やさしさの精神病理 の商品レビュー
現代社会において変質してしまった「やさしさ」について,精神科医が論じた一冊です。大学生時代にこの本を読んでから「やさしさ」とは何か,考えるようになりました。年に一度くらい読み直しては考えさせられる本です。
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私の想像していた「やさしさ」とは違うことが書かれていた。17年前の著書であるので、今と時代背景が違うが、「自分探し」などについては今と共通するものが感じられた。 精神科ってもっと敷居が高く感じられたが、この本に登場する「患者」さんたちはただの相談をしにきてるみたいだった。 ...
私の想像していた「やさしさ」とは違うことが書かれていた。17年前の著書であるので、今と時代背景が違うが、「自分探し」などについては今と共通するものが感じられた。 精神科ってもっと敷居が高く感じられたが、この本に登場する「患者」さんたちはただの相談をしにきてるみたいだった。 「やさしい」=優柔不断で受診しているような人たちが紹介されていた。確かに自分で責任を持って物事を決められず、他人に進路をゆだねて自己責任を持たない。そんなことがわかった。自分の仕事でも割り切ってそういう考えでやっていけそうな気がした。 私の求めている「やさしさ」はもっと自然と共存するもの。そう考えていたけど、人間関係の「やさしさ」って自然から生み出されるものだと私は思う。自然抜きじゃ、人は優しくなれないと思うな。
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14年前の本。 「やさしさ」ムズっ!!! ものすごくやりづらくて分かりづらい若者たちのコミュニケーションがうっとうしかった。 それは今の時代にもすごーく通じる。 私は気の遣いすぎ、空気の読みすぎはどうかと思う。 疲れるわぁ。
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本に紹介されている事例は、症状がやや激しく出ているだけで、きっかけや思考回路は誰にでも起こりうるもので、こういった問題がやや身近に感じられ、興味深かった。少々古さを感じる部分もまたあり。
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現代のやさしさを持つ人々がどのように生きにくく感じているか、精神科医の視点から書かれています。コミュニケーションの重要性が叫ばれる中、このようなやさしさの中で、人々はどのようなコミュニケーションをとっていくのでしょうか。
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学生時代、『豊かさの精神病理』の方が、心理学の授業の教材でした。 非常におもしろかったので、こちらも読んでみた。 出版当時はバブル絶頂期。 まだ、今ほど心の病気に理解がある時代ではありませんでした。 昭和の落日、浮かれた日本人の後ろ姿をスケッチしたような一冊です。
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高校のときの夏休みの課題で読まされて以来 精神論を「分析」する考え方がなんだか斬新で 以降何度も読むことになった、 10代後半~20代前半においてのわたしのちょっとしたバイブルでした。
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あとがき通り「短編小説のよう」に読み切れた。一連の精神科医としてのエピソードののちに考察のまとめがあり、構成が明快。 僕もベタベタするのは好きじゃないけれど、相談を受けた時に他人事だったり、何も言えずに「自分で考えて」と言いたくなったりしてしまう自分の狭さが嫌だ。 筆者のよう...
あとがき通り「短編小説のよう」に読み切れた。一連の精神科医としてのエピソードののちに考察のまとめがあり、構成が明快。 僕もベタベタするのは好きじゃないけれど、相談を受けた時に他人事だったり、何も言えずに「自分で考えて」と言いたくなったりしてしまう自分の狭さが嫌だ。 筆者のように、状況判断・把握して、相手から考えを引き出す能力を身につけたいものである。
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科学の発展によって人は論理的に近くなったし、物理的には遠くなった。隣人を知らなくても、遠く離れた所に住む人を知っている。従来の距離感は一度瓦解していて、新しいパーソナルスペースの形成がある。新しいコミュニケーションでは時間に関わらず自分都合で相手にアクセスするし、相手も自分都合で...
科学の発展によって人は論理的に近くなったし、物理的には遠くなった。隣人を知らなくても、遠く離れた所に住む人を知っている。従来の距離感は一度瓦解していて、新しいパーソナルスペースの形成がある。新しいコミュニケーションでは時間に関わらず自分都合で相手にアクセスするし、相手も自分都合で応答する。その距離感で自分を尊重するし、相手も尊重する。自分勝手な一方通行さも、現代流の気遣いなのかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「やさしさ」とは、優しいことではなく、易しいことになっているのかもしれないことが判りました。 2つの言葉の語源はよくわかりませんが、相手に優しいことが、自分に易しいことに変わっているのかもしれないと思いました。 これでいいのかどうかわかりませんが、「これでいいのだ」と思うことも大事なのかもしれません。
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