甘い蜜の部屋 の商品レビュー
窒息しそうな閉塞感。ゼリーの中を泳ぐ熱帯魚。 呼んでいる側はゼリー越しにしか熱帯魚を見れないので正しい魚の色がわからない。 生きたお人形さんの話。
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モイラよ!小悪魔どころか大悪魔だけど憎めません愛しいです。森茉莉の実際の体験も交えてますね。鴎外からどんだけ愛されてたかが伝わります。その事を知らなくても父娘の恋人よりも密着したエロスな関係を楽しめると思う。
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12月27日読書開始。 森茉莉という作家をどうしてこれまで読んでこなかったのかと深く後悔・・・。 実際に、大正、昭和初期という文化爛熟期の東京山の手の生活をしていた人間の書くものはすごい。 細かい描写にまでクラクラくる。これ読んだらもう適当に想像で書かれた贅沢生活とか偽物にしか...
12月27日読書開始。 森茉莉という作家をどうしてこれまで読んでこなかったのかと深く後悔・・・。 実際に、大正、昭和初期という文化爛熟期の東京山の手の生活をしていた人間の書くものはすごい。 細かい描写にまでクラクラくる。これ読んだらもう適当に想像で書かれた贅沢生活とか偽物にしかみられない気になる。 森茉莉はモイラというキャラクターを書きたくて書きたくて書いたのだなという気持ちが全編伝わってくる。父親とのほとんど恋愛関係ともいえる描写も、非現実であるのだけど、非現実だからこそ、女の子はときめかずにはおれない。モイラが幼い子供からだんだん大人へと変わっていく描写も本当に他の人がやったら、類型的でよくある底の浅い描写になりがちなのに、森茉莉だと、本当にモイラはそのように変わって行ってるんだと信じてしまう。 ところで、モイラが父親の見返りを求めない底のない愛情を、肉食獣のように喰らうという描写がでてくる。底がない愛情であることを知ったうえで、愛情喰らい、さらに底がないことを何度もためす。 これって最高の小悪魔テクニックというかモテテクニックじゃないだろうか?? 相手が自分にちょ〜ほれてるというこを自覚した上で、堂々とその上にアグラをかいて求めるだけ求める。 潔いい。
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森茉莉が還暦過ぎから十年がかりで書き上げた950枚に及ぶ長編小説。主人公モイラが、父親との甘く濃密な心の部屋に棲みながら、類稀な美貌と、不可思議な香気を放つ皮膚、無意識な媚態で、男たちを破滅させていく、大正時代を背景とした大ロマネスク。「幼女編」「少女編」「結婚編」の三部構成から...
森茉莉が還暦過ぎから十年がかりで書き上げた950枚に及ぶ長編小説。主人公モイラが、父親との甘く濃密な心の部屋に棲みながら、類稀な美貌と、不可思議な香気を放つ皮膚、無意識な媚態で、男たちを破滅させていく、大正時代を背景とした大ロマネスク。「幼女編」「少女編」「結婚編」の三部構成からなる。三島由紀夫に「官能的傑作」と絶賛された。泉鏡花文学賞受賞作。 こんなものがあの年齢で書けるとは、浮世離れしてるというか、永遠の少女というか、いつまでも父の娘というか、精神の貴族というか、なんにせよ凄いですな…。
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森鴎外の娘、森茉莉の作品である。天性の魅力を持つ娘と、その父の愛の話である。濃い。 作者自身、相当なファザコンであったと聞くからこれも結構リアルな話ではないか。
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あまりに好き過ぎて、うまく良さを語れない・・・。 とにかく、モイラの魅力に読者まで虜になり、官能の海に溺れることは必至。 この世界観は私を酔わせる。 小説を超えたなにかがある。 秘密の小部屋のような。 誰にものぞかれたくない、美しい小部屋。
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文面からぶわっと濃密な世界が漏れ出てくる。モイラは永遠の少女として艶かしく、無垢に父親と関わりながら回りの男たちをいいように翻弄する。濃密な、耽美の世界。 でも、これを読んで森茉莉のエッセイを読むとほとんどが実話で相当なファザコンだったのかと急激に話が薄っぺらくなってしまうやう...
文面からぶわっと濃密な世界が漏れ出てくる。モイラは永遠の少女として艶かしく、無垢に父親と関わりながら回りの男たちをいいように翻弄する。濃密な、耽美の世界。 でも、これを読んで森茉莉のエッセイを読むとほとんどが実話で相当なファザコンだったのかと急激に話が薄っぺらくなってしまうやう。でも、エッセイはエッセイで面白いけど。「記憶の繪」が好き。
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これは嶽本野ばら氏ご推薦にて。 モイラの世界にどっぷり嵌り、ロリィタ加速してた気がします・・・若い。
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一日一冊生活はやめた。 一冊読まなきゃっていうあせりで、読書を楽しめない気がしたから。 ゆっくりじっくり読んでるので、これも4日ほどかかってしまったけど かなり、いい。恋人たちよりわたしは好きだ。 ここに出てくる人達はみんな会話を交わさなくても 目や雰囲気でその人がだいたい何を思...
一日一冊生活はやめた。 一冊読まなきゃっていうあせりで、読書を楽しめない気がしたから。 ゆっくりじっくり読んでるので、これも4日ほどかかってしまったけど かなり、いい。恋人たちよりわたしは好きだ。 ここに出てくる人達はみんな会話を交わさなくても 目や雰囲気でその人がだいたい何を思っているのかが わかってて、みんなまるで超能力者のようだった。 すごい。わたしもそういう風に出来たらなあ。
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三島由紀夫曰く「官能的傑作」。無垢で居て残酷、悪意が無い様で罪深い。天性の魔性であるモイラと云う少女と、モイラの虜になった男達、悪と紳士の顔を持ちモイラと独特な愛情の世界を築く父、その関係が妖しく不思議で引き込まれた。…こう云うふてぶてしい女の子大好き。
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