささやかだけど、役に立つこと」の並びなんかもう凄すぎて完全にノックアウトされた。今回初めて「足...

レイモンドカーヴァーの作品は村上春樹の翻訳で何度か読んだが、こうして傑作選になっていると、改めてその文学的なレベルの高さに驚かざるをえなかった。「大聖堂」「ぼくが電話をかけている場所」「ささやかだけど、役に立つこと」の並びなんかもう凄すぎて完全にノックアウトされた。今回初めて「足もとに流れる深い川」を読んでとても良いと思ったけれど(タイトルの意訳も素晴らしい)、やはり、わたしにとってのナンバーワンは今のところ、「ささやかだけど、役に立つこと」かなあと思う。一見するとシンプルで、誰にでも書けそうな文章に思うんだけど、その組み合わせがあまりに見事で、平易なのに深い、の局地をいっていると思う。ヘミングウェイから連なる系譜でもあり、今の日本の文学とかには、こういう文章の人はちょっといないなあと思う。素晴らしい文体、素晴らしい小説。

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2024/03/27

短編小説集だったけど全部重厚感のある小説だった。 人々を観察する能力や小さな感情を読み取る能力にかなり長けていると感じた。

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2023/09/28

短編小説ってこんなに面白くてドラマチックで映画的で感情を動かされ引き込まれる深い世界を描けるものだったんだ。羨ましくなるくらい、嫉妬してしまうくらい、本当に、すごい本。

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2023/05/15

レイモンド•カーヴァーの短編集、村上春樹訳。 小川洋子さんが「みんなの図書室」で選書されていた短編「ささやかだけれど、役にたつこと」を読んだ。 村上春樹さんの訳は初めて読んだが、直訳の感が強く、日本語訳なんだけど英語の原書を読んでるような独特のニュアンスがあった。 息子を交通...

レイモンド•カーヴァーの短編集、村上春樹訳。 小川洋子さんが「みんなの図書室」で選書されていた短編「ささやかだけれど、役にたつこと」を読んだ。 村上春樹さんの訳は初めて読んだが、直訳の感が強く、日本語訳なんだけど英語の原書を読んでるような独特のニュアンスがあった。 息子を交通事故で亡くした夫婦と、あるパン屋の主人のお話。息子を亡くしどんなに深い喪失の中にあっても、生きていかなくてはならない。そんな時、あったかい出来立てのパンを食べることは「ささやかだけれど役に立つこと」。 近所の珈琲屋さんにこの本が置いてあったので、他の短編もまた来た時に読もうと思う。

Posted byブクログ

2023/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今日が坂本龍一の誕生日で6年ぶりに出たアルバムが『12』ってこともあってこれ、ってわけじゃないんだけれど、たまたま『12』っていま気づきました。『大聖堂』が読みたくってこれ。 傑作選なので何度か読んだことあるお話もいくつか。でも書き直しされてるのでどれも楽しく読みました。が、村上春樹の翻訳だから村上春樹の小説を読んでるみたいなデジャヴも。お話の落ちがきちんと落ちなくてふわーっとどっかにいっちゃうとかね。 それでも『でぶ』『足もとに流れる深い川』『大聖堂』素晴らしゅうございました。宗教的なお話かとイメージしてましたが、もちろんそんなことはなくって、妻の古い全盲の男友達が家にくるってことで「めんどくせー」って思う男のお話。細君もこれが1番って言ってますが、会ってからの展開が良いんだよなぁ。 《「ボウリングにでもつれてけばいいのかね」と私は妻に言った。彼女は流しでスカロップト・ポテトを作っていたが、使っていた包丁を下に置いて私の方を向いた。「もしあなたが私を愛しているなら」と彼女は言った。「私のためにも、まともに振る舞ってね。もし愛してないのなら、好きにしていいわよ。でもね、もしあなたに友だちがいて、その人がうちに来るとしたら、それがどんな人だろうが私は温かく迎えるわよ」と彼女は布巾で手を拭った。「僕には目の見えない友だちなんかいないぜ」と私は言った。「どんな友だちもいないくせに」と彼女は言った。》

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2022/11/22

69冊目『Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(レイモンド・カーヴァー 著、村上春樹 編訳、1997年10月、中央公論新社) 村上春樹が偏愛する作家、レイモンド・カーヴァー。彼の短編、エッセイ、詩など12作品(+おまけが1作)が収録。 どの作品も...

69冊目『Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(レイモンド・カーヴァー 著、村上春樹 編訳、1997年10月、中央公論新社) 村上春樹が偏愛する作家、レイモンド・カーヴァー。彼の短編、エッセイ、詩など12作品(+おまけが1作)が収録。 どの作品も硬質な文章でありながら、リリシズムに溢れる繊細な物語が展開されてゆく。 「大聖堂」や「僕が電話をかけている場所」といった代表作も収録されており、カーヴァーの入門書として最適な一冊。 〈「だってね、スチュアート、彼女はまだほんの子供だったのよ」〉

Posted byブクログ

2022/05/14

村上春樹によるレイモンドカーヴァーベスト。そりゃもう良いです。気になっている人の入門書として最適。なんでこんなにままらない人を描かせると上手いのだろう。良い人を良い人として、悪い人を悪い人として描くのじゃなく、悪い人でもシームレスに良いことを考えたり行動したりする。一瞬の思考や行...

村上春樹によるレイモンドカーヴァーベスト。そりゃもう良いです。気になっている人の入門書として最適。なんでこんなにままらない人を描かせると上手いのだろう。良い人を良い人として、悪い人を悪い人として描くのじゃなく、悪い人でもシームレスに良いことを考えたり行動したりする。一瞬の思考や行動の発露の描写がすんごい美しかったりして胸を打つ。そうだよなー人ってこういうものだよなって思う。凡百な小説が類型的に人を描いた挙句捨象されてしまった全てがここにあるんじゃないかとすら思っちゃう。あなただって普段の生活でそういう感じでしょ?(良いこと考えてる次の瞬間にどうしようもなく汚いこと考えたりしない?)

Posted byブクログ

2022/02/27

とても面白かった。この短編集は村上春樹訳であるからというのもあるが、レイモンド・カーヴァーにいかに影響を受けているのか読むとわかる。 特に「足もとに流れる深い川」「大聖堂」「父の肖像」が気に入った。

Posted byブクログ