CARVER'S DOZEN の商品レビュー
高校時代以来の再読なのだが、一体私はレイモンド・カーヴァーのなにを読んでいたのだろうか、と恥じさせられた。ミニマリズムの中にある凄味を全然理解出来ていなかったな、と。そう深刻に/重苦しく語られる筆致ではないのに人の死や出会いは重大なインパクトを残し、こちらを魅了する。日本で言えば...
高校時代以来の再読なのだが、一体私はレイモンド・カーヴァーのなにを読んでいたのだろうか、と恥じさせられた。ミニマリズムの中にある凄味を全然理解出来ていなかったな、と。そう深刻に/重苦しく語られる筆致ではないのに人の死や出会いは重大なインパクトを残し、こちらを魅了する。日本で言えば古井由吉が該当するのか。違うかもしれないが(このあたり、いつもながらテキトーなことを書いていると思っていただければ有難い)。これは是非全集や『ビギナーズ』を読まなければと思った次第。カーヴァー、なかなか侮れない作家だと思わせられた
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あなたお医者様? 知らない女から電話が。 相手は確かに自分の番号を知っていた 帰ってきてから妻が「なんだかあなたじゃないみたいよ」 収集 掃除屋さん 無理矢理入って掃除を始めるセールスマン 大聖堂 盲目 ささやかだけど役に立つこと 息子が死んでしまう ケーキ レモネード...
あなたお医者様? 知らない女から電話が。 相手は確かに自分の番号を知っていた 帰ってきてから妻が「なんだかあなたじゃないみたいよ」 収集 掃除屋さん 無理矢理入って掃除を始めるセールスマン 大聖堂 盲目 ささやかだけど役に立つこと 息子が死んでしまう ケーキ レモネード レモネードを買いに行かせたため息子が死んでしまった
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不思議と心に残る小説集。 最初はうまく馴染めず「、、??」という感じでしたが、読み進めていくにつれてじわりじわりと世界観にハマっていきました。 最初の「でぶ」結構好きです。 会話と主人公の心情の境目が溶け合っていく感じで不思議な味わいがありました。 奇妙だけどあくまで日常の...
不思議と心に残る小説集。 最初はうまく馴染めず「、、??」という感じでしたが、読み進めていくにつれてじわりじわりと世界観にハマっていきました。 最初の「でぶ」結構好きです。 会話と主人公の心情の境目が溶け合っていく感じで不思議な味わいがありました。 奇妙だけどあくまで日常の逸脱を許さない匙加減が絶妙で心地よかった。
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カーヴァーの傑作と言われる「大聖堂」の途中に、畏れ多くも栞を挟んだままに放置されていた我が家の文庫。 “みみずくは黄昏に飛び立つ” の中で、川上未映子さんとのやり取りを読んでこれは投げ出したアレをもう一度きちんと読まねばと、後悔しつつ再読。 なぜあの時投げ出したのか!? 今...
カーヴァーの傑作と言われる「大聖堂」の途中に、畏れ多くも栞を挟んだままに放置されていた我が家の文庫。 “みみずくは黄昏に飛び立つ” の中で、川上未映子さんとのやり取りを読んでこれは投げ出したアレをもう一度きちんと読まねばと、後悔しつつ再読。 なぜあの時投げ出したのか!? 今ならこの、まるでギャツビーか面色さんみたいな男の出てくる不思議な話の魅力がよく分かる。 村上さんが生涯ベストとあちらこちらで話しているという、「足もとに流れる深い川」どうしてこんなふうに女性の気持ちを描けるのかしら? 「ダンスしないか?」の奔放でミステリアスな主人公。 …どの作品もラストがどうなるのかという想像にひやひやしてしまう展開、村上さんの文体、全てが面白く魅力的で唸ってしまった。 チェーホフが亡くなった時のおはなし、「使い走り」がとくに興味深く好きだった。カーヴァーの最後の短編だそうですが…
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一冊の本としてすごく良かった。作者の人生が美しくまとめられてる短編集だと思う。 かなり写実的な文章でイメージがしやすく、読みやすい。 そしてそのイメージの中に、影を落とすのが本当に巧い。 どの作品も、ある高まりだったり、何かが芽生えた瞬間にぷつっと終わるような印象。時々ミステリア...
一冊の本としてすごく良かった。作者の人生が美しくまとめられてる短編集だと思う。 かなり写実的な文章でイメージがしやすく、読みやすい。 そしてそのイメージの中に、影を落とすのが本当に巧い。 どの作品も、ある高まりだったり、何かが芽生えた瞬間にぷつっと終わるような印象。時々ミステリアスな表現で、余韻を残される。 かなり感情的な小説だなと思う。無駄がないところも含めて本当に良い。
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ドラマチックではない ハッピーエンドでもない でも、破滅的な絶望という訳でもない。 やや日常的で、負のオーラを出していそうな主人公達・・・ 不幸で寂しい話が多かった気がします。 村上春樹の一個一個の解説を読む前、読んだ後で読むと良い様な気がします。
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夫婦間の馴れたかんじの性的な目線とか行為に、とくにその心理に身体性みたいなのが宿っているようにうかがえて新鮮に感じました。なんていうか、アメリカだなあという感覚はありながら、中年くらいの夫婦間の性の、あっけらかんとしたところが書かれているんです。そういうところに、はっとして、そう...
夫婦間の馴れたかんじの性的な目線とか行為に、とくにその心理に身体性みたいなのが宿っているようにうかがえて新鮮に感じました。なんていうか、アメリカだなあという感覚はありながら、中年くらいの夫婦間の性の、あっけらかんとしたところが書かれているんです。そういうところに、はっとして、そうだよなあ、仲がよくて長年連れ添うとそうかな、という気もしましたし、それでいて、やはり文化の違いかという気もしました。「ぼくが電話をかけている場所」に出てくるロキシーという女性なんて、現実にぼくの生活にも出てこいと思うような、ぼくにとっても素敵な女性でした。そういう、レイモンド・カーヴァーならではの女性登場人物のキャラクターが印象的でした。ぼくのイメージや見方の枠組がひろがったような気がする。でも、そんな広がったイメージが現実の日本の女性とフィットするかはまた別の問題なのでしょうね。
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収録されている作品自体は面白い。しかし各話冒頭についている翻訳者による感想文が邪魔でしょうがなかった。
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読みはじめて少したってから、見覚えのある文章だなと気づいた。いつ読んだかははっきり覚えていないのだが(学生の頃かな?)。でも忘れていたということは、当時は心に感じるものがなかったのかもしれない。 今回、心に残ったのはこの2つ。 「足もとに流れる深い川」 読んでいる最中から、気持...
読みはじめて少したってから、見覚えのある文章だなと気づいた。いつ読んだかははっきり覚えていないのだが(学生の頃かな?)。でも忘れていたということは、当時は心に感じるものがなかったのかもしれない。 今回、心に残ったのはこの2つ。 「足もとに流れる深い川」 読んでいる最中から、気持ちがざわざわして不安になり、読後もなかなかそこから抜け出せなかった。 「ぼくが電話をかけている場所」 読み終わった瞬間、涙があふれてきてビックリした。どうしてなのかわからないけど。
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やっぱりおもしろい本だった。 5いったい何が重要なのだろう? 「愛、死、夢、望み、成長、自分自身の、そして他人の限界と折り合いをつけること。」 8さまざまな職につきながら、必死に作家になろうと努力を続けた。・・・ 266こんなときにはものを食べる事です。ささやかだけど役にた...
やっぱりおもしろい本だった。 5いったい何が重要なのだろう? 「愛、死、夢、望み、成長、自分自身の、そして他人の限界と折り合いをつけること。」 8さまざまな職につきながら、必死に作家になろうと努力を続けた。・・・ 266こんなときにはものを食べる事です。ささやかだけど役にたつことです。
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