知性の磨きかた の商品レビュー
知性とは何か。自分が知性という言葉の意味を考えたことがなかったことに気付かされた。 林さんの考え方は凝り固まっていないようで、芯がある。 本の半分が知性とはずれていたけれど、自分に芯を作る、自分の生き方は自分で作る、という当たり前でもよく忘れてしまう大事なことを見せてくれた。もう...
知性とは何か。自分が知性という言葉の意味を考えたことがなかったことに気付かされた。 林さんの考え方は凝り固まっていないようで、芯がある。 本の半分が知性とはずれていたけれど、自分に芯を作る、自分の生き方は自分で作る、という当たり前でもよく忘れてしまう大事なことを見せてくれた。もう一度読みたい本。
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学問、読書、遊ぶということについて述べている本。 学ぶということは、方法論を身につけることである。一部の人が本当の学問を修めればよく、あとの人は遊びたいのであれば遊べばよろしい。 最近の若者は本を読まないという批判については、昔と今では大学生の数が違い、「本を読まないような人達で...
学問、読書、遊ぶということについて述べている本。 学ぶということは、方法論を身につけることである。一部の人が本当の学問を修めればよく、あとの人は遊びたいのであれば遊べばよろしい。 最近の若者は本を読まないという批判については、昔と今では大学生の数が違い、「本を読まないような人達でも大学へ行くようになったことを喜ばなきゃいかん」といい、名著なんてものはただの流行だと切り捨てる。 遊びについては、自然を満喫と言いつつデカい車(総じて排気ガス量が多い)でキャンプ場まで乗り付けて、最近はシャワーなんてものまで浴びてたりする。まったくおめでたいことだと戒める。アウトドアやどこかに出ていかなければ、余暇・レジャーではないという流れがあるが、別に家にいてゴロゴロ読書したっていいでしょと、筆者は言う。また、個人主義が利己的であるという考えがまだ残る日本の意識は、変える必要があるというところまで踏み込む。 「方法」を身につけるー丁寧な教育は方法を学ぶ上では妨げになるー自由にし正しい方法で進めたことを認めることで、人は方法を会得する 口述だと、キーワードより文章の方がまとめやすいことを知る。手に取ったきっかけは「読書」をキーワードとするものであったが、内容としては「学問」のパートが一番好きである。
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「人が何か自分の人生というものについて非常に懊悩して、底深い問題意識があって、人生とは何なんだ、己というものは何なんだろう。こういうふうに思ったときにね、たとえばニーチェを読むとか、サルトルを読むとかいうようにして、自分の人生に対する1つの答えをそこへ求めていく。読書っていうのは...
「人が何か自分の人生というものについて非常に懊悩して、底深い問題意識があって、人生とは何なんだ、己というものは何なんだろう。こういうふうに思ったときにね、たとえばニーチェを読むとか、サルトルを読むとかいうようにして、自分の人生に対する1つの答えをそこへ求めていく。読書っていうのは、そういうときに、ここにカッコをつけて強調したいんだけど、 『その人にとっての意味』があるんだと思う」 →この林望という人、1980年代のイギリスにおける研究生活において多感な日々を送ったためか、世俗にとらわれない自由奔放な考え方をもっていて、中々興味深い。部類の読書好きで、一日中寝転がって読書することが最高の幸せとか言ってる辺り、ちょっと浮いてるんだけどね。でも、自分の仕事を「この地球の小天地に、かすかに息をしていたいということの証し」とか、ニクイことをおっしゃる^^
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厳しいからこそ、そこから 読者(特に若い世代)にむけて、 「自己を独立させよ!」という 大きく温かい声援が伝わってくる。 とても励みになる良書。 国文学者であり大学教授でもあり作家でもある著者が、 「学問」とはいったい何か、「知性」とはいったい何か、 そしてその価値は何なのかを...
厳しいからこそ、そこから 読者(特に若い世代)にむけて、 「自己を独立させよ!」という 大きく温かい声援が伝わってくる。 とても励みになる良書。 国文学者であり大学教授でもあり作家でもある著者が、 「学問」とはいったい何か、「知性」とはいったい何か、 そしてその価値は何なのかを、講義のような語り口調で綴る。 また、その知性の府たるべき 教育機関の在り方にも言及していて、 とても参考になる。 容赦なく斬り捨てるスタイルには、 反発してアレルギーをおこす人もいるだろう。 でも、アレルギーって 虚弱であるがゆえに出たりもするんだよね。 別に、それが「悪」ということじゃなくて。 そんな狭い生き方、息苦しいでしょって、 わたしも思うし、著者も語っている。 講義を聞くように スラスラと読めて、 最後のページは まさに講義修了のベルが鳴ったよう。 「ありがとうございました」と お礼を言ってしまう1冊です。
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読書の幸福(P100〜P173) ○読書っていうのは、そういうときに、ここにカッコをつけて 強調したいんだけど、「その人にとっての意味」があると思う んですね。(P105) ○どんなものであれ、そのひとにとってモティベーションがある のであれば、その本の存在価値はある。...
読書の幸福(P100〜P173) ○読書っていうのは、そういうときに、ここにカッコをつけて 強調したいんだけど、「その人にとっての意味」があると思う んですね。(P105) ○どんなものであれ、そのひとにとってモティベーションがある のであれば、その本の存在価値はある。(P107) ○内的動機なき読書を押しつけるということはね、こういう 鼻持ちならない人間を育てる可能性すら内包しているといわざる を得ません。(P111) ○だから、私は、内的動機のないところに、課題図書だの読書 感想文だのというような制度的な形で、やみくもに本を与える ということは、そういう危険をはらんでいるということを警告 したいんです。無理に与えなければね、そういうつならなかっ たなとかいうような先入主をもたせる機会もあり得ないわけだ から、何か内的な動機が湧き上がってきたときにね、自分が求 める本を自分で本棚から掴み出す。そのときを待つべきなんで す。(P114) ■内的動機を何で作るか、それは「座右の書」に出会うことな のではないか。 ○ダニエル・ペナック『奔放な読書』=「読者の権利十カ条」 第一条:読まない権利 第二条:飛ばし読みする権利 第三条:最後まで読まない権利 第四条:読み返す権利 第五条:手当たり次第なんでも読む権利 第六条:ボヴァリズム(小説に書いてあることに染まりやすい病気) 第七条:どこで読んでもいい権利 第八条:あちこち拾い読みする権利 第九条:声を出して読む権利 第十条:黙っている権利 ■とにかく、読書=敷居の高い、面倒くさいものという意識を 払拭してくれる、初級読書にはもってこいの文章。
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自分の足で歩き、自分の目で見、自分の頭を使って、主体的に外の世界と関わっていけること。そしてそのための正しい方法=ものの見方を身につけていること。そんな「本当の知性」を磨くには一体どうすればよいのか?
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「イギリスはおいしい」や「イギリスは愉快だ」などのイギリス関係のエッセイで有名な林望さんが学問・読書・遊びについて、知的生活を送る上でのノウハウを書き綴っています。 たくさんの本を読みたくなる本です。
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第一章はちょっと飛ばし読みした。第二・三章からちょっと抜粋すると ☆「(読書において)人間は悲しいことに『読破する』というそのことが自己目的になるんです。」 ☆「ダニエル・ペナックの『読者の権利十カ条』について。 1.読まない。 2.飛ばして読む。 3.最後まで読まない。...
第一章はちょっと飛ばし読みした。第二・三章からちょっと抜粋すると ☆「(読書において)人間は悲しいことに『読破する』というそのことが自己目的になるんです。」 ☆「ダニエル・ペナックの『読者の権利十カ条』について。 1.読まない。 2.飛ばして読む。 3.最後まで読まない。 4.読み返す。 5.手当たりしだいなんでも読む。 6.小説に書いてあることに染まる。 7.どこで読んでもいい。 8.あちこち拾い読みする。 9.声に出して読む。 10.黙っている。」 ☆「(旅を楽しむ第一条件は)たとえばパリに行って、一日中パリのホテルに寝そべって、(中略)気が向くとぶらぶらと外へ買い物へいって、また寝転がって本を読んでいるとか。『パリへ行ってきたわ』といったって、エッフェル塔にも登っていないし、ヴィトンにも行ってない。『じゃあ何をしてきたの?』『ホテルで寝ころんでた』って。粋じゃないですか。」 この3つのあたりがちょっと「読んだかいあったな」って思えたとこ。読書=娯楽を再認識。
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学び、読み、遊べ。やはりここでも云われているのは自主性。 知を得るための方法を。そして書物には潔く何でも書き込めと。
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【目的】 【引用】 【感じたこと】 【学んだこと】 本は自由に読む。onとoffの切り替え。 「忙即閑」 精神的な遊びと心得る。
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