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ねじまき鳥クロニクル(第2部) の商品レビュー

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34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/05/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「起承転結」 で表すならば、 〈第1部〉は起と承。 〈第1部〉では色々な人が 次々と現れて、何故だか それぞれの不可解な人生に ついてえんえんと語る。 そして、 主人公がひたすら耳を傾ける。 というのがひとつの主な流れで、 それはまるで短編集を 読んでいるような感覚でした。 それともうひとつ、 1部のレビューで書き忘れてたので こっちで書きますけど、トニー滝谷の 家も近所だとは驚きでした。笑 以前読んだ時はまだトニー滝谷という 短編の存在を知らなかったもので。 そういった点でも読み返すと新しい 喜びがあっていいですね。 そして〈第2部〉は承と転。 とことん落ちる所まで 落ちて、そこから少しずつ 今までの自分の在り方を振り返り、 これからを新しく見つめ少しずつ 立ち直っていく。というのが ひとつの流れ。 特にぼくは井戸におりるシーンが 好きで、何度読んでも深い落ち着きが あってどこか惹かれるところが あるから不思議です。 〈第1部〉が短編集のような風貌だった のに対して、〈第2部〉では一つの 物語として流れが成熟していく 印象を強くうけました。 そして最後のプールのシーンが 最も美しく、力強く感動的で 今までの停滞していたものを 吹き飛ばす風のように気持ち良く 〈第2部〉を締めくくっています。 この次へ繋げる締めくくりが 実に見事なのです。 そして物語はいよいよ最終楽章へと 進んでいきます。 読むのにかかった時間:3時間 こんな方にオススメ:モヤモヤの中にいる方 *これから「1Q84」を読もうとしている方は、 先にこちらを読んでおくと通常より 大さじ1杯分くらい楽しめることでしょう(*´∀`*)ノ

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2012/02/26

本田亨の妻クミコは家出をした。失意の亨は近所の廃屋となった庭に残された井戸の底に潜って思索する。叔父の言葉に従い、11日間人々の顔だけを眺めて過ごし、一人の男を追跡してアパートへ。バットで襲われるが反撃する。加納クレタにクレタ島で一緒に暮らさないかと誘われ、その気になるが、結局は...

本田亨の妻クミコは家出をした。失意の亨は近所の廃屋となった庭に残された井戸の底に潜って思索する。叔父の言葉に従い、11日間人々の顔だけを眺めて過ごし、一人の男を追跡してアパートへ。バットで襲われるが反撃する。加納クレタにクレタ島で一緒に暮らさないかと誘われ、その気になるが、結局は行かない。空き家の井戸の底に身を横たえ思索しているうち、いつか電話をかけてきた謎の女はクミコだと気付く。  相変わらずつかみ所のない小説だが、ポイントポイントでは引き込まれる。何か雰囲気が変わった描写を「大きな船がかじを切ったように」などとするのは、才能なのかなやっぱり。長い物語だが、次編でいよいよ決着が付くのか?

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2011/09/19

高校時代、この2巻の最後あたりから訳わからんとキレてしまった。 改めて読むと… 確かに相変わらずよく分からないんだけど、「面白い!」と思った。 世界の表と裏のような話が頻繁に出てくる。それはカフカにつながる部分もあると思うんだけど、この話の方がジワジワ書かれているイメージ。...

高校時代、この2巻の最後あたりから訳わからんとキレてしまった。 改めて読むと… 確かに相変わらずよく分からないんだけど、「面白い!」と思った。 世界の表と裏のような話が頻繁に出てくる。それはカフカにつながる部分もあると思うんだけど、この話の方がジワジワ書かれているイメージ。 2巻では主人公がその世界の表・裏的なことに気づき始めて終わる。 1巻はパズルのピースに過ぎなかったのだと僕は気づく。 3巻は主人公が旅に出るのかな、「世界を巡る旅」みたいな。 この話を面白く読めるようになるなんて、やれやれ僕も大人になったようだ。

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2011/03/07

村上さんの長編というと、たいがい奥さんに逃げられる話ですが。 今回も逃げられています。 自分よりずっと若い女の子も、コンパス役で出てくる。 でも、この物語では第二部に入って、流れが変わってきます。 逃げられっぱなしではないらしい! 第三部ではどうなるんだろう?

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2017/04/16

物語の中の「超自然的」に見える物ごとを、分析するのではなく、文章から浮かんだ映像を体感しながら読んでいくと、自分自身も実体を無くしてシュールな空間に漂うような浮遊感を覚えます。失踪した妻、顔にできたアザ‥不可思議なことが連続しますが、SFでも推理小説でもなく、どのカテゴリにも属さ...

物語の中の「超自然的」に見える物ごとを、分析するのではなく、文章から浮かんだ映像を体感しながら読んでいくと、自分自身も実体を無くしてシュールな空間に漂うような浮遊感を覚えます。失踪した妻、顔にできたアザ‥不可思議なことが連続しますが、SFでも推理小説でもなく、どのカテゴリにも属さない物語。春樹氏自身、アメリカにいた4年間に没頭して書いた作品であり、作品中の「壁抜け」を実際に体験したといいます。 私が今まで当たり前のようにしてきた読書をするという作業を、もう一度別の角度から見直した作品。 初版時に読了。再読。

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2010/06/04

二巻目。村上さんがこの物語を二巻で終らせるつもりだったと聞いたときは本当にびびった・・・。流石というべきか。唐突に現れては消えてしまう女たち。深まる謎と明らかになる事実。枝から枝広がり続ける物語に脳味噌全部を乗っ取られる感じがする。

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2010/05/14

2作目。本田さんの話や間宮中尉の話の伏線を回収する。そしてついに謎の女をクミコだと気付く。このへんはほとんど読者は気付いているだろうがようやく主人公が気付くという感じ。しかし笠原との関係やマルタ姉妹との関係等まだまだ謎が多い。 この作品はかなり楽しい。

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2010/02/27

『人生というものは、その渦中にある人々が考えられているよりはずっと限定されたものなのです。人生という行為の中に光が射し込んでくるのは、限られたほんの短い期間のことなのです。あるいはそれは十数秒のことかもしれません。それが過ぎ去ってしまえば、そしてもしそこに示された掲示を摑み取るこ...

『人生というものは、その渦中にある人々が考えられているよりはずっと限定されたものなのです。人生という行為の中に光が射し込んでくるのは、限られたほんの短い期間のことなのです。あるいはそれは十数秒のことかもしれません。それが過ぎ去ってしまえば、そしてもしそこに示された掲示を摑み取ることに失敗してしまったなら、そこには二度目の機会というものは存在しないのです。そして人はその後の人生を救いのない深い孤独と悔悟の世界になって、人はもう何ものをも待ち受けることはできません。彼が手にしているものは、あるべきであったものの儚い残骸に過ぎないのです。』 この文章に心打たれました。 寂しいけれど、どうしようもないこともあります。 過ぎ去ってしまったチャンスはもう取り戻せないのです。

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2009/12/14

ここまで読んでも何が起こってるか分かりません。でも何かが起こってるのが分かりはじめます。第三部が本編か?でもページをめくる手は止まらない。不思議。

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2009/10/04

2009/2/16(〜p124),17(〜p243),18(〜p356終) 前作にくらべると、物語の展開がとても面白くて、登場人物もそれぞれが躍動的だったと思う。(話の内容は躍動的ではないが、登場人物の個性がそれぞれ生かされ目立っていたと思われた) 特に私は加納クレタがとてもす...

2009/2/16(〜p124),17(〜p243),18(〜p356終) 前作にくらべると、物語の展開がとても面白くて、登場人物もそれぞれが躍動的だったと思う。(話の内容は躍動的ではないが、登場人物の個性がそれぞれ生かされ目立っていたと思われた) 特に私は加納クレタがとてもすきだった。 第1部に続き、第2部も十分楽しませていただきました。

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