パラサイト・イヴ の商品レビュー
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「私」が異物に浸食されていく恐怖。 利己的な体内の住人は、決して無自覚な宿主に従順でいてはくれない。細胞培養によってグロテスクに変貌を遂げる「彼女」、そして臓器移植によって潜伏し容れ物を作り変えていく「彼女」。新時代のイブの誕生の瞬間に向けて計画が進む中、いたいけな女性達が犠牲になっていくのが結構えげつなかった。 只このミトコンドリアさんちょっと素で変態すぎるので後半の恐怖はすっかり薄れてしまった感がある。ある意味本筋の物語よりも、臓器移植をめぐる回想や、作者ならではの学会準備のくだりの話のほうが面白かった。
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なかなか面白いサイエンスホラーでした。 ミトコンドリアの反乱と言う面白い視点で話が進んで行きます。核が細胞を支配しているのではなく、実はミトコンドリアに踊らされて進化をしてきて、ミトコンドリアが数億年を掛けてその支配を乗っ取るというSFで人類滅亡の危機が訪れて、、、 序盤の薬学部...
なかなか面白いサイエンスホラーでした。 ミトコンドリアの反乱と言う面白い視点で話が進んで行きます。核が細胞を支配しているのではなく、実はミトコンドリアに踊らされて進化をしてきて、ミトコンドリアが数億年を掛けてその支配を乗っ取るというSFで人類滅亡の危機が訪れて、、、 序盤の薬学部の実験や腎移植の云々かんぬんは正直そこまで詳細に丁寧に解説してもらわなくても良いかなぁ、ちょっとダラダラ感があり、そこだけはマイナスポイントでしたが、本題に入って行くと展開も早く最後まで飽きずに楽しめました。 久しぶりに他の作品も読みたい作家さんに出会いました。次はブレイン・ヴァレーを読んでみよう!
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ミトコンドリアが寄生(パラサイト)するサイエンス・フィクションです。 物語は重要人物それぞれの過去と現在を行き来しながら進みます。 専門用語がたくさん。でも重要視せず軽くスルーしても十分理解できました。 主人公(?)の妻が事故により脳死状態になり、臓器移植することから始まり...
ミトコンドリアが寄生(パラサイト)するサイエンス・フィクションです。 物語は重要人物それぞれの過去と現在を行き来しながら進みます。 専門用語がたくさん。でも重要視せず軽くスルーしても十分理解できました。 主人公(?)の妻が事故により脳死状態になり、臓器移植することから始まりますが、20年以上前の出版当時と、脳死や臓器提供についての認識に時代差を感じました。 普段SFは好んで読むことはありませんが、ページをめくるのが楽しかったです。 強いて言えば、ホラーを感じなかったので、☆は4つにしました。これは読み手の想像力の問題かもしれませんが…
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我々の細胞と共生しているミトコンドリアによる反乱が題材の小説です。 ミトコンドリアは独自の遺伝子を持ち、単細胞生物の名残がある細胞小器官です。 この共生が無ければ、我々は動き移動することもできません。 エネルギーを管轄するミトコンドリアが自由意思を持ち、人間を裏切ったらどうなるか...
我々の細胞と共生しているミトコンドリアによる反乱が題材の小説です。 ミトコンドリアは独自の遺伝子を持ち、単細胞生物の名残がある細胞小器官です。 この共生が無ければ、我々は動き移動することもできません。 エネルギーを管轄するミトコンドリアが自由意思を持ち、人間を裏切ったらどうなるか。 彼ら・彼女らには、これからも仲良くいてもらいたいと思える一冊。
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この書籍は、瀬名秀明氏の作品の内〝人間の細胞にあるミトコンドリア”研究者の一人の主人公「永島利明」が側面する不可解な事件の話。 事の発端は、主人公の妻が事故にあい、脳死判定されて臓器移植したことです。
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ホラー小説大賞受賞、ということで読みました。 設定はおもしろかったけど、専門用語の羅列が多過ぎて ほとんど飛ばしたことだけ覚えています。。
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先日、『猿人ルーシーの死因は木から転落か?』という記事を読んでから急に気になった本書。 共生というテーマを軸に据えた展開はとても興味深く面白かった。
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前半80点後半40点といった作品です。 まず、とても読みやすく処女作とは思えない筆力。 さらに科学的知識を駆使し、これから一体どうなるんだろうと期待させられ凄く楽しみに読み進んでいったのだが、後半はただの二流ホラーになってしまった。 当時は斬新だったのかもしれないが、今見ると到...
前半80点後半40点といった作品です。 まず、とても読みやすく処女作とは思えない筆力。 さらに科学的知識を駆使し、これから一体どうなるんだろうと期待させられ凄く楽しみに読み進んでいったのだが、後半はただの二流ホラーになってしまった。 当時は斬新だったのかもしれないが、今見ると到底高い評価はつけられない。 特に思ったのが、eve1の馬鹿さと人間臭さ、主人公の空気感がとてもこの作品の邪魔をしてること。 結局eve1が一人で問題を起こし自滅するというなんとも言えない話。 更にこの作品の場合、所々に「こうしたらホラーっぽいでしょ」「こうゆう場面があれば気持ち悪いし、怖いでしょ」という作者の考えが透けて見えてとても冷めた。 正直これで高い評価を受けたことがイマイチ納得できない。 ただ、前半は面白く読めたし、新しい知識も手に入れられたから、読んだ価値はあった。 前半は、オススメです。
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SF/ホラー/サスペンス/生物学 ミトコンドリア、高校時代に習った記憶が。 ミトコンドリアを物語の中心にするという設定がすごい。 序盤から既に怖かった。 映画も観たいな。
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恐ろしすぎた。 確かに、物体のない霊とかも恐ろしいのだと思う。しかし、脅威の対象が自分の細胞に生存している"ミトコンドリア"だとどうだろう。逃げる、助けを求める、攻撃する……。どんな手も効かないのだ。恐怖の頂点を目指したのかと思わせるほどの恐ろしい話だった。...
恐ろしすぎた。 確かに、物体のない霊とかも恐ろしいのだと思う。しかし、脅威の対象が自分の細胞に生存している"ミトコンドリア"だとどうだろう。逃げる、助けを求める、攻撃する……。どんな手も効かないのだ。恐怖の頂点を目指したのかと思わせるほどの恐ろしい話だった。ただ、有り得るのか有り得ないのか、私の知識では想像もつかないが、SFのような、それも常軌を逸するほどの非現実的な話だと感じた。また、レシピエントの腎のミトコンドリアが最後に落ち着いたのがナゼかも分からなかった。 とにかく、早く面白くて気持ちが明るくなるような、そんな話が読みたい。不安で苦しくてどうかなりそうだ。
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