あいにくの雨で の商品レビュー
麻耶雄嵩が大好きな人…
麻耶雄嵩が大好きな人には逆に向いていないのではないかと思った。結構まともに話が解決するから。
文庫OFF
ある塔において三度殺…
ある塔において三度殺人事件が起こる。しかもその塔に行った被害者の足跡だけが残されている。しかしこれだけでは終わらない。やはり摩耶作品は特殊。13章、つまり、事件の核となる足跡のない殺人の真相を語るところから話がはじまる。型破りすぎて評価できないが、トリックは良(高木彬光作品にも同...
ある塔において三度殺人事件が起こる。しかもその塔に行った被害者の足跡だけが残されている。しかしこれだけでは終わらない。やはり摩耶作品は特殊。13章、つまり、事件の核となる足跡のない殺人の真相を語るところから話がはじまる。型破りすぎて評価できないが、トリックは良(高木彬光作品にも同様のものが見られる)。結局謎を残したまま終わるのは納得がいかない。犯人は普通。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これまた摩耶ワールド炸裂の一作か。 立て続けの密室殺人と複雑な人間関係に始まり、主人公達が通う高校を舞台にした諜報戦もどきの生徒会の駆け引き、異質の話が並行して描かれる。しかもどちらも微に入り細に入り描きこまれている。 しかし、この生徒会絡みの話は全く必要ないし、密室殺人の種明かしも中途半端。謎だけが提起されているが、その落ちは弱く、ロジックで片付けているが動機も含めて釈然としない。 確かに意外な犯人設定で、探偵役が犯人で、ワトソン役が犯人を暴くというラストは意表を突くが、そこに至るまでの筋道は粗すぎる。不要なまでの主人公の心理描写、退屈な高校スパイ戦?の描写が多くて読んでてダレた。 登場人物も意味もないキャラも多いし、もう少し刈り込んだ方が遥かに面白くなったのでは? 謎の設定や捻った犯人像は面白いだけに残念な一作。
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謎は解決したが、問題は何も解決していないという探偵の無力さを突きつけるような物語でした。 事件と並行して描かれる日常生活は、生徒会設定が少しぶっ飛んでいるとはいえ、なかなか青春しており楽しめました。それだけに主人公二人(あえて主人公二人と言おう)ともう一人のこれからを思うと暗鬱と...
謎は解決したが、問題は何も解決していないという探偵の無力さを突きつけるような物語でした。 事件と並行して描かれる日常生活は、生徒会設定が少しぶっ飛んでいるとはいえ、なかなか青春しており楽しめました。それだけに主人公二人(あえて主人公二人と言おう)ともう一人のこれからを思うと暗鬱とした気分に。
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カバーにある著書の言葉をスルーしてて、いきなり13章から始まったので最初完全に乱丁だと思いました。こんなつくりのミステリは初めて見た。インパクトはあったけど、あえて13章を先に読ませる意図がよくわからなかった。 塔での殺人と生徒会の話が同時進行するけど、生徒会の話は途中で飽きてき...
カバーにある著書の言葉をスルーしてて、いきなり13章から始まったので最初完全に乱丁だと思いました。こんなつくりのミステリは初めて見た。インパクトはあったけど、あえて13章を先に読ませる意図がよくわからなかった。 塔での殺人と生徒会の話が同時進行するけど、生徒会の話は途中で飽きてきた。こんな絶大な権力を持った生徒会て一体…。 鳥兎、獅子丸、佑今の3人はこれからどうなっていくんだろう。佑今がどんどん弱っていくところが痛々しい。苦い後味の青春小説という感じでした。 登場人物の名前読みづらい、比喩表現がどれもぴんと来ない、等々、麻耶作品はあんまり自分に合わないんだろうなぁと思いつつも手を出してしまう不思議。「あいにくの雨で」っていうタイトルは好きです。
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+++ かつて殺人があった廃墟の塔で再び殺人が! 発見者は高校生・烏兎(うと)、獅子丸(ししまる)、祐今(うこん)。死体はその事件の犯人と目され、逃亡していた祐今の父親だった。現場には、塔にむかう雪上の足跡ひとつ。そして三たび殺人は起こった。繰り返される、犯人の足跡がない密室殺人...
+++ かつて殺人があった廃墟の塔で再び殺人が! 発見者は高校生・烏兎(うと)、獅子丸(ししまる)、祐今(うこん)。死体はその事件の犯人と目され、逃亡していた祐今の父親だった。現場には、塔にむかう雪上の足跡ひとつ。そして三たび殺人は起こった。繰り返される、犯人の足跡がない密室殺人の真相は? 麻耶雄嵩、正面から雪の密室に挑戦! +++ 密室ミステリなのだが、学園ものとしても愉しめる物語である。主人公の高校生烏兎(うと)と、親友同士のようでいて、一風変わった関係に見える獅子丸や祐今(うこん)との日々。塔で起きた過去と現在の殺人事件にかかわるのはもちろん、学校内での秘密の活動でも、三人のそれぞれ違った個性が際立っている。一見いちばん癖がなさそうに見える烏兎の鋭い着眼点と、気づいてしまった故の葛藤が切ない。なかなか愉しませてくれる一冊である。
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麻耶さんの本で人に勧めるならまずこれか蛍。 麻耶雄嵩さんらしさも残しつつ、学園内の柵を細かく書くのが誰にとっても読みやすい。 ラストもすごくいい、純粋に推理ものとして面白いし
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長編の中で一番好きな作品、だったのですが…… なんだか初読時と印象が違う。なんでだろう。もっとすっきり終わってた気がしたんだけど。一番最後にタイトルの台詞があった気がしたんだけど。 記憶違いかしら。 うんそれでも、綺麗なタイトルのつけ方だと思う。 今作は前作に出てた烏有...
長編の中で一番好きな作品、だったのですが…… なんだか初読時と印象が違う。なんでだろう。もっとすっきり終わってた気がしたんだけど。一番最後にタイトルの台詞があった気がしたんだけど。 記憶違いかしら。 うんそれでも、綺麗なタイトルのつけ方だと思う。 今作は前作に出てた烏有さんの弟の烏兎くんの話。相変わらずすごいネーミング。脇役の女の子は普通なのに。獅子丸って……どうよ。 あと、高柳が持ってるの、初版なんだよね……ものすっごい誤植が一個あるんだよね。キャラクタの名前が違うんだ。覚えてたら他の版で確かめてみよう。 以下ネタバレ反転。 読んでて「これ、矢的が犯人で、ラスト死ぬんじゃなかったっけ?」とうっすらと記憶が蘇ってきた。で、「探偵役が犯人だったらやだなぁ」と、ふと思う。 ……どっちも正解だった。正確には獅子丸が犯人。矢的がダミー。 でも獅子丸、最後捕まってないし、死んでもないから、これからも出てくる可能性があるってことか? 烏兎くん。兄貴と違ってなかなか人間味のある良い子です。 04.07.28
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※このレビューにはネタバレを含みます
13章から始まる。トリックいきなり暴かれてるしww 昔殺人があった廃墟の塔でまた殺人が。昔殺されたのは、祐今(ウコン)の母で犯人は逃走中の父とされてる。で、今回殺されたのは父。 京都のド田舎の高校生3名は仲良しで。ウコンは焦燥しきっていくが、残りの烏兎(ウト)と獅子丸は殺人を推理し、生徒会のスパイを探すのだが。 そのうち、祖父が殺され、祖父の彼女も殺され。 父母の秘密を知り。 犯人の自殺によって事件は解決するのだが。やっぱり、真相はそうではなかったのだ。ウトが暴く。いつものパターン。 高校生の話なのだが、ちっとも爽やか系ではない。壊れた系。
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生徒会云々のくだりで、この物語はどこへ向かうつもりなのか、と思ってしまった。しかも、えらくハードボイルドな学校だし。 今回、初の麻耶雄嵩で、何も意識せずに読み進めていたが、最後の最後で著者に関する評判を思い出した。
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