陰翳礼讃 の商品レビュー
18 開始:2023/6/7 終了:2023/6/11 感想 いつの間にか喪われた黒。文明の光は物怪を追払い人間の領分を広げた。しかしアイデンティティも失った。今からでも取り戻せるだろうか。
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インテリアについて調べてるとよく目にするタイトルなので読んだ。全部は読んでないんだけど、表題作は読めたので読了にしちゃえ。
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視点と考察の深さが読んでいてなるほどと思わされて面白過ぎる。 始:今日、普請道楽の人が準日本風の家屋を建てて住まおうとすると、電気や瓦斯や水道等の取附け方に苦心を払い、何とかしてそれらの施設が日本座敷と調和するように工夫を凝らす風があるのは、自分で家を建てた経験のない者でも、待...
視点と考察の深さが読んでいてなるほどと思わされて面白過ぎる。 始:今日、普請道楽の人が準日本風の家屋を建てて住まおうとすると、電気や瓦斯や水道等の取附け方に苦心を払い、何とかしてそれらの施設が日本座敷と調和するように工夫を凝らす風があるのは、自分で家を建てた経験のない者でも、待合料理屋旅館等の座敷へ這入ってみれば常に気が付くことであろう。 終:まあどう云う工合になるか、試しに電燈を消してみることだ。
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日本の装飾や芸術、日用品などの良さは陰翳の中でこそ生きるということが書かれている。確かにお寺や神社、城などにある装飾品などを思い出すと、なるほどと腹落ちする。 この本が書かれた時代でその状況だから、今はもっと進んでしまってるんだろう。この先、例えば50年後くらいに今の文化を振り...
日本の装飾や芸術、日用品などの良さは陰翳の中でこそ生きるということが書かれている。確かにお寺や神社、城などにある装飾品などを思い出すと、なるほどと腹落ちする。 この本が書かれた時代でその状況だから、今はもっと進んでしまってるんだろう。この先、例えば50年後くらいに今の文化を振り返って、良かったところを見つけられるのだろうか。
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陰翳にこそ美の真髄があるとする、日本古来の美意識について述べられた本作は、日本という特異な文化的背景の中で醸成された精神世界や実生活の様式に対する深い考察のもとに著され、文学界隈のみならず例えばデザインの世界などでもときにバイブルのように評されることも多い、日本文学の金字塔のひと...
陰翳にこそ美の真髄があるとする、日本古来の美意識について述べられた本作は、日本という特異な文化的背景の中で醸成された精神世界や実生活の様式に対する深い考察のもとに著され、文学界隈のみならず例えばデザインの世界などでもときにバイブルのように評されることも多い、日本文学の金字塔のひとつである。 たしかに、私は日本人の一人として、本書で述べられるような日本的あるいは東洋的な美的感覚、美意識は価値をつけ難いほどに尊いと思うし、谷崎がこれをしたためた当時よりもさらに時代がくだって完全に西洋文明に取って代わられた現代日本の生活社会の中に置かれて、このような日本的な美がすっかり見えなくなった現状に、やはり寂しさや残念さを感じないわけにはいかない。 しかし私が何に残念さを感じるかといえば、たとえば建築であったり服飾であったり日用品であったりに日本的な美が反映されていることがほとんどないという現実に対してではなく、それを裏打ちする、谷崎が指摘するような奥床しい精神世界がほぼ失せていることに対して、である。そして、そういう感覚=センスが皆無であるばかりか、そういうことに思いが到る遥か前段階の知能と経験値しか持ち合わせていない人間に限って、日本人は他の民族より優れていて高尚だとか、これは日本人にしかできないことだとか、誤りも甚だしい無知蒙昧な論拠で『陰翳礼讃』的言説を持ち出してきて、虚構の民族主義、もとい人種差別主義を掲げていて、恥ずかしい限りである。Twitterなどで日本国旗をアイコンにしているようやつほどその手の痛い手合いで、人を傷つけるような「日本人的美意識」に反することばかりに日々邁進しているいわゆるネトウヨという有様なのだから矛盾も甚だしく閉口する。 少なくともSNSというメディアには、陰翳を礼讃するような精神世界が入り込む余地は全くないし、SNSと切っても切り離せない今の世の中で、『陰翳礼讃』を正しく解することのできる読者は少ないであろう。正しく理解されないのなら谷崎にとっても不本意であろうし、誤った思想に利用されかねないので、本作は現代人にはあまり読まれない方が良いのではないかとさえ思ったりもする。 しかし、谷崎は、当時ですでに失われかけていた陰翳を文学によって呼び戻した。現代に生きる我々に、陰翳を呼び戻す手段があるとすれば、それは文学ももちろん含めたアートでありデザインではないか。鑑賞力のある人間は現代にも少なからずいる。実生活の具象としてではなく、人々の心の中に、美しき陰翳が呼び戻されることを願ってやまない。
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教養といえばコレ。と紹介してもらったので読んでみました。 なんか良い。何が良いのか上手に言語化できないけど、「雰囲気の良い読み心地」といった感覚ですかね。旅先で一人静かに読みたいです。外国に行った時に読んで日本に思いを馳せるのも良いですね。書いてあることは「最近の日本の照明は明...
教養といえばコレ。と紹介してもらったので読んでみました。 なんか良い。何が良いのか上手に言語化できないけど、「雰囲気の良い読み心地」といった感覚ですかね。旅先で一人静かに読みたいです。外国に行った時に読んで日本に思いを馳せるのも良いですね。書いてあることは「最近の日本の照明は明る過ぎ(・ε・`*)」っていう谷崎潤一郎のボヤきなんですけど。 最近部屋の照明が明るすぎて、昼白色から電球色の電球に変えてみました。ちょっと暗すぎて他の間接照明で補完しているけど、とても落ち着いて夜の時間のひとときがが気持ちよくなりました。暗いほうが静かな空間も心地いいし、音楽をかけても気分が上がるんですよね。ご飯もゆっくり食べたくなります。暗さが空間を引き立てることを実感しました。
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陰影への礼賛から始まり、世界でみた東西、日本でみた東西の比較だったりの話もあり。持論のエッセイかと。タイトルでの陰影礼賛では陰の奥深さが美しい文章で語られるので情景がしっかり想像できるので読んでいて楽しい。あと、難しい漢字が多く、読了まで思ったより時間がかかった。 だがとても良い...
陰影への礼賛から始まり、世界でみた東西、日本でみた東西の比較だったりの話もあり。持論のエッセイかと。タイトルでの陰影礼賛では陰の奥深さが美しい文章で語られるので情景がしっかり想像できるので読んでいて楽しい。あと、難しい漢字が多く、読了まで思ったより時間がかかった。 だがとても良い一冊だったので谷崎潤一郎の他の書籍にも興味を持ちました。
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東洋は、光るものよりも沈んだ翳りのあるものを好む。 浅く冴えたものよりも濁りを帯びた光 漆器の椀 蓋を取って口に持っていくまでの間、暗い奥深い底の方に容器の色と殆ど違わない液体が音もなく澱んでいるのを眺めた瞬間の気持ちである。 口に含む前にぼんやり味わいを感じる
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タイトルの通り陰影を礼賛する内容。陰影を用いる日本文化を手放しで持ち上げるのではなく、抑制のきいた文章で淡々と語られていく内容に妙に引き込まれる。写真もよかった。手元のおいておき、いつでも読み返せるようにしておきたい本だと思う。
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陰翳礼讃(いんえいらいさん) 今から89年前の雑誌に載った話!古ぅ!でも今読んでも面白いってどんだけすごいの(笑)陰翳(光の当たらない影の部分)の美しさについての評論エッセイみたいな感じでした。読んでて、芸人の小藪が書いたみたいって思った(笑)鋭くて、そこにこだわる?!ってびっく...
陰翳礼讃(いんえいらいさん) 今から89年前の雑誌に載った話!古ぅ!でも今読んでも面白いってどんだけすごいの(笑)陰翳(光の当たらない影の部分)の美しさについての評論エッセイみたいな感じでした。読んでて、芸人の小藪が書いたみたいって思った(笑)鋭くて、そこにこだわる?!ってびっくりで、でも納得!そして面白い。昔の言い回しとか言葉は難しかったけど、海外の文化や技術が押し流されてきて、さみしい・もったいないっていう気持ちになるのは、想像できたし共感できた。(調べたら、この本でいう西洋とか海外って、ドイツイギリスフランスのことらしい)弟に勧められて読みました⚽️♪ memo 同じ白いのでも、西洋紙と和紙ではちがう。 奉書や唐紙の肌は、柔らかい初雪の面のように ふっくらと光線を中へ吸い取る。 そうして手触りがしなやかであり、 折ってもたたんでも音を立てない。 それは木の葉に触れているのと同じように 物静かで、しっとりとしている。 沈んだ翳りのあるものを好む 涼を納(い)れる最上の法 イルミネーションや電飾で月見をフイにした 気骨(きぼね) (自分の信念を守って、どんな障害にも屈服しない強い意気) 人倫五常の道 西洋 女性崇拝の精神、自分以上に仰ぎ見て膝まづく心 崇高、悠久、厳粛、清浄なもの、聖母マリア なぜ日本では 女性に優しくすることが、武士らしいことと 一致しないで、惰弱(だじゃく)に流れると されなければならなかったのか 【個人的にココめっちゃ気になる笑 続きなかったのが残念(moon streaming tears)】 古人の万化に瞑合する、天地の悠久を悟る、 神仙合一の境に遊ぶ、というのが山登りの趣味 ときどき自分を日常生活の連鎖から 切り離す必要がある そんな目的のために旅に出るときは…
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