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モンゴル帝国の興亡(上) の商品レビュー

4.1

10件のお客様レビュー

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視点が違う。これがこ…

視点が違う。これがこの本の一番の売りであろう。今までは海からの視点を中心に歴史が語られてきた。これは汎海洋主義史観とでも言うべきものだろう。それを陸側から海へ下るように見ればどうなるのか。それを陸の王者の代表とも言うべきモンゴル帝国に特に注目し、これの世界史における特筆すべき貢献...

視点が違う。これがこの本の一番の売りであろう。今までは海からの視点を中心に歴史が語られてきた。これは汎海洋主義史観とでも言うべきものだろう。それを陸側から海へ下るように見ればどうなるのか。それを陸の王者の代表とも言うべきモンゴル帝国に特に注目し、これの世界史における特筆すべき貢献を描き出すことで歴史に新たなる視点を提案することを試みている。自らの属する世界以外を中心とする複眼的史観は歴史から得られる貴重な教訓である。

文庫OFF

2024/02/19

この本は読みやすくする為の工夫が可也こらしてあって、索引とか、チンギスの家系図とかをみれば一応、誰が誰の子孫かくらいはわかるし、地図や勢力図もわりと頻繁に出てくるので、図示されている分、大きに理解の助けになる。 それでも物理的にあまりに広すぎて輪郭がみえてこないし、チンプンカンプ...

この本は読みやすくする為の工夫が可也こらしてあって、索引とか、チンギスの家系図とかをみれば一応、誰が誰の子孫かくらいはわかるし、地図や勢力図もわりと頻繁に出てくるので、図示されている分、大きに理解の助けになる。 それでも物理的にあまりに広すぎて輪郭がみえてこないし、チンプンカンプンになるのはもうしょうがない。モンゴルという四文字の歴史を紐解くのにモンゴル語と中国語は勿論、ペルシャ語、ヨーロッパ言語、一部インドあたりの言語まで持ち出さないといけないのだから、一筋縄でいくはずがない。 従来のステレオタイプなモンゴルのイメージを払拭して、モンゴルの株をあげ、反対にモンゴルにまつわる雑多な伝説を一刀両断に切り捨てるのが本書の狙いの一つのようで (知らんけど)、いきなり冒頭からマルコポーロは実在しなかったというから、早速狐に摘まれた気分だった。 はじめは岡田英弘の『モンゴル帝国の興亡』が読みたかったが絶版でどこも在庫なし。hontoとかには電子版で出ているには出ているが、電子版はあまり好きでないので、とりあえずある程度ふるい本で新書、と思ってみつけたのが本書。少しモンゴル贔屓すぎる気もする。 筆者のモンゴリアン・ジョークがところどころ炸裂するのも一興。と、いうわけで上巻を思ったより時間かかって読み終わったが、下巻はさらに渾沌さをますようなので、とても楽しみ (悪寒)。

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2023/07/17

モンゴルを中心に東西南北に広がった大帝国、歴史の授業でちらっとは習った気もしてチンギスとフビライくらいは聞いたことある。どうやって大きくなってどうやって小さくなっていったのか。なんとなくは知れたような。ただ名前が、多様な、また似たような名前が多すぎて取っつきにくい感は否めなかった...

モンゴルを中心に東西南北に広がった大帝国、歴史の授業でちらっとは習った気もしてチンギスとフビライくらいは聞いたことある。どうやって大きくなってどうやって小さくなっていったのか。なんとなくは知れたような。ただ名前が、多様な、また似たような名前が多すぎて取っつきにくい感は否めなかった。

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2014/05/02

空前絶後の大帝国を築いたカァン達の話。クビライが大カァンの座を確立するまでの話。なかなか面白い。下巻も楽しみ。

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2014/04/02

チンギスやクビライの話は学校で習ったり色々聞く機会もありますが オゴデイやフレグなどの話になると知らないことばかりで 大変勉強になりました。

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2013/06/09

仕事でひょんなことから中国やロシアと係るようになったわけだが、常々この両国は他の誰でもなくモンゴル帝国の末裔なんではないかなと思ってきた。というわけでモンゴル史というのは関心の範囲にあったわけだけど、悲しいかな中国やヨーロッパの目を通したモンゴルというものしか学校の授業ではやらな...

仕事でひょんなことから中国やロシアと係るようになったわけだが、常々この両国は他の誰でもなくモンゴル帝国の末裔なんではないかなと思ってきた。というわけでモンゴル史というのは関心の範囲にあったわけだけど、悲しいかな中国やヨーロッパの目を通したモンゴルというものしか学校の授業ではやらないわけで、それを是正するという点でも良い本。

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2013/01/24

ブログに感想書きました→http://d.hatena.ne.jp/victoria007/20130124/1359021936

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2012/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

蒙古斑がある人間でありながら、モンゴルのことを全くしらないことが恥ずかしかった。 モンゴル帝国といっても、一つの民族だけから成っているのではないこと。 いろいろな文化の交流地点であったこと。 騎馬民族の特徴など。 一度、モンゴルへ行ってみて、確かめたいと思うようになりました。 地元にあるモンゴル村という「ゲル」には、毎年のように泊まっていますが、 なぜか、今日まで勉強してきませんでした。 下も、早く読みたいです。

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2010/11/23

[ 内容 ] 世界史はモンゴルを待っていた―草原の遊牧国家が、ユーラシアの東西を結ぶ。チンギスから、クビライの奪権まで。 [ 目次 ] 序 歴史を語るものたち 1 時代の被造物モンゴル(モンゴル・ウルスの誕生 世界征服への道 帝国の動揺 ヨーロッパとの出会い) 2 世界史の変貌...

[ 内容 ] 世界史はモンゴルを待っていた―草原の遊牧国家が、ユーラシアの東西を結ぶ。チンギスから、クビライの奪権まで。 [ 目次 ] 序 歴史を語るものたち 1 時代の被造物モンゴル(モンゴル・ウルスの誕生 世界征服への道 帝国の動揺 ヨーロッパとの出会い) 2 世界史の変貌(クビライの奪権 フレグの旋回 多極化時代の幕明け) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/04

下巻あとがきによると、「本書では、そうした近年の成果を取り込んで、コンパクトにお伝えした。専門論文などでもまったく言及されていない事実の叙述も、率直に言ってかなりある。一行の叙述のうしろに、本当ならきっちりと呈示しなければならない厖大な文献と、その操作による立証手続きが沈み込んで...

下巻あとがきによると、「本書では、そうした近年の成果を取り込んで、コンパクトにお伝えした。専門論文などでもまったく言及されていない事実の叙述も、率直に言ってかなりある。一行の叙述のうしろに、本当ならきっちりと呈示しなければならない厖大な文献と、その操作による立証手続きが沈み込んでいる場合も多い。モンゴル時代史の研究は、なすべきこと、すすむべきことが多すぎて、一々論文などに仕立て上げていては、研究そのものを前進させる時間が足りなくなる。本書のような書物で、結論だけを「先取り」したかたちで一括してまとめる機会を与えられたのは、本当に幸いというほかはない。」とのこと。なんだか学術書としては「いいのかそれ」という感もなくはない話だが、おかげで一人の読者としては壮大でダイナミックな、新鮮な(いや、先行研究の中身あんまり知らないんだけど(^^;)モンゴル帝国の歴史を楽しむことができる。

Posted byブクログ