風紋(上) の商品レビュー
前半からすでに泣いて泣いてぐだぐだになった本 自分が母親だからか親子の話は最近とても弱いみたいで・・・ 犯罪事件の被害者家族と加害者家族。 その苦悩を徹底的に追求していく名作である。 もしも・・・まさか・・・なんていくらでもある話だからこそ 怖いですね 主人公が立ち直っていく...
前半からすでに泣いて泣いてぐだぐだになった本 自分が母親だからか親子の話は最近とても弱いみたいで・・・ 犯罪事件の被害者家族と加害者家族。 その苦悩を徹底的に追求していく名作である。 もしも・・・まさか・・・なんていくらでもある話だからこそ 怖いですね 主人公が立ち直っていく過程をもっと読みたいのなら 自作の晩鐘を読みましょう。
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なんでこんなに人間の心理描写がうまいんだろう・・・ 大好きです! 続編の「晩鐘」もすごくよかった!!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校教師とその学校に通う娘の父兄が進路相談の末、不倫関係に堕ち、諍いの挙句に殺人事件に発展してしまう。 被害者と加害者の遺族に課せられた不幸な運命を生々しく描く長編。 あまつさえ、その間柄は父兄と教師という危険な匂いを放つためマスコミの心を鷲掴みにする。 一つのテーマをこれでもか、というくらい語りつくしている。加害者・被害者の関係者となることで世間から浴びせらる罵詈雑言、または、他人事ゆえの野次馬根性、被害者家族に向けられる厚かましいまでの同情の目。 ほとぼりが冷めるまで平穏に暮らすことさえも許されない。判決が言い渡されて、マスコミの興味が失せたとしても、遺族の物語はそこで終わるわけでもなく、むしろ、そこからが自分について向き合える始まりであるということを思い立たせる。 まるでノンフィクションのように感じられる。正直、読んでて「ぐだぐだだな」とか「ここまで長く書く必要はあるのか」と感じていたが、よくよく考えると事件の当事者としては同じことを何度も考え、悩む。それはもう三途の川岸で石を積み重ねる子供のように延々とした作業と同義である。早く楽になりたい一心で――。 同じことを何度も書くことで、当事者の精神的不安定さがよく描かれている。結構気力のいる作品でした。
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かなり極太だけど読み応えあり。この後の救いのない展開がきになる。ただ時代が少し古いのでポケベルなど日常品の古さが残念
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夫と二人の娘(高校生と浪人中の娘)を残して殺害された母親、彼女の長女を受け持っていた高校教師の犯人。その2家族は事件から沸き上がってきた波紋に翻弄されていく。 犯人の家庭、被害者の家庭、どちらも世間にさらされ、興味本位な関心に傷ついて。
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殺人事件に巻き込まれた被害者・加害者家族の淪落と再生の物語。 被害者の娘・真裕子、加害者の妻・香織の二人の心の動きを中心に描かれ、それに新聞記者の建部、担当刑事・進藤と検察官・速水の視点を加えて、派手ではないものの充分読み応えのあるものでした。 直木賞受賞以前の秀作です。
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1つの事件によってその周りも慌ただしく動くその様が 女性らしさを残しつつ男性っぽいタッチで描かれていて力強い。 グイグイと読んだ上下巻。
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再生というのはあまりに明るい言葉の選びすぎてちょっとそぐわないが、家族の苦悩というと今度は無造作すぎる。 風紋は被害者の家族、手紙は加害者の家族の物語。 風紋は、個人的には乃南アサのベストワン。私はこの人の作品が好きでずいぶん読んでいるのだけど、これが一番メッセージがダイレ...
再生というのはあまりに明るい言葉の選びすぎてちょっとそぐわないが、家族の苦悩というと今度は無造作すぎる。 風紋は被害者の家族、手紙は加害者の家族の物語。 風紋は、個人的には乃南アサのベストワン。私はこの人の作品が好きでずいぶん読んでいるのだけど、これが一番メッセージがダイレクトに響く。 手紙は、泣けるとかいう歌い文句のわりに淡々と進んだが、最後の一ページで完全にやられた。 どちらも秀逸なエンタテイメントだった。
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東野圭吾『手紙』を読み終わったあとに、犯罪の加害者・被害者の心情というものについてもう少し考えたいと思って手に取った本。 『手紙』が加害者の弟としての苦悩を長きにわたって描いた作品であったために、この『風紋』も、加害者・被害者や周囲の人々の人生を長いスパンで見ていくものだと勝手...
東野圭吾『手紙』を読み終わったあとに、犯罪の加害者・被害者の心情というものについてもう少し考えたいと思って手に取った本。 『手紙』が加害者の弟としての苦悩を長きにわたって描いた作品であったために、この『風紋』も、加害者・被害者や周囲の人々の人生を長いスパンで見ていくものだと勝手に想像していた。(作者も違うのにね) しかし『風紋(上)』では、被害者である高浜則子が殺害されてから2週間程しか経過しない。542ページもあるのに、である。 その代わり、則子の家族や、加害者(と上巻ではされている)の家族の状況や心情が細かに描かれている。それが読むほうに鮮明にリアリティを与えている。殺人事件が、すぐそこで行われているような気さえしてくる。 内容は、新しい発見があるというわけではなく、自分が想像できるけど、詳しくは知らなかった世界を事細かに教えてくれた、そんな上巻でした。 下巻、そして続編もあるらしいから、これからに期待!! <登場人物メモ> 高浜則子(母):殺人事件の被害者。 高浜 (父):家庭を顧みない父親だったらしい。愛人あり。則子の遺体を確認したときは泣きじゃくっていたが、事あるごとに損害賠償の話を持ち出すなど、なにかアヤシイ。 千種(姉娘):大学受験2浪中。遊びほうけ家には帰らなかったり、暴力をふるったりと手のつけられなかった娘らしい。繊細な一面を持った子。 真裕子(妹娘):高校2年生。快活な子で、普通の高校生活を行っていたが、突然の母の死に驚き、未だに受け入れられずにいる。 松永 :私立女子高の教師。千種の恩師でもある。殺人事件の被告として事情聴取を受けている。則子と浮気していた?殺害については認めているものの、何か隠している印象。 松永香織(妻):突然の知らせを受け、心身ともに衰弱。 うーん、続きが気になる。でも、心が重くなるねぇー。
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2009.11 久々の大長編でした。でも読み応えあり、一気に読みました。 母を殺された女子高校生とその家族の犯罪被害者としての心のうちを追っています。マスコミの一人として真実を取り上げること、話題を提供すること以外に娘たちに引かれる新聞記者。 いきなり犯罪者の妻となり、人生に悲観...
2009.11 久々の大長編でした。でも読み応えあり、一気に読みました。 母を殺された女子高校生とその家族の犯罪被害者としての心のうちを追っています。マスコミの一人として真実を取り上げること、話題を提供すること以外に娘たちに引かれる新聞記者。 いきなり犯罪者の妻となり、人生に悲観的になる香織。 殺人事件を犯人を解き明かす話ではなく、ちがう視点で追っていく話です。 お勧めです。
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