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重力と恩寵 の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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どの言葉も磨きぬかれ…

どの言葉も磨きぬかれた輝きを放っています。それはただ美しいのみならず、極度の緊張感に支配されているのが特徴です。すべての喧騒から離れて、静謐な時間を体験したい方にオススメします。

文庫OFF

2024/03/03

断章集だったのもあって読み終わるのに4ヶ月くらいかかった 自分も、自分の思想も、消えて見えなくなって欲しいと願ったところに彼女らしさを感じる 何かと比較した時の善は社会的な利益しか得ないってところは共感だけど、逆にそうじゃない善なんて僕は出来ない

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2024/04/28

2023/3/5(3回目) 「苦しみがなくなるようにとか、苦しみが少なくなるようにとか求めないこと。そうではなく、苦しみ によって損なわれないようにと求めること」辛くて苦しんでいたときに恩師から言われた言葉 「どうか、わたしは消えて行けますように。今わたしに見られているものが、も...

2023/3/5(3回目) 「苦しみがなくなるようにとか、苦しみが少なくなるようにとか求めないこと。そうではなく、苦しみ によって損なわれないようにと求めること」辛くて苦しんでいたときに恩師から言われた言葉 「どうか、わたしは消えて行けますように。今わたしに見られているものが、もはやわたしに見られ るものではなくなることによって、完全に美しくなれますように」この世には究極的な言葉、といったものが存在すると思うが、これはその一つ 本当に眩しくて透きとおっていて信じられないほど美しくて悲しい 「知性は(中略)鋭敏で、尖鋭で、正確で、厳密で、酷薄でなくてはならない」恩師によく似合う言葉 「泣いてはならない、慰めを受けたりしないように」いつもこの言葉を思い出して生きていきたい

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2019/04/10

原書名:Le pesanteur et la grâce. 2.éd 著者:シモーヌ・ヴェイユ(Weil, Simone, 1909-1943、フランス・パリ、哲学) 訳者:田辺保(1930-2008、京都府、フランス文学)

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2017/08/18

台北にいる間、ずっと読んでた。 表通りから一本入った滞在先のアパートの部屋で、ずっと読んでた。 台北では、現地人のような凡庸さで生活をした。あさは何も食べず、昼と夜は屋台で適当に済ませた。タクシードライバーは、俺に観光地を勧めたが、打ち解けると、中国人ばかりでうんざりするから観光...

台北にいる間、ずっと読んでた。 表通りから一本入った滞在先のアパートの部屋で、ずっと読んでた。 台北では、現地人のような凡庸さで生活をした。あさは何も食べず、昼と夜は屋台で適当に済ませた。タクシードライバーは、俺に観光地を勧めたが、打ち解けると、中国人ばかりでうんざりするから観光地へ行かないのは正解だ、と言った。日本はもちろん、冬に行ったオランダにも中国人がたくさんいた。中国が世界を牛耳るまであと何年くらいだろう、と、タクシードライバーに言うと、早くて十年と見てると彼は言った。台北の政治家たちも、外国人に対する規制を緩める気満々なのだそう。中国人が落とす金に期待してるのは、どこも一緒。 世界がどうなろうが知ったこっちゃない。本音を言うと、心の底の底の底では、自分がどうなろうが知ったこっちゃない。俺は阿呆だから、毎日毎日、欲求と達成の間をだらだら歩いていれば大満足で、結婚という名の墓場に入る気はさらさらないし、将来何を仕出かすか判ったもんじゃない子のマネージャーになる気もない。阿呆じゃない男たちは、夫になり、子を育て、妻を愛し、妻を裏切り、妻に裏切られ、それでも死んだら同じ墓に入る【家族】という制度に順応し、ヴェイユなんて読まず、投資信託を勉強し、保険の見直しなどをしながら、日々を過ごしている。正直、大尊敬だ。俺には絶対に出来ない。彼らが地元の同窓会に出席したがる理由が、ぼんやりとだが見えてくる。墓場に届く青春の気配に、誰が抗える? 人生、最高。

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2014/11/08

死後に遺されたノートを編纂して刊行されたもの。編者による長めの解題が巻末に収録されている。 思索の断片に近いメモの集積で、一貫した論文の状態ではないが、逆に生々しい、著者本人の思考を辿るような読み応えがある。書かれた順番に収録されていたらどうなっていたのだろう。

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2014/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 「重力」に似たものから、どうして免れればよいのか。 ―ただ「愚寵」によって、である。 「恩寵は満たすものである。 だが、恩寵をむかえ入れる真空のあるところにしかはって行けない」「そのまえに、すべてをもぎ取られることが必要である。 何かしら絶望的なことが生じなければならない」。 真空状態にまで、すべてをはぎ取られて神を待つ。 苛烈な自己無化への志意に貫かれた独自の思索と、自らに妥協をゆるさぬ実践行為で知られる著者が、1940年から42年、大戦下に流浪の地マルセイユで書きとめた断想集。 死後、ノート(カイエ)の形で残されていた思索群を、G・ティボンが編集して世に問い、大反響を巻き起こしたヴェイユの処女作品集。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2014/02/07

何か一つの宗教を信じることは他の宗教を否定することになると思っているので、彼女の言う「神」を、真理やら世界やらに言い換えてから読んだ。宗教には明るくないのですが。 最近色々と考え実行してみたりしていることを、彼女も考え実行していたことをちょっと嬉しく思い、彼女がもっと遠いところ...

何か一つの宗教を信じることは他の宗教を否定することになると思っているので、彼女の言う「神」を、真理やら世界やらに言い換えてから読んだ。宗教には明るくないのですが。 最近色々と考え実行してみたりしていることを、彼女も考え実行していたことをちょっと嬉しく思い、彼女がもっと遠いところにいることを目標にこれからも先へ進みたい。 生きるために大切なことを教えてくれる本。

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2014/01/24

主人が奴隷を作り奴隷が主人を作るという意味において、ヴェイユはきっと正しさの奴隷だったのだろうと思う。ここまで透徹している人間が生き易いわけはないけれど、この本は私の生き易さの指標になると同時に生きにくさの補強にもなったと思う。

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2013/10/28

心を抉られるような表現からドキッとするところもあるけれど、心洗われる哲学。良くも悪くもその程度しか理解できなかった。色々な関連書を読んでもう一度戻ってきたい。

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