蛇を踏む の商品レビュー
現実なのか空想なのかわからない話。言葉選びはすごく美しいが、結論など考えてしまう私には少しストレスが大きく「消える」まで読んで挫折した。
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「先生の鞄」の川上さんの、原型質がここにある。読まずに彼女を好きな人は、一度読んでみるといい。なかなかな感受性があらわで、只者じゃない、すごい。
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自身の小説を「うそばなし」と呼ぶ川上さんの、正に原点ともいうべき作品集。 あとがきで「うそ」の国は「ほんと」の国がすぐそばにあって、ところどころには「ほんと」の国と重なっているぶぶんもある、と書いておられる。 今回の作品集を読んで納得した。 蛇をうっかり踏んでしまったことで女に化けた蛇に居つかれてしまったり、気配を残しながらも突然消えてしまったり、と多種多様な「うそ」の国に生きる主人公達。 それらは我々の「日常」にはない「非日常」であるにも関わらず、私の心の奥がざわざわする。 この感覚に似たものを私は秘かに持っている。 特に『消える』の、結婚後徐々に縮んでしまったヒロ子にはとても共感した。 他人から見たら余り変わっていないように見えるのかもしれないけれど、結婚後、私も縮んでしまった気がしてならない。 川上さんに、心の奥にそっと仕舞っていた闇を一突きされた。
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図書室で『蛇にピアス』を借りたので蛇つながり。『先生のカバン』にはピンとこなかったけれど『これでよろしくて?』は永久保存版にするほど好みだった川上さん。一編の作品だと思って読んだら、三編の短編集でした。表題作はじっとり静かに怖いけど興味深い感じ、「消える」はうわわわわーっと思いつ...
図書室で『蛇にピアス』を借りたので蛇つながり。『先生のカバン』にはピンとこなかったけれど『これでよろしくて?』は永久保存版にするほど好みだった川上さん。一編の作品だと思って読んだら、三編の短編集でした。表題作はじっとり静かに怖いけど興味深い感じ、「消える」はうわわわわーっと思いつつもすごく面白かった。最後の夜についての話はなんとなくスーッと読めてしまったけどよくわからなかった。三編とも、うっすら怖い感じが共通していました。
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眠ったときに夢にみる超現実的な世界を文章にしたら、こんな感じになりそう。「それはありえないだろう」というような事柄を、なぜか現実として受け入れている…でもやはり困惑や抵抗もあって、最終的に受け止めきれなくなる、そんな夢。 3篇ともそうだけど、特に後になるにつれ荒唐無稽さを増していき、最後になるともう断片的なイメージの寄せ集めのようだった。それでも、何をどう考えたらいいのかも分からない形象の渦のなかで、少女の存在だけがかろうじて断片を繋ぎ、足場を与えてくれた。 ハッと目覚めたときには何も残っていないけど、それでいい。
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不思議な本を読んでしまいました。全ては虚。でも想像すると美しいようなおどろどろしいような。多分これは分からなくていいのでしょう。理解するのは不可能、考えすぎると眠れなくなってしまいそう。ただただこの作品の中にふわふわと浮いているのが上策、きっとうそうです。難しい言葉もありましたが...
不思議な本を読んでしまいました。全ては虚。でも想像すると美しいようなおどろどろしいような。多分これは分からなくていいのでしょう。理解するのは不可能、考えすぎると眠れなくなってしまいそう。ただただこの作品の中にふわふわと浮いているのが上策、きっとうそうです。難しい言葉もありましたが、並ぶ日本語はとても美しく感じました。不思議な不思議な一冊でした。とりあえず蛇は踏まないように・・・。
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公園で蛇を踏んだら、蛇が女の姿になって、自宅へ居座ってしまう「蛇を踏む」。主人公は大して動じることもなく、ちょっと困ったな、くらいにしか思っていない。日常と非日常が溶け合う世界観が好きだ。疲れてこわばった心をほぐしてくれる。一緒に収録されている「消える」と「惜夜記」も良かった。ど...
公園で蛇を踏んだら、蛇が女の姿になって、自宅へ居座ってしまう「蛇を踏む」。主人公は大して動じることもなく、ちょっと困ったな、くらいにしか思っていない。日常と非日常が溶け合う世界観が好きだ。疲れてこわばった心をほぐしてくれる。一緒に収録されている「消える」と「惜夜記」も良かった。どの作品も書き出しの一文に吸引力がある。物語の世界へ引きずりこんでくれる。
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川上さんの世界が満載の作品です。 なんとも不思議な世界です。 私としては「センセイの鞄」のような世界が好きなのですが、不思議な作家さんだなぁと思います。 蛇の冷たい感触や皮の感じを本当にヒンヤリと思い描けました。 読んでると不安に駆られる感じです。 好みがすごくわかれそうで...
川上さんの世界が満載の作品です。 なんとも不思議な世界です。 私としては「センセイの鞄」のような世界が好きなのですが、不思議な作家さんだなぁと思います。 蛇の冷たい感触や皮の感じを本当にヒンヤリと思い描けました。 読んでると不安に駆られる感じです。 好みがすごくわかれそうです。 これが苦手な人で「センセイの鞄」をまだ読まれていない方は、ぜひそちらを。
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これが初めての川上弘美 作品。 なんとも不思議な小説だが、小説らしい小説と言えば言えるのかも知れない。 作者もあとがきで、虚構の世界に遊ぶようなことを書いていたが、その通り。 それから、作者は若い人だと思っていたが、なんと同世代、私より二つお姉さんだった(^_^;)
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普段は吉本ばなな、山田詠美、江國香織 あたりの世界がすきなので どうしても内容がグロテスクに思えてしまいます。 “蛇を踏む”前半は好きですが後半がどうもコワイ。。 でも、言葉の選び方がとても芸術的なので 他の作品も気になっています。 幻聴+幻覚+少しの悪夢+芸...
普段は吉本ばなな、山田詠美、江國香織 あたりの世界がすきなので どうしても内容がグロテスクに思えてしまいます。 “蛇を踏む”前半は好きですが後半がどうもコワイ。。 でも、言葉の選び方がとても芸術的なので 他の作品も気になっています。 幻聴+幻覚+少しの悪夢+芸術=「蛇を踏む」 内容 ★☆☆☆☆ 言葉 ★★★★★ こんな感じです。
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