狗神 の商品レビュー
因襲に縛られた平家の…
因襲に縛られた平家の落ち武者の末裔の村、男と女・一族のどろどろした関係が紡ぎ出す不気味さがたまりません。坂東作品の中ではかなり秀逸なホラー作品。
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田舎の独特の雰囲気が…
田舎の独特の雰囲気が、より怖さを増幅させてます。最後は、とても切なくなりました。
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タイトル通りです!!…
タイトル通りです!!! 夜読まない方が良いですよ 笑
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映画で、この本のこと…
映画で、この本のことを知りました。映画ではエロティックな雰囲気がビシバシ伝わってきましたが本ではホラーのほうがちょっと勝っていたように思います。古い因習にとらわれた人間が、一番恐ろしいと感じました。私は映画のほうが好きだな。
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古い農村の因習のおぞ…
古い農村の因習のおぞましさをまざまざと感じました。それだけにラストは切ないです。
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土佐の犬神伝説をもと…
土佐の犬神伝説をもとに書かれたホラー。土着特有の雰囲気が存分に味わえる作品です。
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どこで買ったのか記憶にはないがそこそこ最近手に入れたはずの本。 昔は角川ホラー文庫をよく読んでいたものだが、最近はあまり読んでなかったので久しぶりのゾクゾク。 帯に『「血」の惨劇が幕をあけたーー』とあるので、村人全員滅びるとか狗神に食い散らかされるとか狗神の狂気が村人に伝染して殺戮の宴が…! という展開を予想していたのだが、特にそんなことはなく、いや、死者はとんでもない人数になってはいるけど、津山三十人殺し的なことではなかった。紙漉きを生業にする女性が淡々と暮らしていく日々が描かれていき、あんまり血の惨劇感はないなぁ、と改めて見直したら… 『「血」の悲劇』だった。 「血」… そういうことか!狗神筋の血ということか… それだったらまあ、納得の血の悲劇だわ。 最初に男性が善光寺の胎内めぐりみたいなやつをしていると、なぜか出口がわからなくなり、同様に迷っている女性と途方に暮れている間に女性の話を聞き始めると… 女性の過去語りが始まる。 女性の村には、一見支配階級にありそうな大きな一族、坊之宮家がある。その一族の人でもあるが色々あってあまり一族には関わっていない、村で紙漉きを嗜む41歳の女性が主人公。 女性は過去、若いときに子供を死産していてそれ以降は結婚もせず、一人でずっと仕事をしている。村の人達は苦手だけど、村自体は好きというおとなしい女性。平和に暮らしていければいいんだけど、これってホラー小説なのよね。 静かに暮らそうとしていたのに、若いイケメンの中学校先生と激しい恋に落ちて子供までできてしまうが、その先生は実は女性の息子というそらもうインモラル。そもそも若いときの子供も、知らなかったこととは言え実の兄との子供だったわけで、血が濃くなりすぎている! でもイケメンも言っていたように、お互い知らなきゃ関係ないっちゃあ、ない。なにかの力が働いてるのかってくらいサバサバしすぎな気もするが。 しかし、狗神様はせいぜい主人公の憎しみに呼応して相手を呪ったり、最悪殺したりしてしまうくらいだけど、村の人間は30人以上の坊之宮家の人々を一気に焼き殺すという、桁が違う残虐さを振りかざし、しかも物語の最後で別に罪を償っているわけでもなく、ショットガンで殺人したジジイすら普通に生きているという… やっぱいっちゃんおっとろしいのは狗神様じゃねぇ、狗神様を弑し奉ろうとする一般村人だべぇってなった。 タイトルは実は「狗神(より怖いのはやっぱり人)」なのかもしれない。 しかし、最初の男性もなにか血の関係がありそうだが、坊之宮家は絶滅してそうなんだよなぁ。
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初めて読んだ坂東眞砂子氏の作品。トリックのあるミステリーなのか、ホラーなのか‥‥ホラーでした。濃い血の繋がり、いわゆる近親相姦と、閉鎖された山村での村八分が描かれています。ドロドロですが、先が気になって、あっという間に読破。
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なんとも業の深い物語である。 前作『死国』と同じく作者の故郷、高知の山村、尾峰という閉じられた空間を舞台に、昔ながらの風習が息づき、「狗神」を守る坊之宮家とそれらに畏怖の念を抱く村の人々の微妙な関係をしっかりした文体で描いている。 前作『死国』でも感じた日本の田舎の土の匂いまでも感じさせる文章力はさらに磨きがかかっていると感じた。後に『山妣』で直木賞を獲るその片鱗は十分に感じられた。 そして今回は物語の語り方が『死国』よりも数段に上達したように感じた。 まず主人公の美希の人物造形である。 この41歳の薄幸の美人の境遇に同情せざるを得ないような形で物語は進んでいくのだが、次第に明かされていく美希の過去のすさまじさには読者の道徳観念を揺さぶられる事、間違いないだろう。 結婚を諦めざるを得ない原因となった高校時代での妊娠。 しかしその相手が従兄である隆直だという事実。 そしてその隆直が実の兄だったという三段構えで、この美希の業の深さをつまびらかにしていく。 その他にも、物語の前半で美希の人と成りを彩る色んな小道具が、実は美希の業の深さを知らしめるガジェットであることを知らされる。特に美希が毎日手を合わせる地蔵の真相には胸の深い所を抉られる思いがした。 まさか死んだ我が子がその下に埋められているとは。しかも尾峰の言い伝えである、死んだ赤子を路傍に埋め、石を載せないと甦るという迷信から石を地蔵に仕立てたなどという、驚愕の設定なのだ。 この坂東眞砂子という作家は、人間が正視したくない心の奥底に潜む悪意というものを眼前に突き出すのが非常に上手い。「これが人間なのだ」と決して声高にではなく、静かに読者に語りかける。云うなれば、そう、人間が獣の一種なのだという事実、獣が持つ残忍さを秘めている事を改めて思い知らされる、そんな感じがした。 そして坂東眞砂子氏の文学的素養というのも今回確認できた。 まず美希が晃と山中での雨宿りの最中に初めて交わるシーン。これは歴代の日本純文学から継承される恋愛シーンの王道だろう。三島由紀夫氏の『潮騒』を思い出してしまった。 私自身が一番好きなのは晃が美希と結婚することを決意した際に、不審な目で二人を見つめる村人の視線に真っ向から対峙したときに美希が晃を頼もしく思うシーンだ。これは私が結婚を決意する時の心情に似ていたからだ。 「もし世界中の人が俺の敵になっても、こいつだけが俺の味方だったら、それで十分だ」 この思いと等価だからだ。これはストレートに我が胸に響いた。 他にも美希に対しては住みよいとは云い難い尾峰を、美希が好きだというところの台詞、 「ここにおったら・・・、空に飛びだせそうな気がするき」 なんていうのも胸に響いた。 前作『死国』では物語のメインテーマ「逆打ち」を中心に色んな人々が状況に取り込まれていく様を描く、いわゆるモジュラー型の構成を取っているのに対し、今回は美希からの視点のみでしかも尾峰で起こることのみを語っている。このような構成上、前作よりも単調になりがちだと思うのだが、全く物語がだれることなく、終末へ収束していく。全く退屈する事が無かった。 それは前にも書いたように、手品師が一枚一枚、布を捲りながら種明しをするように、徐々に事実を明かしていくその手法によるところが大きい。この構成からも坂東眞砂子氏が格段に進歩したのが如実に解る。 構成といい、文章といい、もっと評価されてもいいのだが、子猫を殺すなんていうスキャンダルのせいで変なところで話題になっている作家である。実に勿体無い話だ。
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おっっもしろかった………。田舎の美しくも閉鎖的な雰囲気の描写がとにかく良かった。それに村人たちの、狗神筋の一族への畏れと憎しみが悪意となる様もおぞましくていい。 作品は違うんですが同著の死国って映画の(原作は未読)映像や雰囲気がとてもよかったんだけど、あの映画の田舎の雰囲気がこの...
おっっもしろかった………。田舎の美しくも閉鎖的な雰囲気の描写がとにかく良かった。それに村人たちの、狗神筋の一族への畏れと憎しみが悪意となる様もおぞましくていい。 作品は違うんですが同著の死国って映画の(原作は未読)映像や雰囲気がとてもよかったんだけど、あの映画の田舎の雰囲気がこの本でもまざまざ感じられました。 それに、美希と晃のロマンスがとてもいい。誠一郎は幸せになってくれ…。 おぞましくて悲しく、でもどこか美しい話だった。すごく好き。
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