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雍正帝 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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支配とは支配される側…

支配とは支配される側にこそ決定的な決定権があるという。権力を集めれば集めるほど権力は空洞化する側面がある。自らを強く律し、臣下の尻を叩き、あるべき政治を目指した雍正帝が、結局傍から見れば独り芝居のような空回りに終わってしまったのはそれを強く印象付けるものである。しかし、著者の言う...

支配とは支配される側にこそ決定的な決定権があるという。権力を集めれば集めるほど権力は空洞化する側面がある。自らを強く律し、臣下の尻を叩き、あるべき政治を目指した雍正帝が、結局傍から見れば独り芝居のような空回りに終わってしまったのはそれを強く印象付けるものである。しかし、著者の言うようにそれは無駄ではなかった。まず、誰よりも権力を行使する者がどのような姿勢であるべきかをこの本は雄弁に語っている。

文庫OFF

2026/03/25

この著者の作品は初。期待以上の面白い。著者の筆と主人公の魅力か。 清王朝と満州民族を双肩にになった雍正帝の人物とその政治手法(奏摺政治:地方官から私的上奏を受けて私的に返信する)は大変興味深い。 特に第4章天命の自覚。著者は書く「微塵も誤魔化しをせず、一事もなげやりにせず・・・。...

この著者の作品は初。期待以上の面白い。著者の筆と主人公の魅力か。 清王朝と満州民族を双肩にになった雍正帝の人物とその政治手法(奏摺政治:地方官から私的上奏を受けて私的に返信する)は大変興味深い。 特に第4章天命の自覚。著者は書く「微塵も誤魔化しをせず、一事もなげやりにせず・・・。おそらくこれほど良心的な帝王は、中国の歴史においてはもちろん、他国の歴史にもその比を見ないことであろう。」 併載「雍正硃批諭旨解題」は、本編「雍正帝」より学術的書きぶり。本編を補強し内容も深い。

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2026/03/27

清王朝の皇帝としてまず名が挙がる、康煕帝と乾隆帝の間に即位した第五代皇帝雍正帝の評伝。ガチガチな学術書のような体裁だが、小説のような軽いタッチの文章で読みやすい。 組織の末端まで把握して独裁政治を機能させるため、官吏から私的に上奏させ、それに対する意見や指摘、添削を朱書きで返送す...

清王朝の皇帝としてまず名が挙がる、康煕帝と乾隆帝の間に即位した第五代皇帝雍正帝の評伝。ガチガチな学術書のような体裁だが、小説のような軽いタッチの文章で読みやすい。 組織の末端まで把握して独裁政治を機能させるため、官吏から私的に上奏させ、それに対する意見や指摘、添削を朱書きで返送する制度には驚かされる。それをまとめた雍正硃批諭旨には率直な言葉で褒めたり批判したり罵倒する雍正帝の意見が残されており面白い。真面目な独裁皇帝という極めて属人的な政治手法だが、雍正帝の治世が13年で終わらずに続いていたら、唐王朝の玄宗などのように治世前半の英明さと相反して後年には政治に膿む、又は後漢の光武帝のように最後まで完璧皇帝であったのか、興味は尽きない。夜遅くまで政務に当たり大量の上奏文に目を通して硃批を書き込む、皇帝以外に特権階級は存在しないという考えから奴隷を解放、太子密建を確立して暗愚な皇帝の排出を防ぐなど、皇帝としては極めて勤勉で優秀だが、こんな人の部下は大変だろう。「雍正帝の政治は正に善意にあふれた悪意の政治」は言い得て妙。古代から独裁政治で統治されていた中国は未だにその影響から逃れられていない。

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2023/12/24

康熙帝と乾隆帝に挟まれてやや目立たない雍正帝について取り上げた本書。出版の古い2冊をまとめたもので、現代の歴史文庫・新書に比べれば語り口は軽快である。 精力溢れる雍正帝は独裁君主として官僚機構の統治に腐心し、その解決策の1つとして地方官吏から直接の意見上申を重視した。報告に対する...

康熙帝と乾隆帝に挟まれてやや目立たない雍正帝について取り上げた本書。出版の古い2冊をまとめたもので、現代の歴史文庫・新書に比べれば語り口は軽快である。 精力溢れる雍正帝は独裁君主として官僚機構の統治に腐心し、その解決策の1つとして地方官吏から直接の意見上申を重視した。報告に対する皇帝の返信も含めて、その一部が出版までされており、雍正帝の辛辣だが政務に励む様子を現代に伝えている。

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2023/12/17

『甄嬛傳』をみてすっかりはまり、雍正帝とはどんな人だったのかが気になって買ってしまった。きっとマニアックで難解なのだろうなと思って読み始めたが、予想外に大変読みやすかった。 本書は、1950年に出版された同題の岩波新書と、1957年の論文「雍正硃批論旨解題 - その史料的価値 -...

『甄嬛傳』をみてすっかりはまり、雍正帝とはどんな人だったのかが気になって買ってしまった。きっとマニアックで難解なのだろうなと思って読み始めたが、予想外に大変読みやすかった。 本書は、1950年に出版された同題の岩波新書と、1957年の論文「雍正硃批論旨解題 - その史料的価値 -」を一冊にしたもので、両文章とも元は岩波書店『宮崎市定全集』巻14に収録されていたらしいが、同題の岩波新書はすでに絶版。 雍正帝についていくつかの角度から観察しているが、全体を通して「摺子」が頻繁に現れ、本書の主眼がこの「摺子」にあることがわかる。 著者は雍正帝について研究しているうちに『雍正硃批論旨』なる出版物の存在を知り、読み始めたところ面白くてとまらなくなり、同好者を募って研究会を催し、ついには正式な組織となった。 そこまで筆者の心を鷲掴みにした『雍正硃批論旨』とはどうゆう内容だったのか、というのが豊富な例文を引きながら紹介されているのが本書。惜しむらくは、実物の写真がないこと!これは講談社の怠慢。 しかし、語り口調があまりに軽快な上に、可也細かい経緯や背景まで書かれているので、正直どこまでが歴史でどこからが空想なのかわからないところがあった (特にスーヌのくだり)。しかも本編には一切参照文献が挙げられていない。 そう思って巻末の解説を読んでいると、なるほど、あのスーヌの章は、フランス滞在中に買った『イエズス会書簡集』を参照したらしい。あの頃の世界情勢が著者を中国から遠ざけたようにみえて、実際は廻り道してさらにマニアックな知識を得ていたというあたり、歴史学者のまさに鑑。 第一章はどうやら清實錄の康熙朝實錄からいくつか引用しているらしい。

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2022/10/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主に雍正帝の統治の在り方について書かれている。 彼の治世は独裁政治として理想的なものだったと同時に、 彼自身の努力と人並みはずれた才能がなにより必要だった ということがよくわかった。 雍正帝を通して独裁政治の限界も浮き彫りになる内容だった。 内容もさることながら、読み手を飽きさせない、軽さはないがリズミカルに感じる文章が心地よかったです。

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2020/07/19

康熙帝と乾隆帝の間でちょっと地味なイメージの雍正帝。しかし、雍正帝の堅実な仕事が清王朝を支えたといえる。 そんな雍正帝について書かれた一冊。

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2020/05/23

雍正帝は、八代吉宗の頃、中国宋明以来の独裁政治を完成させた名君です。もちろん頭も良かったのでしょうが、高い倫理観と真面目な性格で自らを刻苦勉励させながら理想の統治を目指しています。中国四百余州の管理者は行政の状況を報告し、皇帝は朱筆を入れて指導します。全国を直接指導監督するという...

雍正帝は、八代吉宗の頃、中国宋明以来の独裁政治を完成させた名君です。もちろん頭も良かったのでしょうが、高い倫理観と真面目な性格で自らを刻苦勉励させながら理想の統治を目指しています。中国四百余州の管理者は行政の状況を報告し、皇帝は朱筆を入れて指導します。全国を直接指導監督するということは、文字どおり身を刻む負担であり、13年の統治期間の精神的肉体的負担を考えると痛ましさを感じます。次の乾隆帝は名君とされますが、雍正帝あっての乾隆帝だということがわかります。

Posted byブクログ

2020/03/29

広大な中国を一人の人間が統治できるのか、挑戦をした人の本です。やっぱり無理かな?と思ってしまいます。

Posted byブクログ

2020/01/27

宮崎市定氏による「雍正帝」の本。 清朝に詳しくないのだが(中国史全般にいえるが)、それでも筆者の詳しい記述により、興味を持って読めた。 もちろん、難解な部分もあったが、それは、自分の勉強不足のせいだろう。 予備知識があれば、もっと素晴らしい本になっているはず。 世界史的に言...

宮崎市定氏による「雍正帝」の本。 清朝に詳しくないのだが(中国史全般にいえるが)、それでも筆者の詳しい記述により、興味を持って読めた。 もちろん、難解な部分もあったが、それは、自分の勉強不足のせいだろう。 予備知識があれば、もっと素晴らしい本になっているはず。 世界史的に言えば、康熙帝と乾隆帝に挟まれているので、地味な存在なのだが、この雍正帝の功績によって、清朝の統治が完成したといってもいい。 生活に苦しむ民衆に善政を施す、これこそが絶対君主の天命であるという強い意志と、行動力、権力をもつのが雍正帝だった。 前書きより。 「そして彼ほはこれらの名君と優に比肩し得る治績を挙げた。おそらく数千年の伝統を有する中国の独裁政治の最後の完成者であり、その実行者であったといって過言ではない。」(10ページ) 他のレビューにもあるが、雍正帝による「雍正硃批諭旨」。その解題も必読。

Posted byブクログ