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不死の人 の商品レビュー

4

11件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

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2021/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勢いで★5つつけてしまったが、ちゃんと理解できたとは言いがたい。ボルヘスの幻想短編集。幻想と一概に言ってしまっていいものでもないように思う。 ボルヘスが作中で語るメタフィクション、SFのような作品もあり、時間を超えた2つの事件がつながることもあり、過去の実在の人物や作品の引用が奥深い印象を織りなすなど様々な現象が脈絡なく出てきたりつながったり。 引用される作品や人物は多彩で私の知識を遥かにこえているのだが、途中から知識・理解不足は気にしないことにした。その意味解釈はおそらくボルヘス流であって、にわかにネットで調べた解説などを追うよりも、ボルヘスの語りに没頭するほうが良い読書になると思ったから。 各編は語りに魔法をかけられ、浮かぶイメージが印象深くあとを引く、そんな感じ。楽しく不思議な読書体験であった。離れたふたつの時間がつながる、関係のないふたつの事件がつながる、二人の人物がいれかわっていた、語りの人が実は語られる人だった、などなど、一般的な幻想小説とは全く違った手法による。 これをマジックリアリズムというのだろうがこれまでに読んだ他のマジックリアリズムとも異なり、あっと思ったら魔法にかかってた、今度はいつかかるのだろうという期待を持つようになった。 各短編は全く関連がないようでやっぱり関連している。バラバラの時代や舞台なのに、いかにしてか。ボルヘスの術中にはまってしまった。 はじめて読んだが気になる作家だ。これからひとりボルヘス祭りを開催することにした。

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2018/01/06

2008年12月12日~14日。 「伝奇集」の方がとっつきやすい印象がある。あるいは「伝奇集」よりも難解、漠然としている、といった感じか。  神学の心得があれば、また違う見方が出来るのかも知れない。  面白かった。  しかしそれは「判らない」苛立ちに対する甘味な諦念をも含...

2008年12月12日~14日。 「伝奇集」の方がとっつきやすい印象がある。あるいは「伝奇集」よりも難解、漠然としている、といった感じか。  神学の心得があれば、また違う見方が出来るのかも知れない。  面白かった。  しかしそれは「判らない」苛立ちに対する甘味な諦念をも含んでいる。

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2014/05/06

 アルゼンチンの作家、ホルへ・ルイス・ボルヘス著。17の短編が収録。  「伝奇集」よりはやや印象が薄い。  最も面白かったのは表題作の「不死の人」だった。ボルヘスにしては長い話で、30Pくらいある。内容的にはそこまで難解ではないのだが(その難解さがボルヘスの魅力とも言える)、砂漠...

 アルゼンチンの作家、ホルへ・ルイス・ボルヘス著。17の短編が収録。  「伝奇集」よりはやや印象が薄い。  最も面白かったのは表題作の「不死の人」だった。ボルヘスにしては長い話で、30Pくらいある。内容的にはそこまで難解ではないのだが(その難解さがボルヘスの魅力とも言える)、砂漠の中の都の雰囲気がなんとも神話じみていて、心に残る。その他、「神学者たち」「アステリオーンの家」「アベンハカーン・エル・ボハリー おのれの迷宮にて死す」なども、神話・宗教じみていて興味深い。  また、「ザーヒル」「アレフ」あたりはまさにボルヘス節としか言いようのない観念的・哲学的な話で、さすがだと思った。  ただ、たまにボルヘスが書く、ならず者が出てくるような短編がどうにも私は好きになれない。結末が「普通」といった印象を抱いてしまう(あっさりした結末でも神話風だとオリジナリティーを感じるのだが)。この系統の話なら、他の作家の小説に、もっとスケールが大きくて奥深いものがある気がするのだ。

Posted byブクログ

2013/11/04

昨日正倉院展に行って、宝物を入れる箱やら袋やら、宝物庫を調査した書類やらが宝物のように展示されてるのを見て面白さを見出せたのはボルヘスのおかげだと思う 不死の人 神学者たち この二つが良かった が

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2013/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この作品集を読んで、ものすごくはっきり納得できたことが一つある。私にとっては、それだけでも相当に意義深い。 ボルヘスはボルヘスゆえ(=マジックリアリズムが世界的注目を集める以前からこの作風)、いわゆるラテンアメリカ文学という括りのみで語ることは難しいという意見ある。本書を読んで、私は膝を打って納得してしまった。 もともと尋常じゃない読書量にして、意外と通俗的(?)な本も読んでいるっぽいのは、『続審問』を読めば分る。 で、描く作品の多様性というか、確かにマジックリアリズムとは違う手法が垣間見えるのが本作というわけだ。 いくつかの作品からはSF的なイメージすら感じる(J.G.バラードらが描くインナースペースものに限るが)。 ほかの作品集では、ミステリーふうのもそう言えばあったっけ…… 私の中で、ボルヘスって何者!? の答えがふわっとだけど掴めた、掴めちゃった作品(笑)

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2013/07/14

原題『エル・アレフ』。余計な修飾を切り詰め独特の比喩を用いた語感は五感を狂わし、幾何学的な作品構造は時に時空間の常識を逸脱し己の認知を惑わせる。初読時には本作にもあるミノタウロスの迷宮に迷い込んだ様な気分にさせられたが、知性と論理を駆使することで何とかアリアドネーの糸を見つけ出し...

原題『エル・アレフ』。余計な修飾を切り詰め独特の比喩を用いた語感は五感を狂わし、幾何学的な作品構造は時に時空間の常識を逸脱し己の認知を惑わせる。初読時には本作にもあるミノタウロスの迷宮に迷い込んだ様な気分にさせられたが、知性と論理を駆使することで何とかアリアドネーの糸を見つけ出した。しかしながら脱出した先に見えてくるのはボルヘスの持つ膨大な知識に対する憧憬であり、もはや迷宮に挑む前の風景には戻れない。迷宮を脱出した後は、その知によって今度は世界が逆に迷宮化してしまうのだ。唯一無二の読後感なのは間違いない。

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2021/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ボルヘスは学生時代に好きだった作家の一人で、無限、円環、相似、迷宮などをテーマにした幻想的な短編にずいぶん入れ込んだのを覚えている。猫町読書会今月の課題図書に「伝奇集」が指定されたので、、せっかくの機会だから十数年ぶりに読み返してみようと、手元にあった「不死の人」を再読。当時ほどの感銘は受けなかったが、やはりこういう短編は大好きだ。 いくつかの書物への言及は自分の理解を越えていて、それが古典のパロディなのか架空の書物への参照なのかも判然としないのだが、幻想の中で細かいことを気にしても仕方がないので気にしない。お気に入りは日本語の表題にもなっている冒頭の「不死の人」。ホメーロスをモチーフにした奇想天外なストーリーを展開しつつ、無限に続く時間の意味を考察して、無限に広がる世界が一点に集約される末尾の原著表題作「アレフ」と好対照をなす。

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2012/11/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不死の人 ★わたし。ホメーロス。朝の雨に言葉を思い出す。誰でもない者。 死んだ男 神学者たち ★火に焼かれて。 戦士と囚われの女の物語 タデオ・イシドーロ・クルスの生涯 エンマ・ツンツ アステリオーンの家 ★ミノタウロス。14=無限。 もうひとつの死 ★時間を遡る、あるいは人々の記憶が書き換えられる。 ドイツ鎮魂曲 アヴェロエスの探求 ★悲劇、喜劇、演劇。鏡を見た瞬間にすべてが消散する。 ザーヒル ★それを見たものは死ぬまでそれのことしか考えられなくなるもの。 神の書跡 ★神の一文。ピラミッドの碑文。ジャガーの斑点。 アベンハカーン・エル・ボハリー おのれの迷宮にて死す ★入れ替わり。 ふたりの王とふたつの迷宮 期待 敷居の上の男 アレフ ★すべてが同時に見られる。記憶と忘却。彼女の貌ですらも。 エピローグ

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2012/02/14

記念すべきブログの公開日である本日8月24日はボルヘスの誕生日。 それに因んで初レヴューをボルヘスにします。 アルゼンチンの盲目の幻想作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編集「不死の人」(土岐恒二訳 白水ブックス)に「ザーヒル」は収録されている。 ボルヘスの紡ぎ出す小説世界は常に言...

記念すべきブログの公開日である本日8月24日はボルヘスの誕生日。 それに因んで初レヴューをボルヘスにします。 アルゼンチンの盲目の幻想作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編集「不死の人」(土岐恒二訳 白水ブックス)に「ザーヒル」は収録されている。 ボルヘスの紡ぎ出す小説世界は常に言葉の迷宮のようであり、始めも終わりもないようなウロボロスのごとき物語りを彷佛とさせる。 ある時、ボルヘスが釣り銭として受け取ったザーヒルという名の貨幣からその思索の冒険は始まる。  『ブエノスアイレスではザーヒルといえば20センターボに当たるふつうの貨幣である。グージャラートにおいて18世紀の末頃、ザーヒルといえば虎のことであった。ジャワでは、信者に石で責め殺されたスルカルタの回教寺院の盲人のことであった。ペルシアでは、ナーディル・シャーが海峡に沈めたアストロラーベのことであった。テトュアンのユダヤ人街では井戸の底であった。』(ザーヒル本文より抜粋) すなわちザーヒルとはすべてのものの名であり、アラビア語では「明らかな」「目に見える」という意味を持っている。 個人的にもザーヒルというワードは思い出深いのです。

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2010/05/30

[ 内容 ] 永遠の生命を求めて砂漠の中の不死の人々の都にたどりついた古代ローマの将軍の怪奇な運命…ギリシア・ローマ・バビロニア、現代ドイツ、アルゼンチンなど時間と空間のさまざまな迷宮の中に人間の不条理な生を描くボルヘスの傑作短篇集。 [ 目次 ] [ POP ] [ ...

[ 内容 ] 永遠の生命を求めて砂漠の中の不死の人々の都にたどりついた古代ローマの将軍の怪奇な運命…ギリシア・ローマ・バビロニア、現代ドイツ、アルゼンチンなど時間と空間のさまざまな迷宮の中に人間の不条理な生を描くボルヘスの傑作短篇集。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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