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重力と恩寵 の商品レビュー

4.3

24件のお客様レビュー

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2013/03/08

凄まじい。彼女がノートに書き綴った箴言の数々を死後編纂して出版された本書は、どれも信仰への確信と悲痛なまでに苦しみを受け入れようとする決意に満ちている。その余りにも高尚なストイックさに最初は距離を感じたが、著者の人生を知って納得がいった。ユダヤ人の家系に生まれ哲学科の教師になるも...

凄まじい。彼女がノートに書き綴った箴言の数々を死後編纂して出版された本書は、どれも信仰への確信と悲痛なまでに苦しみを受け入れようとする決意に満ちている。その余りにも高尚なストイックさに最初は距離を感じたが、著者の人生を知って納得がいった。ユダヤ人の家系に生まれ哲学科の教師になるも、病弱で偏頭痛に悩まされる自己を顧みず農場や工場で働き出す。貧民の救済のために革命運動に身を投じ、世界大戦への抗議として行ったハンストで餓死するという生涯。逃れられない心身の痛み、そんな痛みと向き合う時に本書は最高の鎮静剤となる。

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2012/12/02

なんだか難しい。 私の理解が及ばないのだろうが、 人生を苦難に満ちた辛いものだと認識しているがゆえの、 苦悩な気がする。 こういう人こそ、とっととクリスチャンになってしまえば良いのにと思うが、こういう人だからこそ、信仰が持てないのだろうなとも思う。 自分で自分を苦しめているが、...

なんだか難しい。 私の理解が及ばないのだろうが、 人生を苦難に満ちた辛いものだと認識しているがゆえの、 苦悩な気がする。 こういう人こそ、とっととクリスチャンになってしまえば良いのにと思うが、こういう人だからこそ、信仰が持てないのだろうなとも思う。 自分で自分を苦しめているが、 きっと人生を楽しんではいけないのだと思っている気配も感じる。 普通に恋をして結婚でもしていたら、人生もかわったのではないかな。 ある意味天才の域。

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2012/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

重力が、愛と感じるか、それとも単なる重みでしかないと感じるかはその人によるだろう。ヴェイユは重力を逃れられない運命であると認識しているようだ。そして恩寵はその重力から開放されるものだという。 重力を違う言葉で読み替えると関係ということになる。私達がいま生きて、重力を感じているのも、星同士の関係にあるだろう。ヴェイユは関係の働きかけが一方に傾くと違う方はおろそかになるという。 そして、関係というのは主に思考のことなのだ。ヴェイユがのべたいのは思考と、それ以外のものの関係につきる。それ以外のものとは光のことだと。 難解だがよみすすめてゆきたい。

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2012/05/24

幸福と相関関係をなす不幸について思考し続けたストイックな女性哲学者の断片的ノート。「苦しみがなくなるようにとか、苦しみが少なくなるようにとか求めないこと。そうではなく苦しみによって損なわれないようにと求めること。」きっと辛いときが一番の近道。

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2012/05/01

人に対して「透明感」という言葉を使うのはまず好意的な感情からだと思う。僕もシモーヌ・ヴェイユという人の深く澄まされた知性に、憧れや好意を感じる。 しかしそれにしても、いくらなんでもこの人の透明感は、度が過ぎている。水清ければ魚棲まず、ではないが、突き詰められた「聖」性は汚く図太く...

人に対して「透明感」という言葉を使うのはまず好意的な感情からだと思う。僕もシモーヌ・ヴェイユという人の深く澄まされた知性に、憧れや好意を感じる。 しかしそれにしても、いくらなんでもこの人の透明感は、度が過ぎている。水清ければ魚棲まず、ではないが、突き詰められた「聖」性は汚く図太く生きる生命力の対極のように思え、悲壮感さえ覚える。 関連して、ヴェイユの教え子の書いた本を読んだ。師への親愛の情に溢れた本だった。この人が周囲の人に理解され、愛されて生きたのだと思うと、何か救われたような気持ちになる。そんなことも含め、ヴェイユという人は僕に希望や勇気をくれる存在だ。

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2011/10/05

2011.09.28 読了 ヴェイユの言葉の切っ先は鋭すぎる。グサグサ刺さる。だけど、そこから流れる血は美しく輝いているのだ。きっと。

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2011/09/24

一周(よりちょっと手前くらい)すると辿り着く本。 次のステップに辿り着く(一周する)為には、是非ガウタマ・シッダールタ(ブッダ)とのセットでどうぞ。

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2012/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ヴェイユが思索の断片をつづった『カイエ』による箴言集。猛烈に毒があり、長く続けて読むのはつらいが、ときどき手に取りたくなる。強く励まされる言葉があるかと思えば、あまりの厳しい指摘に暗澹となることもある。  「人に哀願するのは、自分だけの価値体系を他人の精神の中に力ずくででもはいりこませようとする絶望的なこころみである」  「同じひとつの行いでも、動機が高いときよりも、動機が低いときの方が、ずっとやりやすい。低い動機には、高い動機よりも多くのエネルギーが含まれている。問題はここだ。低い動機に属しているエネルギーを、どうやって高い動機に移しかえるか」

Posted byブクログ

2010/07/31

「優しい人に囲まれて幸福のまま終える人生」 「苦難に満ちた求道者の人生」 「おまえはどちらを選ぶ?」 問われて、あなたはいささかの躊躇も見せず、片方を選んだ。 生命の歴史に花が咲いた。 小さくとも気高い一輪の花が。

Posted byブクログ

2010/07/18

私はどうしてもこの女性が好きになれない。シモーヌ・ヴェイユはあまりにも清らかで純粋だ。彼女は生き急ぎ、死に急いでいた。常人の数倍ものスピードで生きた彼女は34歳で死んだ。 http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100718/p6

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