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文体練習 の商品レビュー

4.2

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2025/02/08

バスに乗っている帽子をかぶった男が、別の乗客に文句を言う。席が空いたのを見て、慌てて座りに行く。二時間後、別の場所で同じ男を見かける。その時は、連れの男が、帽子の男のコートに対して、ボタンを追加した方がいいと語っていた。 この本に書かれているストーリーは、これだけ。 1ページに...

バスに乗っている帽子をかぶった男が、別の乗客に文句を言う。席が空いたのを見て、慌てて座りに行く。二時間後、別の場所で同じ男を見かける。その時は、連れの男が、帽子の男のコートに対して、ボタンを追加した方がいいと語っていた。 この本に書かれているストーリーは、これだけ。 1ページに収まる出来事を、99通りの文体で書いていく、タイトル通りの「文体練習」の本。 クノーの好奇心の高さや挑戦的な姿勢はもちろんのこと、訳者の方の苦労と努力が、訳者あとがきから察せられる。 原書のフランス語と、日本語の特徴の違いを考慮した上で、日本語での文体練習に自然となっている。 元はフランス語での試みなのに、日本語の奥深さ、無限の可能性を感じられる不思議。 私は最初から読んでもちんぷんかんぷんだったので、訳者あとがきの解説がありがたかった。 本文とあとがきの説明を照らし合わせて読むのがおすすめです。

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2025/01/13

原書のこだわりの凄さに加えて、翻訳の大変さにも驚嘆する。特に言葉遊びの文体は、訳者あとがきと解説を読みながら読んだほうが面白いし良い。 「2.複式記述」でいきなりのくどさに笑った。 「78.らぞなぞね」とか、解説を読まないと仕組みが分からなかった。

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2024/10/21

かなり不思議な本。 何気ない日常の一コマを、文体を変えることだけで表情が変わることに挑戦しているようだ。 文章による現代アートと呼んでもいいかもしれない。 これは一種の遊びであって、ストーリーではなく、この遊び心を受け入れることができるか好みが分かれるところ。 訳者があとがきで...

かなり不思議な本。 何気ない日常の一コマを、文体を変えることだけで表情が変わることに挑戦しているようだ。 文章による現代アートと呼んでもいいかもしれない。 これは一種の遊びであって、ストーリーではなく、この遊び心を受け入れることができるか好みが分かれるところ。 訳者があとがきで詳細に解説してくれているので、これは必読。 訳者自ら”貧弱な内容”と言っているように、内容を読ませると言うより、言葉の表現の面白さを理解すべきなのだろう。 訳者をもってしても”訳せない”所があるというように、各々の言語の特異性もあるだろう。 訳者が作者の意図を理解した上で、日本語での言葉遊びに置き換えるという、困難極まりない作業には敬意を払いたい。

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2024/08/25

シュールレアリスムな世界感。これだけ多く文体を変えて表現すると芸術になり、文章による芸術ってこういうものかなと思った。ただ、その芸術から何を読み取るのかは個人の知識、経験、感性も必要で、私にはまだまだ読み取れるものが無いために評価は2。それでもフランスでは広く愛読されていると書か...

シュールレアリスムな世界感。これだけ多く文体を変えて表現すると芸術になり、文章による芸術ってこういうものかなと思った。ただ、その芸術から何を読み取るのかは個人の知識、経験、感性も必要で、私にはまだまだ読み取れるものが無いために評価は2。それでもフランスでは広く愛読されていると書かれているので、フランス人がフランス語を愛し、芸術的であることが窺える。それにしてもこの芸術をさらに日本語訳にしようとした朝比奈さんを思うと、どれだけ時間がかかり、どれだけの分野の言葉を学んだだろうかと想像を絶する労力を思わされる。

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2024/07/22

下記のリンクで全てかかれているのだが、すごいものである。 https://1000ya.isis.ne.jp/0138.html

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2023/12/29

2007.8月 ダヴィンチの表紙で、松本潤氏が持っていた1冊。 シンプルな装丁と紹介文に惹かれて高校の図書館で借りた。 当時こういう本を始めて読んで衝撃を受けた。 同じ話が視点を変えるだけでこうも違って見えること、 もちろん文章の書き方も。 色々なことに気づかせてくれる一冊。

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2023/11/23

図書館で借りる! 山本ナイルさんのSNSから興味 あまりタイプではなかったが、所々笑わせていただいた。 1つの出来事に対して99(正確には+3)の文章で表現されている。パラーっと読み飛ばしているところもあり。 訳者:朝比奈弘治のあとがきで、著者について表現力の幅広さを感じさせ...

図書館で借りる! 山本ナイルさんのSNSから興味 あまりタイプではなかったが、所々笑わせていただいた。 1つの出来事に対して99(正確には+3)の文章で表現されている。パラーっと読み飛ばしているところもあり。 訳者:朝比奈弘治のあとがきで、著者について表現力の幅広さを感じさせるとともに、ちんぷんかんぷんな文章も作成していることから言葉・文章の空虚さについて指摘している、めちゃ同感 私は、フィクションよりもノンフィクションがタイプ。ノンフィクションは私と同じ世界で生きてる人の実体験を体感できるのが魅力。だけど、当人が経験した事実をどこまで言葉で伝えられるかというのは、考えどころ。フィクション作品によっては、ノンフィクションよりありありと世界観が描き出されてるものもあるはず。そんな作品に出会ってみたいな。 どこまで〇〇で伝えられるかっていうのは、「写真」にも言えることだと思う 写真展とかあるけど、テーマとか解説がない限りアーティストの想いがわからない(イメージすることも必要なんだと思うけど) 本探しの旅は終わらないね 2、読みづらい 11、言葉をそのまま使うんじゃなくて、並列だったり逆説例えて使っているのがすごい面白い。 19.アニミズム→帽子が主語になってるの面白い 人じゃないのが主語の本読みたい 74.よめないやん、品詞に分けてる 80.事実とは真逆のことが書いてある、あり得なくて面白い

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2023/10/10

レーモンクノーとボリスヴィアンの関係が気になる 2023/10/10 追記 まさか山中智恵子とレーモンクノーが繋がるとは思わなかった。掘らないといけない。「ことば」

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2022/06/21

あるバスに乗った男の何の変哲もない一つのストーリーを99通りの文体で表現した1冊です。 1942年に12篇を書いた後、5年をかけてじっくり編み出されたそうです。 思わず声を上げて笑ってしまったり、夢中であっという間に読んでしまいますが、その表現の多様さに感動します。 お金の...

あるバスに乗った男の何の変哲もない一つのストーリーを99通りの文体で表現した1冊です。 1942年に12篇を書いた後、5年をかけてじっくり編み出されたそうです。 思わず声を上げて笑ってしまったり、夢中であっという間に読んでしまいますが、その表現の多様さに感動します。 お金のしくみの伝え方も、多くの方が試行錯誤を繰り返していますが、いろいろな表現方法があるのかもしれないなぁと思い、勉強会でご紹介しました。 (お金のしくみ塾生 一ノ瀬)

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2021/10/21

「嗅覚」の項に胸キュン。翻訳の手腕込みで。 その気になればこんなに文体を書き分けできるのか。 一介の喫語者として終始ウキウキして読んだ。 ラインやメールの文面に活かしてみよう。

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