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陰翳礼讃 の商品レビュー

4.1

293件のお客様レビュー

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2014/04/07

陰影の話、旅の話、厠の話など、谷崎潤一郎の美学が語られる。 谷崎の時代と現代ではだいぶ感覚に隔たりがあるのは否めないけれど、 たとえば陰影に美を感じる日本人とそうでない西洋人との違いなど、なるほどと思わされることも多かった。 細かいなーって苦笑してしまう部分もあったけれど、本当に...

陰影の話、旅の話、厠の話など、谷崎潤一郎の美学が語られる。 谷崎の時代と現代ではだいぶ感覚に隔たりがあるのは否めないけれど、 たとえば陰影に美を感じる日本人とそうでない西洋人との違いなど、なるほどと思わされることも多かった。 細かいなーって苦笑してしまう部分もあったけれど、本当にこまやかな感性の持ち主だったんだろうな。 そしてそれを表現する力を持った人だったのだと思う。

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2014/03/19

陰翳礼讃 / 谷崎 潤一郎 / 2009420 (4/8)  建築から女性美、料理のプレゼン方法等々、西洋文化と日本文化を対比した、現代にも通じる説得力のあるエッセイ。小生も若いことは西洋至上主義だったが、だんだんとその考えを改めるようになった。そもそもどちらが優位にあるとい...

陰翳礼讃 / 谷崎 潤一郎 / 2009420 (4/8)  建築から女性美、料理のプレゼン方法等々、西洋文化と日本文化を対比した、現代にも通じる説得力のあるエッセイ。小生も若いことは西洋至上主義だったが、だんだんとその考えを改めるようになった。そもそもどちらが優位にあるということではなく、その土地ごとの背景が必ずあるものであり、それを理解した上で、文化を評しないと超がつくうわべだけの判断になってしまう。  また、西洋が素晴らしいという教育を受けてきたというのもあるのだろう。しかし、本当にそうなのか?なぜそうなのか?という点がこれまで小生にはなかったのかもしれない。しかし、徐々におかしさに気付き、印象では持っていても、しかしそれを体系だって、言葉としては持ち合わせてなかった。それが具現化したものという点で素晴らしい。  多くの日本人に読まれて、もっと日本文化と尊ぶ雰囲気になってほしい。  古い日本家屋や寺社仏閣に入ったときに感じる「なんとなく落ち着く」感覚のルーツを発見したような気になって、うれしく思った。日本人としての美意識はわたしにもちゃんと残っていたんだな。  この本のきっかけ:新聞記事か何か。黒田友香がお勧めの書として紹介(以外にも)  WIKI陰翳礼讃: 『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)は、谷崎潤一郎の随筆。「経済往来」昭和8年12月号・9年1月号に掲載。 陰翳を愛でるという、日本的な感覚が書かれた随筆である。建築、照明、紙、食器、食べ物、化粧、能や歌舞伎の衣装など、多岐にわたって陰影の考察がなされている。 日本的なデザインを考える上でも注目され、原研哉が『デザインのデザイン』の中でも触れている。

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2014/02/24

表題作、陰翳礼賛が印象的であった。漆塗りの茶碗や羊羹と器の関係、金色の仏壇や屏風とそれを映えさせる日本家屋の作りなどなど、現代を生きる日本人にはなかなか得難い感性を呼び起こしてくれた。

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2014/02/23

明るく輝く美しさではなく翳りの持つ秘めた魅力を説く表題作から身近なトイレの話まで、著者の豊かな日本語とともに哲学的な表現を楽しめる一冊。「恋愛と色情」と題された一編では平安期から昭和初期までの日本女性の置かれた状況から西洋女性との比較まで及んでいるが、この文豪が現代の日本女性を見...

明るく輝く美しさではなく翳りの持つ秘めた魅力を説く表題作から身近なトイレの話まで、著者の豊かな日本語とともに哲学的な表現を楽しめる一冊。「恋愛と色情」と題された一編では平安期から昭和初期までの日本女性の置かれた状況から西洋女性との比較まで及んでいるが、この文豪が現代の日本女性を見たらと想像するだけで可笑しい。

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2014/01/21

メインの「陰翳礼賛」よりは、「客ぎらい」の方が谷崎の人となりが露わになっていて面白かった。 文章がうまい。こういう文章を書きたい。

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2014/01/13

谷崎潤一郎による、西洋と日本の文化の違いについてまとめられた本。 今から百年前に起きていた、西洋化されていく日本の世の中を受けつつ、本来ある日本文化の美的意識や考え方について、彼独自の感性を盛り込みつつ、説明されている内容が興味深い。 紙、陶器、蝋燭、化粧、漆器、能などは、陰...

谷崎潤一郎による、西洋と日本の文化の違いについてまとめられた本。 今から百年前に起きていた、西洋化されていく日本の世の中を受けつつ、本来ある日本文化の美的意識や考え方について、彼独自の感性を盛り込みつつ、説明されている内容が興味深い。 紙、陶器、蝋燭、化粧、漆器、能などは、陰翳(いんえい)の中で生まれたものであり、その中で美しさを秘めたものと考える。西洋のキンキンピカピカの美意識とまた異なるものであると。 我々が失いつつある陰翳の世界を日本の文化のひとつと知る事により、古き良き日本文化を知るきっかけになる内容であった。 ほか、東洋的懶惰(らんだ)では、西洋と東洋の気質の違いや、 恋愛および色情では、西洋と日本の恋愛観の違いが述べられている。 日本人がどのように見られていたのか、また西洋をどのように見ていたのか、についての説明も興味深い。

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2014/01/05

最初は、昔の老人の愚痴のようで、読むのをやめようかとさえ思った。しかし読み進めていくと、谷崎潤一郎ならではの、日本の美への鋭い視点が出てくる。この本を読まなければ、灯りのない文化として発展してきた日本、その翳のなかでこそ映えるように作られた料理や器、厠、芸能その他色々なものがあっ...

最初は、昔の老人の愚痴のようで、読むのをやめようかとさえ思った。しかし読み進めていくと、谷崎潤一郎ならではの、日本の美への鋭い視点が出てくる。この本を読まなければ、灯りのない文化として発展してきた日本、その翳のなかでこそ映えるように作られた料理や器、厠、芸能その他色々なものがあったことに気付かなかった。自分が接してきた世界がまた新たな目で見える。一方で、軽妙なエッセイのつもりで書かれているものもあり、ずっと「来客が大嫌いだ」ということだけを言っているだけの作品も混じっていたりする。

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2014/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文豪大谷崎といわれる所以を感じることができる随筆集です。春琴抄や痴人の愛で描かれている肌の描写力は、日本人と白人の遠目から見た感じの差にあるという着眼点に基づいている点は思わず膝を叩きました。 歌舞伎のくだりや街燈での欧州と米国の差についても、思わず頷く点が多かったです。

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2013/12/15

高校の教科書で出てきて忘れられず、大学生になって読み返した本。日本文化と陰翳との関係、確かに頷ける。食器の話がやっぱり一番好き。

Posted byブクログ

2013/10/08

谷崎潤一郎の本を読むきっかけになった本。これをふまえると、どんなエグい内容も耽美に思えて全部好きなんです。

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