痾 の商品レビュー
結局一番印象に残った…
結局一番印象に残ったのって、「わぴ子」だな・・・。「わぴ子」て・・・。それにしても主人公には全く感情移入できなかった。前作以上に。
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和音島の後遺症で記憶…
和音島の後遺症で記憶喪失になった如月烏有は連続放火魔になってしまう。すると焼け跡から焼死体が発見され、さらに彼のもとに脅迫状が届く。「夏と冬の奏鳴曲」と対になっていて推理空間の崩壊を感じさせる。また烏有がメルカトルによって推理小説論などの世界に誘われるが、そこが伏線として用いられ...
和音島の後遺症で記憶喪失になった如月烏有は連続放火魔になってしまう。すると焼け跡から焼死体が発見され、さらに彼のもとに脅迫状が届く。「夏と冬の奏鳴曲」と対になっていて推理空間の崩壊を感じさせる。また烏有がメルカトルによって推理小説論などの世界に誘われるが、そこが伏線として用いられている。その見方が非常に興味深い。「翼」「奏鳴曲」「痾」と読むともっと引きずり込まれるだろう。しかし単体で見ると少し無理を感じさせる。
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前作『夏と冬の奏鳴曲…
前作『夏と冬の奏鳴曲』の続編にあたる。これまたトリックが、そんなのありなのかの部類に属する作品だと思う。
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「春と秋の奏鳴曲」の続編であり、前作のネタバレがあるため、続けて読むなら前作から読んだほうが良い。 前作の主人公烏有は、事件のショックで記憶の一部を失っている。その記憶を取り戻すために、なんと放火を行ってしまう。さらに、放火現場からは、身に覚えのない死体が発見される。 烏有は自分の犯罪(放火)の発覚を恐れるために、殺人犯を探そうとするのがメインストーリーである。「なぜ放火をしてしまうのか」「殺人犯はどうやって放火の場所に死体を置くのか」という理由は突拍子もないが、犯人に至る推理などは前作よりも筋道だっているように思う。 また、今回も烏有は探偵役ではなく、銘探偵メルカトル鮎が実際の探偵役だろう。 本筋とは関係ないが、烏有の同僚の言葉から、「幼い頃自分の身代わりになって死んだ恩人のために恩人と同じ人生を辿ろうとするも、能力が及ばず挫折する」という、映画の主人公と同じ人生を歩んだ人物は、烏有の他にも複数選ばれ、出版社に雇われているようだ。他の同僚も、同じなのかもしれない。 この烏有という人物は、前述の人生を歩んでいるせいか陰気だし自分より弱い動物に暴力を奮ったりする、あまり魅力的な人物には描かれていない。 しかし、人間としての弱さを全面に出すことで、読者に共感させるような人物像にしているのかもしれない。
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ん~、ミステリ?……ギリギリ、ミステリかなぁ…。 『翼ある闇』『夏と冬の奏鳴曲』の衝撃をまともに受けた読者は、本作品を読むときに最初から身構えてる。受け身の体勢を取ってる。そしたらそれほどでもなくて、肩透かしをくらう。 ほら、もうまともに評価できない体になっちゃってる。 ひとつ思ったのは、これらはメルカトル鮎シリーズとか呼ばれてるけど、シリーズっていうには語弊があるなぁと。同じ時間の同じ世界で起こった出来事、ってくらいのスタンスで臨むべきではないか。 一応全てにメルカトル鮎出てくるけどさ…。ほんとに出てくるだけだし。通りすがりのヒトみたいに。 その上で、本作品は一番メルが活躍してるかな、とは思った。 連続放火殺人事件と、オジサン殺されてた事件が、こんな風に繋がるとは思ってもみなかったので、そこはお見事でした。 けど、真相が犯人(の1人であるところのわぴ子)からの告白状で初めて明らかになるって…「推理どこいった?」ってツッコミ入れるレベル。絵を見て暗示にかかった、って結論も、推理では届かないよね?そこ、って愚痴りたいレベル。 この乱暴な真相は意外に「そうなんですねぇ」って受け入れちゃったけど。 “桐璃”が “ ”付きなのは、烏有は桐璃の存在自体を脳から消してるので、周りの証言が桐璃の存在を保証してるだけで、自分では確かめようがないから、と解釈した。 ていうかやっぱりニセモノぽい。ほんとの桐璃のほうが可愛いげがあった。嘘ついて烏有をコントロールしようとしたりしてさ、ヤなやつ。 (私は桐璃双子説は採ってないので、ちょっと錬成手順の展開甘かったんじゃね?と思えてならない)。 最も謎なのは、編集長。たまたま烏有が記憶失くしてくれてるからいいようなものの、和音島行ったら正体バレるのは目に見えてたでしょ。帰ってきた烏有をどうするつもりだったんだろうか…。
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作者の本を初めて読んだのは、多分「隻眼の少女」でただただ「おぉー」と思って読み切ったんだけども、なんだかいろいろ腑に落ちない点がちらほら。読む順番を間違えた(夏と冬の奏鳴曲は未読だった)こともあり、登場人物の相関関係を知らずに読んでるところも理解不足に拍車をかけてしまった。「翼あ...
作者の本を初めて読んだのは、多分「隻眼の少女」でただただ「おぉー」と思って読み切ったんだけども、なんだかいろいろ腑に落ちない点がちらほら。読む順番を間違えた(夏と冬の奏鳴曲は未読だった)こともあり、登場人物の相関関係を知らずに読んでるところも理解不足に拍車をかけてしまった。「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」は読んでたんだけども、昔過ぎて中身を覚えておらず、メルカトルや木更津のキャラ設定も曖昧。再度、順番通り?に読み直した方がいいかもしれないなと思った。
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麻耶雄嵩の連作小説の一つ(勝手に位置づけ?) 『夏と冬の奏鳴曲』の事件のことが描かれていた。もっと早く気づけば早く読みたかった!そしてまた、読み返したくなる。 『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』に続くのか? ワクワクが止まらない! 銘探偵メルカトル鮎の活躍がうれしい。 麻耶さんの本にしては意外に辻褄があっていた、これでも。 もっとひどい読者への裏切りを予想していたため、読後感は他のものよりいい、これでも。 一歩間違うと壁本にもなりかねない麻耶さんの本なのでこれはこれで満足、私的には。
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『夏と冬の奏鳴曲』を数年前に読んだが、真相説明がほとんどないままに終わり、理解できず、ネタバレサイトを読んで確認したが、それでも論理的に説明ができない、辻褄の合わない箇所があり、ミステリーというよりも「世にも奇妙な物語」にすぎないと思い、不満に感じたことを憶えている。 本作品は最後にちゃんと真相が明かされているので、『夏と冬の奏鳴曲』よりも印象は良い。 記憶の一部を失った如月烏有の戸惑い、苦悩ぶりを描いた青春小説として読めば面白いし、御子神の語る芸術論や能の話も作品世界と良くマッチしていて、興味深い内容であった。 木更津悠也とメルカトル鮎の共演作品だが、本作品では、木更津の影は薄い。一方、メルカトルの方だが、他作品でのブラックな印象とは打って変わって、烏有を導き、励ます役割を演じているのは意外であった。 メルカトルの予言どおり、この先、烏有は名探偵としての活躍を見せることがあるのだろうか。 (ネタバレ) 暗示や洗脳によって、殺人や放火が行われるという設定自体、全く現実味がないので、やはり、「世にも奇妙な物語」にすぎないという印象を持ってしまう。 また、殺人と放火の行われた日が、わぴ子が絵を見せた日だから同じというのはまだ許せるとしても、殺人が先で放火が後という順番が続くのは、ちょっとでき過ぎではないだろうか。
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新刊絶版なので図書館にて。 前作あってこその今作なので、これ自体の評価はこんな感じ。それにしても、うゆーさんこんなに嫌なやつだとは…笑 引用したいところがあったのだけど、本を会社に置いてきてしまったのでまた後日。
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さいどくー。ここまで中身を忘れてると天晴れを通り越して、情けない。 時間的には『夏と冬の奏鳴曲』のすぐ後の話。のっけから、前回の主人公、如月烏有うゆう氏、記憶を無くしております。しかもバナナの皮で滑って頭を打って。麻耶くん、ふざけてるのかそうじゃないのか分からないわ……。 ...
さいどくー。ここまで中身を忘れてると天晴れを通り越して、情けない。 時間的には『夏と冬の奏鳴曲』のすぐ後の話。のっけから、前回の主人公、如月烏有うゆう氏、記憶を無くしております。しかもバナナの皮で滑って頭を打って。麻耶くん、ふざけてるのかそうじゃないのか分からないわ……。 で、前回のヒロインである舞奈まいな桐璃とうりの名前はほとんど『“桐璃”』と表現され、わざわざ両端にチョンチョン(正式名称忘れた)をつける理由はなんだろう、と悩んでおります。前作のラストがラストだっただけにねぇ…… しかもね、よく分からないんだ。前作の事件の結末が違うんだよ。この作品では“桐璃”が全部忘れてしまった烏有さんに話してあげてるんだけど。それが違うんだ、前回と。彼女がわざと違うことを話したとも考えられるけど。 あと、前作で散々烏有さんがこだわっていた彼の過去が、今作では彼の仕事場の先輩の過去として語られている。 どういうことだ? 一体作者は何の意図があって、こういうことをしているんだ? そのうちこれを全部ひっくるめた解決編とかが出て来るのか? それとも単にわざとめちゃくちゃにしているだけか? 扉開いたところの作者の言葉で「タイトルの意味は読みすすめていけば分かる」とか書いてあるけど。これ「やまい」って意味だよな。つまりはみんな(前作も含め)病気ってことかしら。 ちなみにこの話、時間的に『翼ある闇』の少し前らしい。だから元気なメルが出て来るんだ。 よく考えれば木更津に香月くんにメルに烏有さん、と結構豪華キャスト。 04.07.23
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