蒲生邸事件 の商品レビュー
超大作。長い。それでも飽きない。 タイムスリップものは、基本的にあまり好きではないのだけど。 面白かった。 ドラマ「テセウスの船」も、なんとなく見てしまったし。 タイムスリップづいてる春でした。
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二・二六事件。昭和。平成。 受験。浪人。予備校。東京。赤坂。高崎。 タイムスリップ。SF。歴史。 テレビで二・二六事件の番組を見て、読み返したくなった。 いま読むと東京の場所や建物がピンとくる。 あの頃はどう読んでいたんだろう。
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宮部みゆき全一冊を読んで、読みとばしていた宮部作品のうちこれならというもの(ゲームっぽいのは無理) を読み始めた。手始めにこれ。 何で読まなかったか…というのが、読み始めれば思い出せるのだが、これもそうで、やばっ!こっち系の宮部作品だったか…と落胆しかけたが、そこは、宮部みゆきだ...
宮部みゆき全一冊を読んで、読みとばしていた宮部作品のうちこれならというもの(ゲームっぽいのは無理) を読み始めた。手始めにこれ。 何で読まなかったか…というのが、読み始めれば思い出せるのだが、これもそうで、やばっ!こっち系の宮部作品だったか…と落胆しかけたが、そこは、宮部みゆきだから粘っていると、面白くなって、一気に読んだ…。
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うっうっ…、泣いてしまった。どういうわけかふとその気になって、すごーく久しぶりに(二十年ぶり?)再読。鮮烈に覚えているある場面があって、それがラストシーンだと思いこんでいたが、違っていた。本当のラストはすっかり忘れていたのだけど、今回読んだら、もうね、その切ないことと言ったらまあ...
うっうっ…、泣いてしまった。どういうわけかふとその気になって、すごーく久しぶりに(二十年ぶり?)再読。鮮烈に覚えているある場面があって、それがラストシーンだと思いこんでいたが、違っていた。本当のラストはすっかり忘れていたのだけど、今回読んだら、もうね、その切ないことと言ったらまあ、涙がぶわーっと出た。著者のSF的設定の作品をすべて読んでいるわけではないけれど、やはり最高傑作ではなかろうか。 子どもの頃テレビで見た「タイムトラベラー」以来、タイムトラベルものが大好物で、このジャンルには実に傑作が多いと思う。特に「過去に戻って、すでに起きたことを変えられるか」という問については、いろいろ理屈もあるが、考えるだけで刺激的で、よく練られた小説はどれも面白い。「鮮烈に覚えているある場面」というのはこのタイムトラベルに関わるもので、非常に映像的、かつショッキング。読みながら、あ、ここで出てくる!とわかっていたのに、それでも衝撃的なのだった。 タイムトラベルして過去を変えてしまったら、当然いろいろ矛盾や不都合が生じる。それをどう処理してあるかというのがSFとしての大きな読みどころなのだが、著者は、そういうジャンルSF的理屈にはあまり踏み込まない。「過去に戻って歴史を変えようとしても、大きな流れは変わらない」というのがここでの基本スタンスだ。 しかし、「大きな流れ」は変わらずとも、その時代に生きる一人一人にとっては、たった一度の人生、誰もが明日起きることを知らず、運命に翻弄されながら生きていく。作者の描き方は(いつもながら)そうしたごく当たり前の人たちに寄りそうもので、そこが何と言ってもすばらしい。 主人公の青年孝史は、タイムトラベル能力を持つ平田という男によって炎上するホテルから救われ、過去へ行く。この平田が、自らの能力を封印して生きる理由を述べたくだりが心に残る。 「私は人間になれる。まがい物の神ではなく、ごく当たり前の人間に。歴史の意図も知らず、流れのなかで、先も見えないままただ懸命に生きる人間に」「それがどんなに尊いことであるか知りもしないまま、普通の勇気を持って歴史のなかを泳いでいく人間に」 宮部作品には、こういう「超能力を持ったがゆえの苦悩」がよく登場するが(あ、最近はあまり読んでないけど、以前はそうだった)、それを共感たっぷりに描くところがすごいといつも思う。 主人公の青年孝史が、思いがけず時間をさかのぼって投げ込まれるのは、二・二六事件のさなかにあるお屋敷だ。終わり近く、クーデター鎮圧部隊を見物する人々を見ていた孝史は、突然強い思いがこみ上げて叫び出しそうになる。 「あなたたちは死んでしまう。ほとんどの人が死んでしまう。生き残る人も、それはどれほどの辛い道であることか。これから何が起こるのか、あなたたちは何も知らない」 「これは終わりの始まりなのだ。それなのにどうして、あなたたちは笑う?どうして誰も怒らない?誰も恐れない?どうして誰も立ち上がろうとしないのだ。これは間違っていると。我々は死にたくないと。なぜ止めないんだ」 今読むと、このくだりは胸に突き刺さる。今から数十年後の未来からやって来た人も、私たちにこう叫ぶのではないか。そう思えてならなかった。 ラストで孝史はある人と会う。この場面の切なさは他の名作同様、タイムトラベルに特有のもので、しみじみとした感慨を覚えずにはいられない。孝史が思いを寄せたふきちゃんは、本当に可愛いお祖母さんだったんだろうな。 以前読んだときよりずっと心にしみたのは、蒲生邸のボンボン貴之と珠子お嬢さん。上流階級の甘ったれた子女であった二人だが、貴之は未来を知りながら「臆病者としてこの時代を生き抜く」と覚悟を決め、そのように生きた。暗い目をしていた珠子が堂々たる人生を生きたことを孝史が知る場面では、孝史と共に笑いたくなってしまった。こういう救いがあるところが宮部みゆきだなあ。
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「事件」とあったから 勝手に殺人事件のミステリーだと思ったよ まさかのタイムトラベラー 孝史が「ちゃんと生きたい」って思うくらい成長したのは すごいことだし、安心した もともと素養があったのだと思う
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時間モノ×2.26事件×宮部みゆき。 2月25日。 浪人生の孝史は、火災に巻き込まれ、 危機一髪のところを平田という男に助けられる。 ところが、平田が火災を逃れて避難したのは 昭和11年の同日、つまり、2.26事件の真っ只中だった…。 しばらく、蒲生邸の使用人として働くことになった孝史と平田だったが 蒲生邸の主で、退役軍人である蒲生氏が 自決を図ったことにより、屋敷内に不穏な空気が流れはじめる。 消えた小銃。 蒲生氏の後妻と一家の確執。 孝志は小銃の行方を突き止めることができるのか。 そして、現代に戻ることができるのか。 恩田さんの「ねじの回転」が好きすぎて、 2.26事件についていろいろ調べていたら 辿りついた1冊でした。 面白かったですが、ねじには勝てないかな? その理由の一つは、登場人物に魅力を感じなかったというのがあります。 特に主人公の孝史。笑 ふきの言いつけを全く無視するは、 結局煙突直さないわ。信じられない。 君は本当にふきのことがすきだったのかい?? ふきもパーソナリティがそこまで描かれているわけではないので、 孝史がふきを猛烈に好きになった理由も分からない。 肝心の時間旅行者:平田は主に寝ているし、 貴之もキャラクターが定まらず。 うーん。珠子がまだ一番魅力的だったかな…。 あとは、2.26事件が思ったより絡まなかった点ですね。 「時間モノ」という認識で手にとればよかったのですが 「2.26事件」と思って手に取ってしまったので…。 ただ、ラストはとっても良かったです。 うるっと来てしまいました。 私は、自分の周りの人が幸せであれば、それでいいです。 平田もこの思考でとどめておけばよかったのに。 いい人すぎたのですね。
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時間旅行者の平田とホテル火災から逃げ延びるために過去にさかのぼった主人公。タイムスリップした舞台は2.26事件が起きる前日の蒲生邸。戒厳令下で閉鎖されたお屋敷内で起こる殺人事件(史実では自決とされている)。果たして犯人は?というストーリー。 面白かったんだけど宮部みゆきらしから...
時間旅行者の平田とホテル火災から逃げ延びるために過去にさかのぼった主人公。タイムスリップした舞台は2.26事件が起きる前日の蒲生邸。戒厳令下で閉鎖されたお屋敷内で起こる殺人事件(史実では自決とされている)。果たして犯人は?というストーリー。 面白かったんだけど宮部みゆきらしからぬ軽さだったように思う。やはり宮部さんはびっくりするほど緻密に、預言者みたいに描かれた社会派な感じの小説のほうが好みだなぁ。短編もいいけど。本当、宮部さんって時間旅行者なのかなって思うぐらい。「火車」とか「理由」、震える。
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「生きている蒲生大将が平河町一番ホテルに現れて、歩き回っていたのだ。 そう、過去からやって来て。」p.282
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附属図書館にて。 主人公よりも知識がないことは恥ずべきことであったが、歴史資料からあれほどの物語を考える作家に感心した。物語自体に納得はしたが、少し物足りなさを感じた。平田は孝史を助けた時、何を思ったのだろうか。一本通した人物だからこそ、彼の物語を考えたくなる。
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本当は再々再々読くらい^^ タイムトラベル+226事件で恩田陸「ねじの回転」 宮部みゆき「蒲生邸事件」があって、ふとしたきっかけでどちらかを読み返すと、もう片方も読み返したくなる。テイスト全然違うんだけど。
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