蛇を踏む の商品レビュー
女は藪で蛇を踏んだ。踏まれた蛇は女になって、食事を作って待っていた……母性の眠りに魅かれつつも抵抗する若い女性の自立と孤独。 第115回芥川賞受賞
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初期もすごいなあ。読んでいると厭になるくらい奇妙な世界なのだが、いつも思うけれどどこかで味わったような安心感が自分の中で生まれるのだ。中途半端な中空に浮きつつ、ここは私の居場所だという。――〝守護霊〟とかいう言葉に喩えたらいいかもしれぬ。得体は知れないんだが、安心できる感じの言葉...
初期もすごいなあ。読んでいると厭になるくらい奇妙な世界なのだが、いつも思うけれどどこかで味わったような安心感が自分の中で生まれるのだ。中途半端な中空に浮きつつ、ここは私の居場所だという。――〝守護霊〟とかいう言葉に喩えたらいいかもしれぬ。得体は知れないんだが、安心できる感じの言葉だと思う。もしくは母の胎内とか。羊水。安心できるはずだけれど、憶えていなくて、ちょっと覗くのが怖いような世界▼惜夜記が大好き。読み返したい。何度でも迷い込みたい。何度でも帰りたい。 以上読書メーターさんに投稿。 惜夜記は本棚に並べておきたいと思う、よくわからんけどとにかく好きなんだ。 蛇を踏む・消えるは……面白いけど、ちょっと気味悪い。見てはいけないものを見てしまったような感じ。こんなに中身がなくて、それでいてこんなに強烈なものを紡げるのは、天才だと思うのよ川上弘美さん。
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- ネタバレ
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誰が蛇でどこまでが蛇?と言う、結構不思議系の短編集です。読んですぐはなんとも思わないのですが、なんだか忘れたころに妙に読み返してしまう、スルメな本の一つです。
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僕にはちょっと不思議ワールドが展開されすぎた。 しかし最後まで読んだらなんか若干つかめた気がするので再読希望。 「蛇を踏む」では最初の方はまともで、 だんだんだんだんおかしな方向へ行ってしまう。編集の力か。 最初に「消える」が収録されていれば大分変わると思う。
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読み終えたあと、不可思議な気持ちになる。夢を見た日の朝みたいな感じだった。ワードが何を指し示すのか、理解できないところのほうが多いけれど、だからこそ、間をおいてまた読みたくなる。
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川上さんの小説はセンセイの鞄しか読んだことがなくて、この本はそれとは違った不思議な話が多かった。 ぽつぽつと読みたい感じ。
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ボストンに行く飛行機の中でよんだなぁって思い出の本。 成田空港で買ったんだっけ。 さっぱりした文章なんだけど、なんかにゅるっとした手触りがのこるような小説。
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01.蛇を踏む 02.消える 03.惜夜記(あたらよき) 3作品とも不思議なお話でした。 この中で私が一番気に入ったのは『惜夜記』です。 ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡』を思い出させる短篇を集めた作品でした。 この中には夜が実体を持つ=具体的な存在になるお話も入っています。...
01.蛇を踏む 02.消える 03.惜夜記(あたらよき) 3作品とも不思議なお話でした。 この中で私が一番気に入ったのは『惜夜記』です。 ミヒャエル・エンデの『鏡の中の鏡』を思い出させる短篇を集めた作品でした。 この中には夜が実体を持つ=具体的な存在になるお話も入っています。 夜はねちっこい、決して好ましくない物質になりました。 これを書いている今は8月。 昼間の暑さに対して夜の涼しさが恋しくなる季節です。 しかし、今の私には夜の訪れが少し恐ろしい。
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なんか古典小説読んでるような気分になった。 淡々と進む分臨場感はそんなにないけど、 現代の景色の流れる早さに似ているかんじ。
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いみわかんない。なのにずるずる惹きこまれる川上ワールド。書き出しの文でもう負けた、と思う。収録されてる3作の中では「消える」が一番好み。 「このごろずいぶんよく消える。」
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